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平成24年第4回定例会(第3日) 名簿 開催日:2012-09-11
平成24年第4回定例会(第3日)  本文 開催日:2012-09-11

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  1. 福岡市議会 2012-09-11
    平成24年第4回定例会(第3日)  本文 開催日:2012-09-11


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時 開議 ◯議長(森 英鷹) これより本日の会議を開きます。  日程第1、一般質問を行います。  発言通告者のうちから順次質問を許します。池田良子議員。 2 ◯58番(池田良子)登壇 おはようございます。私は、社民・市政クラブ福岡市議団を代表しまして、発達障がい児の支援及び多様な性の人権教育の推進について御質問いたします。  本年7月30日裁判員裁判で、大阪地裁は殺人罪に問われた発達障がいの男性被告に、被告の障がいに対応できる受け皿が社会にないとして、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を言い渡しました。これは、障害者権利条約がうたう、障害者を支援する義務は国や社会の側にあり、支援をしないことは差別につながるということに逆行する内容です。さらに、障がいがあることで量刑が重くなったことになり、障がいに対する偏見や無理解による障がい者差別と言わざるを得ません。報道によると、男性は小学校5年生から不登校になり、30年間ひきこもり状態だったといいます。早い時期に療育や教育、福祉の手が差し伸べられていたら、また違った人生を歩いたかもしれないと思うと残念でなりません。刑務所を出所した障がい者を受け入れ、発達障がいの特性に合った更生プログラムで社会復帰を支援する更生保護施設ももちろん必要ですが、早期療育、教育、周囲の適切な対応が大変重要であると考えることから、発達障がい児の支援策について質問してまいります。  本年度予算特別委員会の総会質疑において社会的養護について質問した際に、愛着障がいや発達障がいを抱える子どもがふえているという御答弁をいただき、発達障がい児の一時保護後の処遇の困難さを実感したところです。  そこで、えがお館における相談者のうち、発達障がいなど支援が必要であると認められる子どもの過去3年間の推移をお知らせください。また、このような子どもたちの現状について、えがお館から見える発達障がい児に関する課題について御所見をお伺いします。  特別支援教育の本格実施から5年が経過し、本市においては年々、特別支援学級の整備や支援員の配置が拡充されてきましたが、この数年間、支援学級を希望してもいまだ実現しない学校もあり、支援員についても現場のニーズには十分に応え切れていません。  そこで、小中学校における知的障がい特別支援学級の整備校数と整備率、あわせて保護者、学校より整備の要望をしていたにもかかわらず整備されなかった学校について、その理由をお知らせください。また、本年度の支援員の人数と配置校数及び配置率を小中学校別にお知らせください。さらに、市立高等学校4校に在籍する発達障がい生徒の人数と支援員の有無についてもお知らせください。  次に、人権教育の推進についてお尋ねします。  人権とは、全ての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利であり、誰にとっても身近で大切なものです。福岡市においては、国の法律と基本計画に基づいて、2004年1月、福岡市人権教育・啓発基本計画を策定、同年11月に実施計画を策定し、人権を尊重し、人の多様性を認め合うまち福岡市の実現に向けて、同和問題を初め、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人に関する問題など、さまざまな分野における人権課題について、全庁的に人権教育、啓発の取り組みを進めてこられています。しかし近年、インターネットや携帯電話などの通信手段を悪用した誹謗中傷や差別落書き、障がい者問題にかかわるガイジ発言の増加など、人権問題も多様化、複雑化してきています。差別という人権侵害は、見なれないものや自分とは異質なものを認めず、ひいては排除しようとすることだと考えますが、特に社会的マイノリティーの人たちにその目は向けられがちです。社会的マイノリティーの人たちの中でも、性同一性障がいや性的指向を含む性的マイノリティーについて考える契機をつくったのが、2002年に放送された人気ドラマ「3年B組金八先生」です。また、NHK教育テレビで放送中の福祉番組「ハートをつなごう」では、性同一性障がい、ゲイ、レズビアン、LGBTと、2006年から性に関するシリーズを継続的に放送し、性の多様性について考えています。  今議会では、さまざまな人権課題の中で、性的マイノリティーと言われる方々の人権について質問してまいります。性的マイノリティーと言われる当事者が、自分たちのことをポジティブに語る言葉として使っているのがLGBTです。恋愛の対象を示すレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルと、心の性と体の性が一致しないトランスジェンダーだけでなく、広く性的少数者の人たちを指す言葉として用いられております。そして、それは3%から5%はいると言われています。それは、言いかえれば多様な性をあらわしていると言えます。東京都は2000年11月、東京都人権施策推進指針を策定し、その他の人権問題として、性同一性障害のある人々などに対する偏見があり、嫌がらせや侮べつ的な言動、雇用面における制限や差別、性の区分を前提にした社会生活上の制約などの問題がある。また、近年、同性愛者をめぐって、様々な問題が提起されていると明記し、今後、さまざまな人権問題を解決していく視点から論議を深める必要があるとして、人間の存在と尊厳にかかわる問題として掲げています。国においては、人権教育・啓発に関する基本計画で、性的少数者の人権について、その他の人権課題の中で、同性愛者への差別といった性的指向に係る問題として、人権教育、啓発の取り組みが必要であるとしています。さらに、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が2004年施行、2008年改正となり、戸籍の性別が変更可能になるなど、性的少数者に配慮した施策は近年進みつつあります。しかし、社会生活の中では、多様な性であるがゆえに悩み、偏見や差別の中で、いじめや不登校、ひきこもり、中には自死に追い込まれた子どもや若者も少なくありません。  そこで、本市における性同一性障がいや同性愛者など多様な性の人々への人権については、福岡市人権教育・啓発基本計画ではどのように位置づけられているのか、お知らせください。また、文部科学省より2010年4月23日付で、児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について通知があっていますが、その内容はどんなものか、また、各学校に対しては、この通知をどのように周知徹底をされたのか、お知らせください。  以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。 3 ◯議長(森 英鷹) 吉村こども未来局長。 4 ◯こども未来局長(吉村展子) 発達障がい児の支援についてお答えいたします。  えがお館における相談者のうち、発達障がいなど支援が必要であると認められる子どもの推移についてのお尋ねでございますが、えがお館の嘱託児童精神科医により発達障がい等の確定診断を受けた子どもの過去3年間の推移は、平成21年度、137人、22年度、118人、23年度、132人でございます。
     次に、えがお館から見える発達障がい児に関する課題についてのお尋ねでございますが、えがお館にはさまざまな子どもに関する相談が寄せられます。子ども自身の性格や行動に関する御相談、非行、虐待相談の中に、子どもの発達障がいが発見され、周囲が気づくことなく不適切な対応をしてきたことによる二次障がいとして顕在化することが多く見受けられます。早期に発見し、不適を最小限にするため、適切な援助を受けることが望まれるものでございます。以上でございます。 5 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 6 ◯教育長(酒井龍彦) 発達障がい児への支援についての御質問にお答えをいたします。  まず、小中学校における知的障がい特別支援学級の整備校数と整備率ですが、平成24年度においては、小学校は145校中118校に設置し、整備率は81.4%、中学校は69校中53校に設置し、整備率は76.8%でございます。  次に、整備できなかった理由ですが、就学相談の結果、特別支援学級への入学予定者がいなくなり開設の必要がなくなったことや、大規模校のため教室の確保ができなかったことなどでございます。  次に、平成24年度の特別支援教育支援員についてでありますが、本年度は120人を配置しております。小学校は配置希望111校のうち88校に配置し、配置率は79.3%でございます。中学校には配置希望37校のうち23校に配置し、配置率は62.2%でございます。  次に、市立高等学校4校に在籍する発達障がいのある生徒についてでありますが、医療機関での診断が確定していない生徒も含めまして、学校で組織的な支援の対象としている生徒は11人でございます。なお、特別支援教育支援員につきましては、今年度は配置をしておりません。  次に、人権教育の推進に関する御質問ですが、教育相談に関する平成22年4月23日付の文部科学省通知につきましては、児童生徒が抱える問題は多様化し、複雑になっており、性同一性障がいなど個別の事案に応じたきめ細かな対応が必要であること、各学校においては、管理職や学級担任、養護教諭、スクールカウンセラーなど教職員が協力し、保護者の意向にも配慮しつつ、児童生徒の不安や悩みをしっかり受けとめ、児童生徒の立場から教育相談を行うこと、さらに、必要に応じて医療機関との連携を図ることなどが示され、学校において適切な対応ができるよう、各教育委員会に対し指導助言を要請する内容となっております。この文部科学省通知につきましては、校長会で説明した後、各学校に対し、性同一性障がいを初めとする新たな課題についても、児童生徒の心情や保護者の意向に十分配慮した対応を行うよう通知をいたしております。以上でございます。 7 ◯議長(森 英鷹) 四宮市民局長。 8 ◯市民局長(四宮祐司) 多様な性の人々への人権についてのお尋ねでございますが、福岡市では平成16年に策定した福岡市人権教育・啓発基本計画において、同和問題を初めとした女性、子ども、外国人などのさまざまな分野における人権課題の現状と課題を整理し、総合的な視点に立った人権教育、啓発を推進しているところであります。この基本計画に基づき、平成23年度に策定した実施計画の中で、性同一性障がいを人権課題の一つとして取り上げております。人権教育、啓発に携わる職員には、性同一性障がいなどのさまざまな人権課題について、現状と課題を把握し、研修や講演会のテーマで取り上げるなど、市民への正しい知識の普及と効果的な啓発活動を進めるよう周知徹底を図っているところでございます。以上でございます。 9 ◯議長(森 英鷹) 池田良子議員。 10 ◯58番(池田良子) 初めに、発達障がい児の支援についてです。  周囲の誤った理解や対応は、本人や家族のストレスを高め二次的な問題を引き起こし、社会生活上の困難さをより大きなものにしてしまいます。非行や虐待相談の中に、子どもの発達障がいが発見され、周囲が気づくことなく不適切な対応をしてきたことによる二次障がいとして顕在化することが多いということは、早期発見とともに、学校教育において発達障がい児への適切な対応が重要ということです。発達障がいのある児童生徒の持てる力を高め、生活や学習上の困難の改善、社会的スキルの向上のためには、周囲の適切なサポートは重要です。しかし、本市では希望校に対する支援員の配置率が、まだ80%に満たない状況です。発達障がい者支援センターでは、乳幼児期から成人期に至るまでの相談を受けていますが、発達障がい者支援センターにおける相談内容別件数と年齢層別の相談支援件数について、過去3年間の推移をお知らせください。  数年間、特別支援学級の整備を希望している壱岐小学校は、児童数1,000人を超す大規模校です。児童数が多ければ、それだけ支援を要する子どもの数も必然的に多くなります。しかし、壱岐小学校においては、大規模校であるがゆえに教室不足を理由に支援学級の整備が見送られてきました。ところが、新年度が査定数を下回る学級数でのスタートとなり、空き教室があるにもかかわらず、教室不足で支援学級が整備されないという結果に、保護者は到底納得できるものではありません。支援を要する子どもの教育環境の整備を優先し、不足する普通教室についてはプレハブ対応をするなどすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、多様な性の人権教育の推進についてお尋ねします。  親が買ってくれた洋服や持ち物、おもちゃなどに違和感を抱き、家庭のみならず、学校や社会で女らしさ、男らしさを強要され、この違和感は成長するにつれ、消え去るどころか深刻化し、心の性と体の性の食い違いに自分を肯定できず、悩み続けている子どもがいます。問題解決の第一歩は、まず、当事者に対する支援策です。性同一性障がいなどのセクシュアリティーに関する相談窓口はどこで、20歳未満の過去3年間の相談件数とその内容、学校、保護者、本人など相談者の内訳をお知らせください。また、その相談窓口は子どもから大人まで全ての年齢に対応できるのか、できないのなら20歳以上の人はどこへ相談すればいいのかもあわせてお知らせください。また、セクシュアリティーの問題に関しては正しい理解と認識が不可欠ですが、学校が適切な対応ができるために、学校、教職員に対してどのような支援策を講じてきたのか、お知らせください。  性同一性障がいの人が、見た目と健康保険証の性別が違うため、病院へ行くことを拒み、病状が悪化したケースがあることを聞いていましたが、本年7月2日、島根県松江市は、心と体の性が一致しない性同一性障がいと診断された方に、国民健康保険証の表にある性別欄に男女の性別を記載せず、裏面に特記事項として戸籍上の性別を記した保険証を新たに交付しました。厚生労働省は、この対応に対して問題ないとして市の方針を容認しています。戸籍上と違う性別表記方法等について、厚生労働省は検討中であると聞きますが、進捗状況はどうなっていますか。適正な医療を受ける権利からも必要な措置と考えますが、本市ではそのような申し出はこれまでになかったのかどうか、また、今後このような申し出があった場合、本市としてはどのように対応されるのか、御所見をお伺いして、2回目の質問を終わります。 11 ◯議長(森 英鷹) 吉村こども未来局長。 12 ◯こども未来局長(吉村展子) 発達障がい児の支援についてお答えいたします。  発達障がい者支援センターにおける相談内容別件数でございますが、多い順に申し上げますと、家庭生活に関する御相談が平成21年度、730件、22年度、1,192件、23年度、1,218件、情報提供に関するものが、21年度、326件、22年度、533件、23年度、604件、健康、医療関係に関する御相談が、21年度、364件、22年度、319件、23年度、416件で、以上の3項目を合わせますと、23年度では件数で2,238件、全体の約86%を占めております。相談支援件数全体では、過去3年間で約1.3倍の伸びを示しております。また、相談支援対象者数では、年齢階層別でゼロ歳から6歳、7歳から12歳、13歳から18歳、19歳以上の4区分で申し上げますと、19歳以上が最も多く、21年度、357人、22年度、543人、23年度、680人となっております。次に多いのは7歳から12歳の小学生の層で、21年度、232人、22年度、218人、23年度、227人となっております。相談支援対象者数全体でも、過去3年間で約1.4倍の伸びを示しております。  次に、性同一性障がいなどのセクシュアリティーに関する相談窓口についてのお尋ねでございますが、20歳未満の子どもに関する相談は、一元的にこども総合相談センターでお受けしております。相談件数でございますが、平成21年度、本人1件、保護者2件、友人1件、計4件でございます。22年度は、本人38件、保護者8件、計46件でございます。23年度は、本人3件、保護者2件の計5件、24年度は8月末現在でございますが、本人16件、祖父母1件の計17件となっております。なお、匿名性であるため、同一架電者からの相談も多く、実数については3名から8名程度と思われます。相談内容につきましては、性同一性障がいではないかと心配、診断をしてくれる病院を教えてほしい、同性を好きになる、女の子になりたいなどの内容となっております。20歳以上の方については、精神保健福祉センターでの御相談となります。以上でございます。 13 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 14 ◯教育長(酒井龍彦) 特別支援学級についてのお尋ねですが、新たな特別支援学級につきましては、学校の余裕教室を活用するという方法で設置をしているところでありますが、余裕教室が全くない状況であっても、特別支援学級を新たに設置する可能性が高い場合には、入学の前年度のうちにプレハブ教室を建設するようにしております。今後さらに学級数の確認について、学校や関係者間の連絡を密にしてまいります。  次に、学校や教職員が性同一性障がいの問題に適切に対応するための支援策についてでありますが、全ての中学校の生徒指導担当者を対象とした連絡会において、性同一性障がいのある生徒の実態に即して、生徒の心情や保護者の意向を踏まえ適切な対応を行うよう指導、助言をいたしております。また、具体的な対応として、スカートの着用に抵抗感を示す女子生徒に対し、標準服のかわりに体育用ジャージの着用を認めた事例なども示しております。さらに、必要に応じて関係医療機関と連携を図るよう助言しているところであります。以上でございます。 15 ◯議長(森 英鷹) 中島保健福祉局長。 16 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 国民健康保険被保険者証の性別記載についてお答えいたします。  まず、戸籍上と違う性別表記方法等についての厚生労働省の検討状況についてでございますが、国民健康保険被保険者証の性別の記載につきましては、国民健康保険法施行規則第6条にその様式が定められており、戸籍上の性別を記載しております。性別表記方法等に関する厚生労働省の検討状況でございますが、同省では現在、島根県松江市の事案を受けて検討がなされていると伺っておりますが、その検討内容については把握できておりません。  次に、本市での申し出状況でございますが、福岡市において性同一性障がいと診断された人からの性別記載方法の変更の申し出につきましては、現在まであっておりません。また、今後、福岡市において性別記載方法の変更の申し出がございましたら、厚生労働省と協議し、個々に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。 17 ◯議長(森 英鷹) 池田良子議員。 18 ◯58番(池田良子) 初めに、発達障がい児の支援についてお尋ねします。  発達障がい者支援センターにおける相談支援者は、19歳以上の相談者が年々増加しています。相談内容についても、家庭療育や不適応行動などが46.8%と最も多くなっているとのことです。言いかえれば、学齢期において発達障がいに気づかれることなく過ごし、周囲の不適切な対応等の積み重ねの結果とも言えます。乳幼児期から学齢期における発達障がい児への適切な対応は、今や喫緊の課題です。本年度より特別支援教育研修が全教職員に対して行われるようになりましたが、全教職員が発達障がいについて正しい理解と認識を深めることに加え、特別支援学級担任や支援員との連携のもと、発達障がいの子どもへの適切な対応が求められます。さらに本年度は、市立高等学校における発達障がいの生徒に対して支援員の配置が行われていませんが、保護者の了解を得られていない生徒も含めると、支援が必要な生徒は相当数いると思われます。高等学校の発達障がいを持つ生徒への支援策の強化とともに、全小中学校へ支援員の配置をする必要があると考えますが、御所見をお伺いします。  徳島県立みなと学園は、軽度の知的障がいや心身症、精神疾患などを伴う発達障がいと不登校対象の学びの場です。国語や数学などの各教科の授業も行われ、高等学校に準じた教育課程となっています。福岡市の博多高等学園は知的障がいに限定されているため、軽度の知的障がいを伴う行動障がいの生徒たちの進路は、今、はざまにあると言っても過言ではありません。今後、発達障がい児の進路保障と社会的スキルを身につける場の確保として、このような学園が必要だと思われますが、御所見をお伺いします。  2カ月ごとに交代する支援員は、各学校で人材を探さなければならないため、人探しに大変苦慮していると聞きます。東京都港区ではNPO法人との共同事業で、学習支援員ではありますが、その養成や学校派遣、相談活動の充実などを図っています。本市においても支援員の充実を図るため、今後、NPOとの共同事業も含め、教育委員会が支援策を検討されるよう要望しておきます。あわせて、中央区にある発達障がい者支援センターと博多区にある障がい者就労支援センターの連携を強化するためにも、将来的には場所の統合も検討されるよう要望しておきます。  次に、多様な性の人権教育の推進についてお尋ねします。  8月2日に福岡市人権教育研究会が開催した夏期研究集会では、初めて「多様な性について」の分科会が行われ、午前、午後合わせて約500人の小、中、高等学校の教職員が参加されています。大学生を含む当事者の方々からは、自分のセクシュアリティーの問題を誰にも相談できず、自分が異常なのではないかと悩み続けたことや、多様な性に関する正しい知識、学校教育に望むことなどが語られました。参加された先生からは、多様な性について初めて知った、親の育て方とか本人の思い込みなど間違った情報を持っていたことに気づかされた、女らしく、男らしくという言葉で傷つけていたことに気づかなかったなどの気づきの感想とともに、学級で相談されたらどう対応すればいいんだろうなど不安の声も聞かれました。文科省通知は各学校へ通知されたとのことですが、ほとんどの教職員は知らなかった、具体的な対応はわからないという実態です。相談窓口に加え電話相談の件数をお尋ねしましたが、文部科学省が通知を行う前年度の相談件数4件に対し、通知を出した2010年度は46件と驚きの相談件数です。実数についてもおっしゃられましたけれども、この件数には大変驚いています。新聞報道で通知を知った当事者、そして保護者の方々が相談をしやすくなった結果だというふうにも思われます。今年度においても、5カ月間で17件の相談が寄せられています。このことからも、当事者やその家族、学校関係者にとって、相談窓口の周知は早急に行うべきと申し上げておきます。  政府は8月9日、自殺総合対策大綱の見直し案を公表しましたが、社会的少数者の直面する課題として、「性同一性障がいや性別違和感を抱える人、性的指向を理由に社会的偏見にさらされる人では、鬱や神経症等の精神科合併症の率が高く、自殺念慮を抱えることも多い。自殺念慮の発生時期の第1のピークは、第2次性徴による体の変化による焦燥感、中学での制服の問題、恋愛の問題などが重なる時期の思春期のため、学校での対応として、性的マイノリティーの子どもへの支援、在校生全体の多様な性への理解を深めるための教育、それぞれの家庭での理解を促進するために、保護者への性同一性障がいや性的指向に関する情報提供を実施するとともに、学校や専門医療施設が協働する体制を構築。また、自殺念慮の発生時期の第2のピークは、就業、結婚等の問題で困難を感じる社会へ出る前後のため、企業や地域社会において正しい知識を啓発し、偏見や誤解を解消するためのジェンダーやセクシュアリティーの視点に立った人権研修などの取り組みを実施する。また、公的な相談機関において適切に対応できる体制を整備する。同時に公的サービスに従事する職員への研修を実施する」と学校教育や公務員への研修の必要性についても明記をしています。  2010年6月15日付の毎日新聞には、東京都のメンタルクリニックで性同一性障がいの当事者1,138人を対象にした自殺関連の調査記事があります。調査では、精神的な苦痛は思春期にピークを迎え、自殺を考えたことがあるという人は62%に上り、自殺未遂経験は10.8%、リストカットなどの自傷行為経験者は16.1%と、自殺の危険性が高いことも示しています。この間、学校において障がい者問題にかかわるガイジ発言が増加傾向にあることを受け、人権教育指導の手引き2012年度改訂版にその指導の実践例を追記しています。新しい人権課題に速攻対応していただいているというふうに思っています。性同一性障がいを含む多様な性についての人権教育を推進していくために、オカマやホモ、キモイなどの言葉が性的マイノリティーに対する人権侵害であると捉えるなど、まず、教職員が正しい理解と認識を深め、事象に対する指導や実践に当たることが求められます。そのためにも研修や指導の実践例などが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。  学校に限らず、社会においてもこうした偏見や差別は、差別する側の無理解や固定的な認識によって引き起こされます。そういう意味からも、男女平等教育や男女共同参画社会の取り組みは重要です。国の第3次男女共同参画基本計画の第8分野には、性的指向を理由として困難な状況に置かれている場合や性同一性障がいなどを有する人々については、人権尊重の視点からの配慮が必要であると基本的考え方を示し、具体的施策が明記されています。男女二分法による性別は広く社会に浸透しており、制度や法律を筆頭に、日々の生活と密接に関係しており、慣習などは性別を前提に成り立っていると言っても過言ではありません。学校における男女別の名簿や並び方、トイレや修学旅行、着がえ、制服、健康診断など、性同一性障がいの子どもはとてもつらかったと語っています。文科省が都道府県教育委員会に通知を出したきっかけとなった埼玉県の公立小学校では、性同一性障がいと診断された児童の訴えで、学校生活上の性別変更を認め、その後、鹿児島県や神奈川県の学校でも、生徒の訴えで対応は徐々に広がりを見せてはいますが、多くの当事者は声を上げられる状況にないのが実情です。性同一性障がい者など多様な性の方々が自分らしく生きていくためには、多くの社会的障壁があります。性同一性障がいであるがゆえの就職差別、URや大阪府住宅供給公社は、高齢化を踏まえ、血縁でない者同士、同性パートナーや単身者同士で入居できるハウスシェアリングの制度を実施していますが、本市を含め多くの公社賃貸住宅の入居要件は、血縁または婚姻関係にある人に限られているなど、住居に関する問題も深刻です。残念ながら社会には、まだ無知からくるであろう偏見、差別が根強くあります。本市においても、福岡市人権教育・啓発基本計画の実施計画に性同一性障がいが取り上げられており、人権尊重の視点に立った行政の推進に関する指針に沿った多様な性の課題についても、あらゆる局で横断的な施策や支援対策が必要と考えます。  今回の質問に当たって、当事者の方からメッセージを預かってまいりましたので、代読させていただきます。御本人の手記によるものです。   9月3日で、私は28歳になりました。私にとって、28歳になる今年の誕生日は、とても大切な意味をもつ日で  した。10年前、18歳の私は福岡市内の高校に通う三年生で、絶望の中で生きていました。私は女性の体に生まれ  てきましたが、小学校一年生の時には、すでに、他の子どもたちと自分は違うのだとわかっていました。私は女  性の体に生まれてきたので、女の子たちと仲良くするべきであり、かわいらしい服を着て、お人形で遊ぶことを  周囲から望まれているのだと感じながら、でも、私はどうしてもそうすることができませんでした。まわりの友  達とはちがう、でも、私はそのことに悩んではいませんでした。誰も、私に女の子らしくすることを強制しなかっ  たし、男の子の友達と私は毎日一緒に遊んでいたからです。しかし、高校生になると、そんなわけにはいきませ  んでした。私には、忘れられない日があります。高校二年生の英語の授業のことです。英語の先生は、冗談が好  きな人で、授業中の雑談で、こんな話をしました。「三角関係の話です。トムはジェーンが好き、ジェーンはマ  イケルが好き、…マイケルは、トムが好き」その時、教室中が、どっと笑いました。私は笑えませんでした。私  はゲイではありませんが、みんなが笑っているのは、私のことなんだと思いました。さらに、授業のあと、仲良  くしていた友達に、言われました。「そんなのが近くにいたら、気持ち悪いよね」と。今でも、私はその日のこ  とをよく覚えています。思い出すと、涙が出そうになります。しかし、きっと、同じクラスの誰も、おそらく先  生すら、そんな話があったことを覚えていないでしょう。私はその日、絶望的な気持ちになりました。自分が他  のみんなとちがうことを、絶対に知られてはいけないのだと思いました。もし知られたら、友人の誰もが、私を  気持ち悪がり、離れていくんだと。自分はとんでもないモンスターで、みんなを騙しているんだ、みんなに申し  訳ない、こんな私でごめんなさい、と、いつも土下座して謝りたい気持ちでいました。その頃は、自分の幸せな  将来の姿なんて、少しも見えなくて、このままずっと自分ではない何かを演じながら、本当の気持ちを話せずに、  一人きりで生きていくしかないんだと思っていました。できるなら、早く死んでしまいたい、長く生きても30歳  ぐらいまででいい。進学校に通っていましたが、勉強をする意味が見出せず、授業中は寢てばかりいました。授  業のあと、先生から廊下に呼び出されて、「あんた学校やめなさい」と言われたこともありました。でも、やめ  ませんでした。そんな私を変えたのは、高校三年生のときに、クラスの友達に自分のことを話し、「何も問題ない」  と、伝えてもらえたことです。「世界中の誰もが、僕のことを気持ち悪いと言っても、この人だけは、僕の味方  でいてくれるんだ」たったそれだけのことでした。でも、私にとっては、真っ暗闇に差し込んだ一筋のあたたか  な光のようでした。でも、それで私の絶望が消えたわけではありません。つい最近まで私は、いつか自分が自殺  してしまうんじゃないかと思っていました。あまりにも、福岡は生きづらく、私の生きる道には、たくさんの高  いハードルが待ち構えています。それでも、大学で人権のことや、性のあり方の多様さを学ぶ中で、自分はモン  スターではなく、ありのままで生きていいんだとわかりました。そして、友人や職場の同僚に自分のことを話し、  少しずつ受け入れられていく中で、私が、自分らしく生きられる場が増えてきました。そのことは、私を励まし、  最近になって、やっと、自殺せずに生きていけるのではないかと思えてきました。28歳の誕生日を迎えた日。そ  の日は、私にとって、とても特別な日になりました。初めて友人に打ち明けたときから10年間、生き続けてこら  れたことに感謝しました。そして、30歳までと言わずに、もっと生きていきたいと思いながら、明日を迎えられ  ることを誇りに思いました。私には、高校生の頃から変わらない、ひとつの夢があります。18歳の私のように、  若い仲間たちが絶望しなくてもいいような社会を作ることです。誰かを好きになったときに、こんな気持ちはお  かしいと自分を否定しなくてもいいような社会を作ることです。若い仲間たちの誰もが、体の性別に合わせた制  服を着ることができないという理由で、学校をやめなくてもいいような社会を作ることです。あんな、絶望感を、  もう誰にも感じさせたくないのです。それは、そんなに難しいことではないはずです。今日、この場で、セクシュ  アルマイノリティのことが話し合われることで、福岡が、日本が変わるのだと信じています。 というようなメッセージをいただきました。  多様な性については、この間、表立って語られることは少なかったように感じます。そのことがさらに偏見や差別につながったとも言えます。性同一性障がい者を初め、性的マイノリティーと言われる方々の人権問題に対して、福岡市はどのように取り組まれるのか、市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 19 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 20 ◯教育長(酒井龍彦) 発達障がいのある福岡市立高等学校生徒への支援策についてでありますが、入学者選抜においては、必要に応じて別室受験や時間延長などの配慮を行うこととしており、また、在学中は特別支援教育コーディネーターが中心となって、校内の教育相談委員会などで情報を共有し対応を検討するなど、組織的な支援を行っております。今後は、平成24年3月に策定しました市立高等学校活性化に向けた取組方針に基づき、教職員対象の研修会の実施、発達教育センターにおける研究グループの創設、学校における生徒への支援のあり方の検討などを推進するとともに、各学校における支援体制のさらなる充実を図ってまいります。また、小中学校の支援員につきましては、平成20年度から配置を開始し、年々支援員の増加を図っているところであり、できるだけ多くの学校に配置できるように努めてまいります。  次に、発達障がいのある生徒の進路保障と社会的スキルを身につける場についてのお尋ねですが、知的障がいや肢体不自由を伴う発達障がいのある生徒につきましては、博多高等学園や特別支援学校で教育を行っているところであります。知的障がいや肢体不自由を伴わない発達障がいのある生徒につきましては、特別支援教育推進プランに示すように、福岡市立高等学校において組織的な支援を行ってまいります。  次に、多様な性についての正しい理解と認識を深めるための方策についてのお尋ねですが、性同一性障がいなどの新たな人権課題に対応することは、人権教育の充実を図る上で重要であり、今後、毎年開催しております性に関する指導者研修会や全市人権教育研修会の中で、さまざまな実践例を示しながら研修を行ってまいります。以上でございます。 21 ◯議長(森 英鷹) 高島市長。 22 ◯市長(高島宗一郎) 性同一性障がいの方のお手紙、真剣に聞かせていただきました。私も直接そういった性同一性障がいの方からお話も聞いたことがありますし、大変苦しい思いをしているということも聞いたことがありますので、そういったことも思い出しながらお手紙を拝聴させていただきました。福岡市は、人権を尊重し、人の多様性を認め合うまちの実現に向けて、福岡市人権教育・啓発基本計画に基づいて取り組みを進めているところでございます。社会情勢の変化に伴って、性同一性障がいですとか同性愛者、また、両性愛者などの性的マイノリティーと言われる皆さん、また、ホームレスや犯罪被害者などさまざまな人権問題がクローズアップされているほか、インターネットの掲示板などでの誹謗中傷、そして個人情報流出の問題など、人権問題はますます多様化、そして複雑化をしてきてございます。このような中、福岡市では、「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像として掲げて、市政の柱の一つとして推進をしているわけでございますが、その実現のためには、全ての人の人権が尊重されなければならないと考えております。今後とも、さまざまな人権問題について現状と課題を十分認識して、市民一人一人の人権が尊重される社会の実現に向けて、福岡市人権尊重推進本部を中心とした全庁体制で、人権の教育及び人権啓発を推進していきたいと考えます。以上です。 23 ◯議長(森 英鷹) 寺島浩幸議員。 24 ◯34番(寺島浩幸)登壇 みんなの党の寺島浩幸でございます。きょう2人目の登壇ということで、最後まで元気いっぱいやりたいと思いますが、池田先生の手記を聞かせていただきますと、非常に胸が痛むといいますか、非常に伝わるものがありまして、何か僕の質問がやりにくいなという形になりましたけれども、元気いっぱい最後までやらせていただきたいと思います。  私は、みんなの党福岡市議団を代表いたしまして、局区の自律経営の推進について、住宅供給公社の見直しについて、以上2点について質問をいたします。  私はこれまで、日本の社会構造が人口増加、高度経済成長社会から、人口減少、少子・高齢化、経済の低成長、国民の価値観の多様化の特徴を有する成熟社会へと変化する中、政治と行政の仕組みがこの変化にうまく対応し切れていないのではないかという問題意識のもと、早急に成熟社会に適合した政治、行政の仕組みをつくっていく必要があることを、議会の質問など、あらゆる機会を捉えて訴えさせていただいております。そして、成熟社会に適合した政治、行政の仕組みを考えるときの重要な視点は、住民自治、地域自治であり、それは国と地方の関係においては、中央集権体制から地域主権体制へと、この変化、それから、自治体運営におきましては、行政と民間が共働する参加型の行政運営である。そして、それぞれが役割分担のもとで知恵と工夫を生かしていくことが必要であると考えております。この参加型の行政運営の実現には、次の5つのことが重要であると考えております。1つは、市民、NPO、自治協議会、商店街、ソーシャルビジネスやコミュニティビジネスを展開する社会起業家など、行政のパートナーとなり得る地域経営の担い手たちを育成、支援することにより、地域コミュニティの自律経営を推進すること。2つ目は、これらのパートナーと行政との間における課題共有や情報交換のために、徹底した情報公開を推進すること。3つ目は、行政の役割の見直し。つまり、高度成長時代には、行政サービスの提供主体であった行政の役割を、地域に必要な公共サービスの選定と、その効果的な提供主体をコーディネートしていく役割へ変革すること。4つ目は、住民投票制度やパブリックコメントやワークショップなど、あるいは審議会における市民公募委員の推進など、政策形成過程における市民参加を制度的に整備していくこと。5つ目は、市役所のガバナンス改革であります。本庁から出先へ権限移譲を進め、直接市民と接する機会の多い現場の知恵と工夫を生かせる組織体制を整備していくこと。  本日は持ち時間が余りありませんので十分に意を尽くせませんが、以上の5つの視点を踏まえてお尋ねをいたします。市当局の前向きな御答弁を期待いたします。  まず、局区の自律経営の推進についてです。
     本市では、平成15年4月に事務決裁規程を改正し、副市長、当時は助役と呼んでおりましたが、副市長の専決事項を廃止し、局長へ権限委譲を行うなど、局区の自律経営の推進に向けて大きくかじを切りましたが、そのときの見直しの意義や目的、その後の進展状況、その効果や課題についてお聞かせください。また、特に市民との接点となる区について、本市では区の独自予算や区長の権限強化など、区の自律経営の推進について進めておりますが、この基本的な考え方、これまでの取り組み、その効果や課題などについてお聞かせください。また先日、新聞報道されましたが、自立分権型行財政改革に関する有識者会議において、局区の自律経営機能の強化について議論されたと聞いていますが、その概要についてもお伺いいたします。  次に、住宅供給公社の見直しについてです。  住宅供給公社は、土地開発公社及び道路公社とともに地方三公社と呼ばれて、全国的に経営が厳しい状況にあります。昨年6月とことしの3月の定例市議会において、私は公共用地の先行取得を主な事業としている土地開発公社について、右肩上がりの高度成長時代の終焉とともに、その役割を終えた第三セクターであり、解散する方向で見直しを進めるべきであると申し上げました。高島市長も平成24年5月18日の報道陣の取材に対して、解散を視野に見直しを進めるとコメントされております。土地公社については、ぜひその方針で見直しを進められるようにお願いをいたします。  今回は、住宅供給公社について、全国的にも解散する事例がふえている中、本市の考え方についてお伺いをいたします。  まず、住宅供給公社の設置根拠、その役割についてお聞かせください。また、公社が実施する事業について、法令上で規定されているものと、本市の公社が実際に行っているものについてお聞かせください。また、これまでの3年間の公社の事業の収益状況を、事業別と全体に分けてお聞かせいただくとともに、これまでの経営見直しの状況もあわせてお伺いをいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 25 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 26 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) 局区の自律経営に向けた取り組みについてお答えいたします。  まず、平成15年4月に行いました助役専決事項の廃止や局区長への権限移譲等についてでございますが、平成15年3月に策定した新基本計画の施行に当たって、事業の選択と集中を図り、市民志向、成果志向の経営改革を強力に推進していくため、市政の重要事項に関する意思決定を一元的に行う経営会議の設置や助役の事務分担の見直し、市長を補佐する体制の整備といったトップマネジメントの強化とともに、現場志向という観点から、局区の自律経営を進めるために、決裁権限の一部などについて局区への移譲を行ったものであります。また、平成16年度には、局区の自律経営を前提とした予算編成システムに改めるとともに、局経営戦略や区役所経営改革プランを策定し、その後も自律型組織再編成システムの導入や枠配分予算の拡充を行うなど、自律経営の推進を図ってきたところでございます。その結果、市民や地域のニーズを反映した施策の実施や事業の選択と集中が進みましたが、昨今の公債費や扶助費などの義務的経費の増嵩により、財政構造の硬直化に直面したことなどから、事業の選択と集中を徹底するとともに、限られた財源を効果的、効率的に活用し、最大の成果を生み出していけるよう、また、職員が意欲を持って課題に取り組んでいけるよう、局区の自律経営を一層強化していくことが必要と考えているところでございます。  次に、自立分権型行財政改革に関する有識者会議における局区の自律経営に関する議論につきましては、市長、副市長、局区長などの幹部職員が経営理念を共有した上で、各局区に予算編成、定員管理、人員配置に関する権限や裁量を段階的に拡大することなどについて御意見を伺ったものであり、委員からは、副市長と局長の責任や権限を明確にすること、局と区それぞれの機能を明確にすること、市長、副市長を補佐する機能を強化すること、また、職員の仕事に対する意欲をさらに引き出し、高めていくような組織風土をつくり上げていくことが、結果として暮らしの質の向上と都市の成長につながるのではないかといった御意見をいただいております。以上でございます。 27 ◯議長(森 英鷹) 四宮市民局長。 28 ◯市民局長(四宮祐司) 区の自律経営の推進についてのお尋ねでございますが、区役所につきましては、平成15年に策定した現行の基本計画で、市民生活に密着したサービスの拠点、地域の個性を生かしたまちづくりの拠点、住民ニーズの施策への反映拠点、そして、情報の受発信の拠点として区役所を位置づけ、窓口サービス向上や地域コミュニティ支援機能の強化、区の体制強化などの機能強化を進めるといたしております。その方向性に基づき、これまで区役所の企画機能や予算についての権限、業務に応じた組織体制の改編など、区役所の機能強化を進めてきたところでございます。それらの機能強化の取り組みによって、区役所の拠点としての機能は高まっており、地域の身近な総合行政機関として、地域住民の利便性向上に努めておりますが、仕組みの活用が十分でない点などもあり、引き続き取り組んでいく必要があると考えております。以上でございます。 29 ◯議長(森 英鷹) 馬場住宅都市局長。 30 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 住宅供給公社の見直しについての御質問にお答えいたします。  まず、住宅供給公社の設置根拠及びその役割についてでございますが、福岡市住宅供給公社は、地方住宅供給公社法に基づき、住宅を必要とする勤労者に対し、居住環境の良好な住宅及び宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として、昭和40年11月1日に設立されております。  次に、地方住宅供給公社法に規定されている主な事業につきましては、住宅の建設、賃貸、管理、譲渡、宅地の造成、賃貸、管理、譲渡、公営住宅の管理などでございます。福岡市住宅供給公社が現在実施している事業につきましては、市営住宅管理事業、賃貸住宅事業、分譲住宅事業があり、具体的には約3万2,000戸の市営住宅の管理を公社事業の柱とし、都心居住施策の一環としての賃貸住宅事業やアイランドシティ住宅開発事業への参画など、福岡市の住宅政策上必要な事業を実施いたしております。  次に、これまで3年間の主要事業ごとの収益状況でございますが、市営住宅管理事業につきましては、平成21年度は5,600万円の利益、22年度は5,500万円の利益、23年度は6,100万円の利益、賃貸住宅事業につきましては、平成21年度は400万円の利益、22年度は4,700万円の損失、23年度は4,700万円の損失、分譲住宅事業につきましては、平成21年度は3,200万円の損失、22年度は1,100万円の損失、23年度は1,200万円の損失となっておりまして、全体の収益状況につきましては、平成21年度は8,600万円の利益、22年度は400万円の損失、23年度は500万円の損失となっております。  次に、これまでの経営改善の取り組み状況についてでございますが、レークヒルズ野多目分譲住宅事業及び公社借上型特定優良賃貸住宅事業における収支悪化によりまして、平成14年度から17年度の4年間で約26億円の損失を計上したことから、福岡市の外郭団体改革実行計画等を踏まえて、平成18年3月に住宅供給公社が策定した経営改善計画に基づいて経営改善に取り組んだ結果、単年度黒字という目標をおおむね達成したところでございます。現在は、計画期間を平成23年度から27年度として策定した新たな経営計画に基づき、一層の経営改善に取り組んでおります。また、人員につきましては、経営改善計画の最終年度となる平成22年度は112人で、計画を策定した平成17年度の120人に比べ、約7%の削減となっております。以上でございます。 31 ◯議長(森 英鷹) 寺島浩幸議員。 32 ◯34番(寺島浩幸) 平成15年のときの市役所のガバナンス改革というのは、局長、区長へ権限移譲を行うということとあわせて、副市長の担当局を原則廃止するという狙いは、担当を決めますと、副市長が担当局の代弁者となりがちで、結果的に市長が孤立しやすくなると、そういった背景を踏まえて、本来、全庁的な視点から市長を補佐するという副市長本来の役割を遂行しやすくするということを狙ったものでございました。そして、同時に、新たに経営会議という市の基本方針や重要事項を決定するための、いわゆる市長のボードをつくったことも大きな改革であったと、このように評価しております。この経営会議は、今は市政運営会議となっているようでございます。これは、当時は政令市の中でも大変画期的な取り組みでございました。しかし現在、例えば、大阪府、大阪市が府市統合本部というものをつくりまして、そこにたくさんの外部有識者を入れ、そして、議論の様子をネットで放映するというような手法を使いまして大きな成果を上げているということを踏まえますと、本市の当時の経営会議というのが、メンバーが市役所内部の中心であったということと情報の公開性がいま一つ十分でなかったというふうなことを、今から振り返ると反省材料ではなかったかなというふうに感じております。ぜひ、今の市政運営会議では、この点を糧としていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  さて、局区の自律経営についての推進ですが、先ほども申し上げたように、局長さん、区長さんに、さあ頑張ってくださいと言っても、やはりこれは1人では無理な話でございますから、やはり市長の場合と同様に、局長、区長の補佐体制というのが、これは非常に重要になってまいります。局の理事さんや部長さんを局長、区長のボードとして位置づけ、あるいは外部の有識者の意見や知恵を取り入れながら、情報の公開性も高めて、市民にできるだけ開かれた形でマネジメントしていくということが大事であるというふうに考えております。  そこで、特に地域の身近な総合行政機関として位置づけられている区役所を例にとってお伺いしたいのですが、そのような区長のボードあるいは補佐体制について、現状ではどのようになっているのか、その会議名、議題、外部メンバーの有無などのメンバー構成、開催頻度などについてお聞かせください。  次に、住宅供給公社の見直しについてです。  住宅公社は、全国的にはこの5年間で、青森、岩手、福島、富山、秋田、岡山、茨城、福井、香川、三重、山口の11県で解散しており、中には茨城県のように自己破産した例もあります。政令市では、神戸市の住宅公社が500億円を超える負債を抱えて、ことしの5月に民事再生手続を申請いたしました。このような状況の中、本市の公社は御答弁いただきましたとおり、野多目の住宅開発で苦しみましたが、何とかしのいで、現在ではコーディネート業務を中心として、公社自前の開発事業を行っていないということで、財政状況は各事業を見ても大きな赤字はなく、これは早期に経営改革に着手した成果ではないかと評価いたします。  ここで1つ気になるのは、市営住宅の管理業務についてです。181団地、約3万2,000戸の市営住宅の管理について、公社が一手に引き受けてやっているというのが現状であります。平成24年度の入居者募集及び管理経費については約9億6,400万円、維持補修費等については約35億2,300万円となっています。これを全部とは言いませんが、維持補修も含めて一部でも民間委託することにより、コストダウンが図られるのではないかと考えております。平成23年度の監査法人による外郭団体経営評価報告書というのにも公認会計士の評価が載っておりますが、そこにもですね、より一層の事務の効率化やサービス向上のために、民間への開放を検討すべき事業があると考えられるため、公社から切り離して、民営化可能なものは民営化する等の方法で、より健全で効率的な経営ができないか、方策を検討すべきであるというふうに指摘されております。現在、住宅供給公社は管理代行制度という制度により、市営住宅の管理を実施しているとのことですが、その理由についてお聞かせください。また、他の政令市で民間委託を実施している自治体の状況についてもお伺いいたします。  以上で2問目を終わります。 33 ◯議長(森 英鷹) 四宮市民局長。 34 ◯市民局長(四宮祐司) 区における区長のボードあるいは補佐体制についてのお尋ねでございますが、区の意思決定、補佐体制につきましては、総務や企画の機能を有する部署が担うとともに、区における事務事業の総合的な企画及び調整を行う機関として、区政運営会議を置いております。区政運営会議は、部長級以上の職員を基本的なメンバーとして、週1回あるいは月1回など定期的に開催しております。現在、恒常的に外部のメンバーが入った仕組みはございませんが、必要に応じて個別に意見を伺うなどしながら、区政運営を行っているところでございます。区の自律経営については、それらの体制も活用しながら、区の運営方針を定め、職員全員がその目標などを共有して取り組むことなどによって推進されるものと考えております。以上でございます。 35 ◯議長(森 英鷹) 馬場住宅都市局長。 36 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 住宅供給公社の見直しについてお答えいたします。  管理代行制度につきましては、平成18年度から施行された制度で、指定管理者制度と異なりまして、入居者の決定などの法的権限を伴う業務を行うことが可能であり、その主体は住宅供給公社等に限られているところでございます。この管理代行制度により、住宅供給公社は募集計画から入居後の諸手続まで一体的に管理することができ、業務の効率化とサービスの向上を図れること、また、市営住宅における高齢化の進行やコミュニティの希薄化など、福祉的な配慮や行政施策に柔軟に対応できる管理体制が期待できることなどから、福岡市では平成21年度から住宅供給公社による管理を行っているところでございます。なお、市営住宅の維持補修につきましては、住宅供給公社が直接行うのではなく、住宅供給公社により地場業者に発注しているところでございます。  次に、他の政令指定都市の民間委託の状況についてでございますが、全政令指定都市20都市のうち、公募または一部公募により管理者を決定しているのは10都市であり、そのうち一部でも民間事業者が管理している都市は、札幌市、新潟市、横浜市、相模原市、浜松市、堺市、神戸市、広島市、熊本市の9都市でございます。以上でございます。 37 ◯議長(森 英鷹) 寺島浩幸議員。 38 ◯34番(寺島浩幸) まず、住宅供給公社の見直しについてです。  公社に市営住宅の管理をさせているのは、一体的な管理が可能であるということ、あるいは福祉の向上や地域コミュニティの支援を行うという御答弁でございますけれども、私のところに寄せられる市営住宅に関するいろいろな苦情をお聞きしますと、残念ながらそのようになっていないというふうに感じています。入居者の方からは、住宅供給公社と住宅都市局に分かれているために責任が不明確となり、それぞれが自分のところの所管ではないというような対応をされることが多いというようなお話をよく伺います。また、管理代行制度ですけれども、一定の権限を行使する事務ができるということでございますが、一方で指定管理者制度というのがございますが、家賃の徴収に係る事務というのは指定管理者ではできますが、管理代行ではできないというような非常に矛盾した合理性に欠ける状態にもなっています。先ほど御答弁いただきましたように、政令市でも9都市で市営住宅の管理について民営化をしているという事例があります。住宅公社に例えばノウハウを残したまま、一部を民間事業者に委託するというふうなことは検討できないでしょうか。例えば、本市で公立保育所について、7カ所を拠点保育所として公立のまま存続させ、残りの14カ所を平成17年度より順次民営化を進めているというような実態もあります。また、住宅公社の開発事業については、公社自前の開発からコーディネート型に変革していると。市営住宅の管理についても、公社はノウハウの提供や指導など、コーディネーター役としてのその力を十分発揮できる形で一部を民間委託していくと、このような参加型の行政運営にふさわしい、かつ柔軟でフレキシブルな現場対応が可能となるような見直しをぜひお願いしたいと思います。この報告書ですね、監査法人の報告書にも、市営住宅管理事業というのは、他市の取り組みであるように、民間への開放を推進すべきであると考えるというような指摘もあります。そういう状況ですが、公社を引き続き担い手として活用する場合でも、例えば、市営住宅の指定管理業務を幾つかに分割し、公社と民間との市場化テストを実施することにより、市全体としてのコスト削減の面からも、その管理手法についても検討する必要があると考えるという指摘がありますので、ぜひ今お話ししましたように、公社の見直しについて実行していただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、局区の自律経営の推進についてです。  区長のボードについては一定の動きがもう既になされているようでございますが、局長のボードについては各局でまちまちだというふうに聞いております。また、外部メンバーや情報の公開性というのがまだ不十分のように感じます。内部だけの発想にとどまらずに、新しい視点や新しい工夫を引き出すためにも、外部メンバーの導入が必要ではないかと考えております。ガバナンス改革の究極的な到達点は、国から地方への権限移譲が進められる中で、市役所内部においても可能な限り権限移譲を進め、効率的で自律的な局区の運営を実現することにあると思いますが、そのことが市民サービスの向上につながらなければならないというふうに考えております。市民と接する最前線において、柔軟でフレキシブルな対応が可能となるような改革をぜひ行っていただきたい、このように考えております。ガバナンス改革でも、先進都市である福岡市として一層の改革を期待しております。この点について、市長の御所見と決意をお伺いして、私の質問を終わります。 39 ◯議長(森 英鷹) 馬場住宅都市局長。 40 ◯住宅都市局長(馬場 隆) 住宅供給公社の見直しについてでございますが、市営住宅の管理につきましては、現行の住宅供給公社による管理代行の期間が平成26年度までとなっておりますので、現在の管理期間中に管理業務に関するモニタリングと評価を実施し、平成27年度以降の管理方法についての方針を決めることといたしております。今後は、既に民間事業者が管理を行っている他都市の状況なども研究しながら、より効果的、効率的な市営住宅の管理のあり方について検討を行ってまいります。以上でございます。 41 ◯議長(森 英鷹) 高島市長。 42 ◯市長(高島宗一郎) 福岡市におけるガバナンス改革につきましては、現在、市税収入の伸びが期待できない一方で、社会保障関係費などは着実に増加をして、加えて公共施設等の大量更新期に福岡市がちょうど来ている、こういった時代の到来に伴う財政需要の拡大など、市政運営を取り巻く環境は厳しさを増しているところでございます。こういった状況にあっても、やはり都市の成長と税収の増加を図って、それが生活の質の向上につながり、さらにそれが人と投資を呼び込む、こういったいい好循環をつくっていかなければならない。これの実現のためには、やはり職員一人一人がやる気を持って取り組んでいく、こういったことが非常に重要になってきますし、また、選択と集中によって、本当に必要な施策とか事業、それらの重点化を図りながら、効果的、そして効率的な行財政運営ができるように、予算編成などの権限を各局区長へ段階的に拡大をして、そして自律的に局区を運営することが必要であるというふうに考えております。市民に身近な行政機関である区役所についても、それぞれの区の特徴を生かした、特性を生かしながら、スピード感を持ってサービスの向上に取り組んでいけるように、ガバナンス改革、今しかないということで一生懸命取り組んでいきたいと思います。以上です。 43 ◯議長(森 英鷹) 富永周行議員。 44 ◯44番(富永周行)登壇 おはようございます。私は、無所属の会を代表しまして、7月3日に発表されました中国公務員研修受入事業について質問してまいります。昨日の水城議員の質問と重なる点が多々ございますが、高島市長及び関係局の明確な答弁をよろしくお願いいたします。  まず、私がこの事業の計画を知らされたのは、記者発表される前日のことでありました。表題は、福岡市は中国政府と人材交流及び協力の覚書を締結します、というものでありました。当時配布された資料によると、まず、この事業は、地方自治体が中国国家外国専家局と覚書を締結するのは日本初であり、世界でも韓国のソウル市、ドイツのケルン市に次ぎ3番目であること、覚書の内容として、福岡市の視察、研修受け入れを初め、人材交流、協力や情報交換を行うなどの包括的なものであり、項目として、環境保護、ごみ処理、節水技術、都市景観、高齢化社会への対応等の分野で人材交流、協力を促進、また、福岡市が行う中国公務員研修への中国政府からの支援、中国政府が行う海外ハイレベル人材導入事業への福岡市の支援と記載されていました。また、受け入れによる経済効果として、中国公務員の研修については、中国側より経費支給ありとした上で、試算として年間目標800人を受け入れ、1人当たりの宿泊費、食費、研修費などが60万円と計算し、1年間で約4億8,000万円の経済効果が見込まれることもあわせて記載されています。さらには、覚書の締結時期は記者発表からわずか3日後ということや、市長が北京に出向き締結することも記載されておりました。この事業内容を拝読したときに、私は、まず幾つかの疑問と不安を感じました。1つ目は、なぜ議会に諮らなかったのかということ、2つ目は、なぜ中国政府が相手なのかということ、3つ目は、福岡市の持つ環境技術、特に海水淡水化技術や個人情報の流出はないのかということ、4つ目は、福岡市にどのようなメリットがあるのかということです。私が感じた疑問や不安は、多くの市民や国民も同様に感じています。私が市議会議員となり、まだわずか1年4カ月ですが、この間にも福岡市はさまざまな施策、事業に取り組んでいます。しかしながら、今回ほど数多くの御意見が私のもとへ届けられたことはございません。恐らくほかの議員の方々へも多くの御意見が届けられていると思います。私宛てには電話やファクス、Eメールやブログへのコメントなど、さまざまな形で意見が寄せられましたので、その中から幾つか紹介させていただきます。  福岡市が中国人公務員研修生を800人も受け入れるとのことですが、1人でも受け入れたくないのに800人とはどういうことなのか、議会を通して決まったことなのか、福岡市は暴走ぎみではないでしょうか、もし、まだ決定でないのであれば、ぜひとめていただきたいと思うという御意見。また、新聞の記事を見て、余りのことにびっくりしてしまいました。議会に一切報告がなかったとのことで、さらに驚きです。市長の記者会見を福岡市のホームページから見ましたが、福岡市だけでなく全国の自治体の技術も、という構想までおありのようで、聞いていて怖くなってしまいました。大事な利益が損なわれないようお願いいたしますといった不安の声や、必ず中国政府はかかった経費以上の特許情報などの成果を期待できる人選を行って福岡市へ送り込む。国家の戦略は甘いものではない。国家の損失にもなりかねないといった、文面からもお怒りになっている御様子がわかる意見もいただいております。原文はもっと手厳しいものでしたが、これでもやわらかい文面にしてお伝えしております。それでも市民の皆様の不安や怒りのお気持ちは十分に伝わっていると思います。いただいた御意見のほぼ全てが、この事業には反対と捉えることができるもので、改めてこの事業の重大性を認識させるものだと感じます。  折しも、この事業が発表された1カ月半ほど前の5月中旬には、中国一等書記官のスパイ疑惑事件が発覚したばかりでした。一昨年の9月7日に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件も記憶に新しく、日本国民が中国政府に対してこのように神経質になっている時期に、中国政府と覚書を締結したことに関しては、やはり疑問と不安を感じます。さらに、このスパイ疑惑事件の後、日本と中国との関係はますます悪化していると言わざるを得ません。時系列に並べてみますと、今回の中国公務員研修受け入れの覚書締結が発表された翌日の7月4日には、中国本土が資金源であり、香港に本部がある世界華人保釣連盟の遊漁船、巡視船合わせて5隻が、領海内で海上保安庁の巡視船と接触しております。また11日には、中国国土資源省国家海洋局所管海監総隊の副総隊長が、もし日本が尖閣諸島問題で挑発し続けるなら一戦も辞さないと不穏な発言もしております。また同日には、中国の漁業監視船3隻が領海を侵犯、翌日12日にも1隻が領海を侵犯し徘回したとの報道がありました。8月に入ると、新聞やテレビなどで何度も大きく報道されておりますが、香港の活動家14名が乗った漁船が魚釣島の領海を侵犯、うち7名が島に上陸し、船内に残っていた活動家もあわせて逮捕されるという事件や、丹羽在中国大使の乗った公用車が襲撃されるという事件が起こっています。今まさに、日本と中国の間には戦後かつて経験したことがないほど緊迫し、悪化した関係にあると言えます。そのような時期に一地方自治体が、今、悪化した関係にある国の政府レベルとの覚書締結となると、やはり不安を感じざるを得ません。市民の安全は守られるのか、この事業が市民にどのように還元されるのか、これに加えて、冒頭に申しました私が感じた不安や疑問、そして市民の皆様からの御意見などを含めて質問に入らせていただきたいと思います。  まずは、なぜ議会に諮らなかったのかという点をお尋ねします。  唐突過ぎる事業の進め方との印象を受けますが、7月2日に配布された資料によると、平成24年1月には中国専家局幹部が福岡市を表敬するなど、専家局幹部と人材の交流、協力に関し、市長の北京訪問と覚書締結について協議を重ねてきたものとありますので、それ以前からこの事業は内部で進められてきたものと推測できます。この間、記者発表前の6月28日までは議会が開会されていましたので、議会への相談や報告など、時間は十分にあったのではと考えます。また、我々議員は選挙において福岡市民の負託を受けており、議会に諮らなかったということは、議会軽視、ひいては市民を無視した取り組みであると言えます。  次に、なぜ今回の研修受け入れの相手方が中国政府なのか、中国政府に決定した経緯とあわせてお尋ねします。  広州市の公務員であるのならば、福岡市とは友好都市であり、一地方都市同士ということもあり理解できるのですが、そもそも相手方が一政府ということで、このような研修受入制度にはそぐわないと感じます。  また、覚書締結に至った経緯と、その内容についてお尋ねします。  これまでも福岡市は、海外からの研修生を受け入れていたにもかかわらず、なぜ今回に限って覚書を締結したのか、経緯も含めてお示しください。そもそも覚書締結にはどのような意義があるのか、また、覚書の内容はどのようなものか、さらに、福岡市が受け入れ側であるにもかかわらず、覚書締結に際し、なぜ高島市長が北京まで出向き調印しなければならなかったのかをお答えください。  次に、研修内容についてお尋ねします。  これまでも福岡市は外国人に向けた研修制度を実施されてきたと聞いていますが、その研修内容はどのようなものか、また、今回の研修はこれまでの1日や2日といった短期研修と異なり、予定では約3週間となっていますが、それによって研修内容は従来とどのように異なるのかをお示しください。  さらに、私のもとへも皆様から多数の御意見が寄せられたことは申し上げましたが、当然福岡市にも多くの御意見が寄せられていると考えます。電話やファクス、手紙、Eメールなどを含めてどれくらい御意見があったのか、また、どのような意見が多かったのかをお示しください。  以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて質問してまいります。 45 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 46 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) まず、なぜ議会に諮らなかったかとの御質問でございますが、今回の覚書は日中両国の法律や政策を遵守し、人材交流を趣旨とする包括的なものであり、具体的な研修受け入れ人数、期間などを定めたものではございません。今後想定される研修につきましても、福岡市が現在実施している海外からの視察、研修受入事業をベースとして考えており、新たに事業を始めるものではなく、これまでも行ってきた国際貢献・協力事業の延長として検討しているものであります。したがって、所管委員会へ資料をお配りするなどの対応をさせていただいたものであります。  次に、なぜ相手方が中国政府なのかとの御質問でございますが、これまで海外からの視察、研修受け入れにつきましては、福岡市の住みよいまちづくりを海外諸都市でのプロモーションや商談会、あるいは姉妹都市交流など、さまざまな機会を通じてPRしており、旅行代理店や自治体からの申し込みなどさまざまなルートを通じて、アジア諸国・地域から研修生を受け入れております。中国の場合につきましては、中国政府はこれまでも日本を含む広く世界へ公務員等を研修に派遣しており、国家公務員だけでなく、姉妹都市である広州市の職員も含む地方公務員などの海外研修も中国外国国家専家局が所管しているため、今回の覚書を締結したものでございます。  次に、覚書締結に係る経緯についてでございますが、まず、中国の公務員等の研修につきましては、日本では政府機関などを通してこれまでも受け入れられてきております。地方政府の公務員も含む中国公務員等の海外研修は中国国家外国専家局が統括しており、毎年広く世界に研修生が派遣され、日本国内の地方自治体でも多くの研修生を受け入れてきております。この専家局が統括する研修の受け入れについては、平成23年11月、今後の事業の参考にするため、国際協力機関等を訪問した際に専家局を紹介していただき、平成23年12月に専家局東京事務所を訪問し、この中国公務員等の海外研修制度についての情報収集及び専家局との関係づくりを行いました。平成24年1月には、専家局日本駐在事務所総代表が福岡市を訪問され、まちづくり、都市景観、水資源、高齢化社会への対応などの施策や取り組みについては、中国は日本から学べる面が多く、福岡市と交流を深めていきたいとの意向を示されました。以降、人材交流及び協力の覚書締結に向けて事務的に協議を行ってきたものでございます。  次に、なぜ今回に限って覚書を締結したのかとの御質問でございますが、専家局が管轄する中国公務員等の海外派遣研修の制度を活用すれば、福岡市の視察、研修受入事業の拡充につながることから、今回の覚書を締結したものであります。覚書の意義につきましては、中国では友好都市など交友関係のある都市以外の都市へのPR、プロモーションを行うことは難しい状況でございますが、覚書の締結により、中国に広く福岡市の住みよいまちづくり事業をPRすることができるとともに、中国側のまちづくりの現状や課題などの情報を得ることができ、地場企業の中国進出の際などにも役立つと考えております。なお、覚書に基づいて具体的に研修生を受け入れるに当たっては、これまで無償だったものを有償として取り扱うこととなります。覚書の内容につきましては、日中両国の法律や政策を遵守し、都市景観や節水技術、ごみ処理、環境保護、高齢化社会への対応などの分野における人材交流を促進することを趣旨とする包括的なものでございます。  次に、なぜ市長が北京へ行き覚書を調印しなければならなかったかとの御質問でございますが、福岡市の住みよいまちづくりのモデルをアジアの方に学んでもらうことは、福岡市が目指すアジアのリーダー都市として大事な役割と認識しており、これまで福岡市の知名度や存在感が十分でなかった中国にも戦略的にシティプロモーションを推進する必要があると考えており、そのためには中国との人的なつながりをつくる必要があります。地方公務員を含む中国の公務員等の海外研修などの人材交流は専家局が所管していることから、人的なつながりを築くことが大事と判断したため、北京を訪問したものでございます。  次に、外国人に向けた研修制度の内容についてのおただしでございますが、福岡市ではこれまで取り組んできた住みよいまちづくりをアジアの諸都市にも参考にしていただくため、早くから各事業分野で海外からの視察を受け入れてまいりました。平成21年秋からは、都市デザイン、高齢者福祉、水資源、環境、安全、安心の5つの分野において窓口を一本化して、広くアジア諸国・地域からの研修生を受け入れております。研修内容につきましては、既に公開されている市の施策や取り組みを紹介するものであり、視察の対象も施設の概要などの一般的に公開されているものを紹介しているものでございます。中国公務員等の研修は、約3週間で数都市を視察する内容が多いと聞いておりますが、今後想定される研修内容につきましては、現在実施している海外からの視察研修受入事業を踏まえ、関係局や国などと十分協議をしながら、具体的な研修内容等を検討してまいります。  次に、福岡市への御意見についてでございますが、広聴課への意見や要望などの延べ件数としましては、8月までに延べ約870件の意見や要望などをいただいております。また、その内容につきましては、中国と日本の関係や、中国に対する個人的な思いや、技術流出を危惧する意見などが主なものでございます。以上でございます。 47 ◯議長(森 英鷹) 富永周行議員。 48 ◯44番(富永周行)登壇 それでは、2回目の質問へ入らせていただきます。先ほどの答弁の中で、議会に諮らなかった理由の一つとして、今回の覚書では、具体的な研修受入人数、期間などを定めたものではないとありましたが、具体的項目が決定すれば議会に諮られ、また、決定に至る過程で議会に説明や相談などがあると認識してよいのか、お答えください。また、一方の理由として、新たに始めるものではなく、これまで行ってきた国際貢献、国際協力の延長上の事業であるためとの答弁がありましたが、福岡市市行政に係る重要な計画の議決等に関する条例の第1条に、「市行政に係る重要な計画の策定、変更及び廃止について議会の議決又は議会への報告を義務付ける」との一文があります。福岡市は、今回の事業を重要な計画の策定または重要な計画の変更とは捉えてないのか、考えをお示しください。  次に、研修員について確認させてください。  日本の省庁に当たる国家外国専家局との覚書とのことですが、研修員として福岡市に来る中国公務員は国家公務員になるのか、また、その人選は福岡市側にあるのか、中国側にあるのか、あわせて、どのような体制で身分チェックをしていくのかをお示しください。  次に、地方自治体が中国国家専家局と覚書を締結するのは、ドイツのケルン市、韓国のソウル市に次ぐとのことですが、ケルン、ソウルとはそれぞれどのような事業を実施し、どのような覚書を締結したのかをお示しください。  また、研修内容の一部には、海水淡水化センターまみずピアの淡水生産過程の視察も含まれておりますが、この海水淡水化技術を視察させることについて、私は非常に不安を感じています。この海水淡水化センターは、海水を真水にするというすばらしい技術を擁する施設ですが、その生産能力は1日5万立方メートルと国内最大であり、淡水への回収率は世界最高水準の約60%を誇っています。福岡市が国内外に誇れるこの施設の視察について、2点私は懸念しております。まずは、この技術の機密情報が漏えい、さらには中国独自の技術であると主張しないかという点です。つい昨年の話になりますが、川崎重工などが技術提供した日本の新幹線を中国が改造、開発し、アメリカへの特許申請を検討しており、また、日本でも特許の申請を始めた可能性があるとの報道がされました。また、中国側が、新幹線技術は中国独自の技術である旨の発言をしたことも報道されています。これを受けての不安ですが、この福岡市でも同様のケースが起きる可能性があるのではないかということです。この海水淡水化技術は、今後、福岡市が海外へ環境技術をビジネス化していく中で、大変貴重な技術であると認識していますし、環境ビジネスは国策でもあります。その環境技術の機密事項が漏えいしないかという点は、私だけではなく多くの市民の方々も懸念していることと思います。海水淡水化技術の視察に関する懸念は、もう1点ございます。経済産業省は、武器や軍事転用可能な貨物、技術が、我が国及び国際社会の安全性を脅かす国家やテロリスト等、懸念活動を行うおそれのある者に渡ることを防ぐ目的として、他の主要国と安全保障貿易管理に係る制度をつくり、輸出品や技術供与を規制しています。その中では、民生汎用品の懸念用途への転用例として、海水淡水技術に使用されるろ過器が、細菌兵器の製造のための細菌の抽出に利用される懸念があるものとして規制されています。このような危険なものが他国の手に渡ると考えると大変恐ろしくなってしまいますが、私や市民のこの2点の懸念について、福岡市はこれまでの国際視察、研修受入事業において、環境技術や上下水道技術などの機密事項漏えいを防ぐために、どのような対策をとっているのかをお示しください。また、市民が不安視する情報の漏えいの中には個人情報も入りますが、この個人情報の流出を防ぐためにどのような対策をとっているのかもあわせてお示しください。  この事業が発表されて、既に2カ月以上が経過しています。この2カ月の間に日中間の国際情勢は劇的に悪化していると考えますが、そこでお尋ねいたします。福岡市は覚書締結時と比べて、今現在の日中間の状態をどう捉えているのか、また、それが福岡市にどう影響すると考えているのかをお答えください。そして、7月3日付の資料においては、今後の展開スケジュールとして、視察、研修受け入れの協議、準備が8月に行われるとのことでしたが、今現在の進捗状況はどうなっているのかをお答えください。また、そもそもこの中国人研修受入事業が福岡市にどのようなメリットをもたらすのかをお尋ねして、2回目の質問を終了します。 49 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 50 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) まず、受け入れの具体的項目の決定に至る過程で議会に相談などがあるかという御質問でございますが、中国公務員等の視察、研修の受け入れにつきましては、福岡市がこれまで取り組んできた国際視察、研修受入事業の一環であり、同事業については今後の国際情勢や国内の動向を十分注視しつつ、他の国からの受入条件も含め、必要に応じて議会に御報告しながら、実施方法や実施時期などについて慎重に検討していきたいと考えております。  次に、今回の事業を重要な計画の策定や変更と捉えているかとの御質問でございますが、今回の覚書につきましては、福岡市市行政に係る重要な計画の議決等に関する条例第2条第2号の基本構想、同条第3号の基本計画、同条第4号の実施計画、同条第5号の各行政分野における基本的な計画、指針のいずれにも該当いたしません。今回の覚書は国際貢献の一環の施策として、現在実施しております、海外からの視察、研修受け入れを拡充するものでございます。したがいまして、今回の覚書締結は、福岡市市行政に係る重要な計画の議決等に関する条例第3条に基づき、議会への報告を義務づけられている市行政に係る重要な計画の策定または変更には該当しないと考えております。  次に、研修で受け入れる中国公務員等につきましては、国家公務員だけでなく、地方政府の職員、政府関係機関の職員、大学の教職員などで、また、その人選につきましては中国側が行い、福岡市と協議した上で受け入れるものであります。身分の確認につきましては、中国側からの個人情報の提供を踏まえ、適切に対応いたします。具体的なことは今後検討してまいります。  次に、ドイツのケルン市、韓国のソウル市の締結内容等についてでありますが、専家局のホームページに概要が掲載されており、韓国のソウル市につきましては2009年4月13日に締結し、その主な内容につきましては、双方は共同で中韓両国間の人材交流と協力、そして、経済、文化、環境、教育、衛生、医療分野などにおける協力と交流を促進するよう努力するとの内容でございます。また、ドイツのケルン市につきましては2010年9月23日に締結し、その主な内容につきましては、エネルギー、環境保護、電子、機械、物流、教育、情報技術、行政管理などの面で、さまざまな形を通して協力と交流を展開していくとの内容でございます。具体的な研修メニューなどにつきましては、それぞれの都市の特性や強みを生かしたものと考えられますが、現時点では詳細内容は入手しておりません。  次に、機密事項漏えいに関する御懸念でございますが、研修内容は既に公開されている市の施策や取り組みを紹介しているものであり、企業が有する特許や秘密にかかわるものではありません。海水淡水化施設では、平成17年の開設当初からビデオ上映や見学コースを設けて、一般市民の方や海外から訪れられた方にも開放しておりますが、見学コースはガラス越しに設備が見えるようにつくられてあり、見学コース外に立ち入ったり、機器等に直接触れたりできないようにしております。また、経済産業省や関係企業にも確認し、現在の受け入れ対応には問題がないことを確認しております。さらに、他の施設も同様に、日本企業の技術流出につながる機器の内部構造の公開や設計図面の提供などは一切ございません。また、機器を使用するノウハウは説明しておりませんし、運転管理データなども提供しておりませんので、守るべき技術が流出することはございません。  次に、個人情報の漏えい防止策についてですが、研修内容は視察先での講義や見学が中心であり、市役所の事務室等には立ち入ることはありませんので、個人情報には触れないようになっております。  次に、現在の日中間の状態についてでございますが、覚書締結時と現在では国際情勢に動きがあっていることは認識しており、国と国との間で厳しいやりとりがあっていることは承知しておりますが、地方自治体として国際貢献、協力を基本に多面的な交流を継続し、友好関係を保つことには意義があると考えております。さらに、外務省からも非常によい事業であり、大いに進めていただきたいと評価をいただいているところでございます。中国公務員等の視察、研修の具体的な受け入れについては、今後の国際情勢や国内の動向を十分注視しながら、また、国や関係機関などとも協議しまして、慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、今現在の進捗状況への御質問でございますが、視察、研修の受け入れについては、繰り返しになりますが、事務的な準備を進める中で、国際情勢や国内の動向を十分注視しながら、また、国や関係機関などとも協議しまして、慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、中国公務員等の研修受入事業による福岡市のメリットでございますが、福岡市はこれまでも国際貢献、協力の一環として、福岡市の住みよいまちづくりの施策や取り組みを紹介するなど、アジア諸国・地域からの研修生を受け入れてきております。一方、国連ハビタットも、福岡市のまちづくりをコンパクト、ダイナミック、そして住みよい都市福岡として紹介し、今後、アジアにおいて増加が予想される100万人規模の都市のモデルとして福岡モデルを提唱し、広げていきたい意向を示しております。福岡市としましても、アジアにおいて人口100万人規模の都市が数多く誕生し、それらの都市の多くが急速な発展によるごみ処理などの都市問題を抱えている現状を捉え、積極的に福岡市の住みよいまちづくり施策を普及させていきたいと考えております。中国公務員等の研修受入事業は、この国際貢献、協力事業の一環であり、これによって福岡市が目指すアジアのリーダー都市にふさわしい役割を果たし、ひいては地場企業の進出にも寄与するものと考えております。以上でございます。 51 ◯議長(森 英鷹) 富永周行議員。 52 ◯44番(富永周行) それでは、我が会派からの強い要望も含め、3回目の質問に入らせていただきます。  まずは、1回目の最後の質問で答弁いただきました、この事業に対する市民の皆様からの福岡市への意見について触れさせていただきます。8月末までに約870件もの意見、要望があったとのことで、大変多いなと驚いておりますが、やはりこの事業に関して、皆様が非常に強い関心を持たれていることがわかります。また、その内容の多くが、中国と日本の関係に対する思いや中国に対する思い、技術流出を危惧する意見とのことですので、事業について不安を感じている方が大勢いらっしゃるということもわかります。このように、数多くの市民の皆様の不安が残る中、この事業を進めていくのは市民不安をさらに増幅させることとなり、市民の声を無視した行政と言わざるを得ません。他都市の事例を見てみますと、自治体単位が県ではありますが、千葉県が台湾とタイを軸に国際交流を展開されています。なぜ台湾とタイかということに関して千葉県は、親日的な新興国で高度成長にあるほか、政情が安定していることから、交流相手としてリスクが少ないことを理由に挙げられています。1問目の答弁に、高島市長が調印のために北京に出向いた理由の一つとして、民間企業の中国進出の際に役立つとありましたが、千葉県はさらに踏み込んだ考えの上で、台湾との交流を推進する理由の一つに挙げています。以下、千葉県庁の職員さんが九州大学准教授の施先生に説明された内容を引用させていただきます。千葉県には中小企業が多く、海外進出の希望はあってもふなれであるため、県はそれをサポートしていく。企業が中国に進出する場合、台湾の企業と組んでいくようにお膳立てしている。台湾側は日本の技術力に期待し、日本側は台湾企業の持つ中国進出のノウハウやネットワークに期待しており、相互利益の関係を築きやすい。台湾と連携することにより、中国進出のリスクヘッジをしているとも言えるといった考えがあってのことで、私もこの千葉県の考え方のほうが、企業の中国進出に関しては有効な手段ではないかと考えます。また、台湾、タイとの国際交流に関して、千葉県民からそれを反対する意見も今現在は出ていないとのこともあわせてお伝えしておきます。  今の福岡を見てみますと、経済や観光など中国に依存しがちな印象を受けます。2010年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の際には、中国政府が日本に対してレアアースの輸出差しどめ措置や日系企業への報復、また、観光団の縮小などの圧力をかけた前例があり、今の日中間の情勢を見ると、また同じことが繰り返されないとは言いがたく、やはり親日的とは言えない国家へ依存するのは、福岡経済にも大打撃を与えるおそれがあると思いますので、今後、国際交流を展開する場合は、千葉県のように親日的かつ政情が安定した国家やその都市と交流を進めていくべきだと考えます。また先ほど、今回の覚書締結は、福岡市市行政に係る重要な計画の議決等に関する条例第3条に基づき、議会への報告を義務づけられている市行政に係る重要な計画の策定または変更には該当しないと考えているとの答弁がございましたが、これまでこの事業においては、年間800人が予定された研修受け入れはなかったと認識しておりますし、アジア各国と行ってきたものが1カ国に限定されたことや、一国家と覚書まで締結した例がなかったことから、重要な計画の策定または重要な計画の変更に相当すると考えますので、議会への報告、また、議会に諮ることで民意をうかがわれることを要望いたします。  次に、受け入れる中国公務員は、国家公務員だけではなく、地方政府、政府関係機関、大学の職員などという答弁をいただきましたが、もしこのままこの事業が進められる事態となれば、ここはせめて友好都市関係にある広州市の公務員を優先するなどの対応をとっていただきたいと考えます。さらに言うなら、福岡市はアメリカのオークランド、フランスのボルドー、ニュージーランドのオークランド、マレーシアのイポー、韓国の釜山広域市、アメリカのアトランタ市との姉妹都市関係にあります。福岡市は、国際交流は姉妹都市、友好都市を軸とする旨を掲げていますが、この研修生受入事業が国際交流や国際貢献、国際協力の一環であるのならば、これらの姉妹都市、友好都市を中心として検討されるべきだったのではと考えますし、姉妹都市交流や市民外交のあり方をまず総括することが優先されるべきだと考えます。また、身分確認についても、中国側からの個人情報の提供を踏まえと答弁の中にありましたが、先日、中国において丹羽大使が乗った公用車を襲撃し、日本国旗を奪った人物に対しても、日本に対して名字と年齢しか明らかにしていません。このような国家がやすやすと個人情報を引き渡すとは私には到底考えられませんが、この事業計画がこのまま継続されるのであれば、中国政府に対して厳しい姿勢で、過去の所属先やどのような思想を持つ人物なのかなど、可能な限りの身分照会をもって対応する必要があります。また、ドイツのケルン、韓国のソウルが締結した覚書と事業内容について答弁いただきましたが、今後さらに踏み込んで、それぞれの市にとっての影響、つまり、どのようなメリット、デメリットがあったのかということなども調査していただきたいと考えます。
     次に、環境技術の機密事項の漏えいや技術流出について、市の施策や取り組みを紹介するもので、企業が持つ特許や機密事項にかかわるものではない。企業の技術流出につながる機器の内部構造の公開や設計図面の提供は一切行わないとのことでした。ここまでの質問で、我が会派がこの中国公務員研修受入事業に対して賛成でないということは理解していただいていると思いますが、もし我が会派の要望が認められずに、この事業計画が進められると仮定した場合には、次のことを強く要望いたします。市民の皆様からの御意見の中でも、技術流出について不安視されている方々が多く見られますので、念には念を押させていただきますが、企業が持つ技術、情報とはいえ、福岡市が発注したもので、福岡市の財産であることには変わりありません。ぜひ関係企業にも情報や技術の流出は絶対にさせないなどの確約を取りつけることで、より一層の強固な保護をお願いいたします。  個人情報については、市役所の事務室などに立ち入ることがないとのことですので、一応は安心しておりますが、これについても、さらに十分な留意をお願いいたします。  また、5年間の覚書有効期間にしても、問題が発生した場合は効力を中断できるような条項を今後の協議の中で盛り込んでいただくことを強く要望いたします。また、現在の日中間の情勢について、覚書締結時と現在では、国際情勢に動きがあっていることは認識しているとのことでした。勝手ながら、動きがあってという表現は、悪化していると解釈させていただきますが、国際情勢を十分注視されることはもちろんですが、それによる市民の皆様の不安などの市民感情にもしっかり配慮していただきたいと考えます。また、市民が懸念や不安を感じるような国際交流は、まさに本末転倒と言わざるを得ません。ここはぜひ、安全保障や危機管理における専門家の意見などを取り入れながら、研修内容をいま一度見直してみることも重要だと考えます。8月22日には、日中間と同じく緊張関係にある日本と韓国の関係を考慮して、福岡市と韓国釜山市の産学界のリーダーによる提言機関である福岡釜山フォーラムも、9月1日、2日に予定していた会合を延期しており、民間交流にも影響が出ています。政府間の関係悪化は、今や市民感情にも大きく影響しています。福岡市の地の利を生かすためには、中国、韓国は今後も福岡市にとっては重要な相手になってくるとは思いますが、今現在の国家間情勢や市民感情を考慮すると、冷静で建設的な交流は困難であると考えます。今はこの事業を受け入れる環境になく、国内世論が安定するまで、また、日中関係が良好になるまでは、この事業計画を延期することを強く要望し、市長に対しその答弁を求め、質問を終わります。 53 ◯議長(森 英鷹) 高島市長。 54 ◯市長(高島宗一郎) 中国公務員等の視察、研修の受け入れですが、認識としては局長も答弁しましたが、福岡市が広くアジアから研修を受け入れている国際視察、研修受入事業の一環でございまして、新たな事業を始めるものではなくて、国際貢献や協力の延長として事業に取り組むものでございます。また、これまでアジアを初め、世界のいろいろな国から、実際に福岡に研修で訪れた方、きのうも水城先生の回答で言いましたけれども、非常に美しい国だと、美しいまちですねというふうに感想を言ってくださいます。それは、やはり行政としての政策の研修という以前に、行政の発想がどうして出てくるのかとか、市民教育の原点、また、まちの整然さ、そういった原点には、秩序を重んじる、また、勤勉、きれい好き、それから環境意識が非常に高い、こういう日本人の、私たちの国民性というものが背景にあってそういう発想が生まれてくる、こういったこともしっかり学んでいただくわけでございます。これも研修受け入れの大切な狙いでもございますし、また、そういった私たちの積み重ねてきた精神、こういったものがなければ、簡単にまちづくりというものはまねできるものではありません、コピーできるものではありません。私も海外の視察に行っていろんなものを見聞きするわけですが、一朝一夕にこういったものをなかなか得ることはできません。そういった背景、歴史というのを学ぶというのも非常に大事なことになってまいります。こうした交流の積み重ねが親日感を醸成してくるものだというふうにも考えております。また、現在の状況等々も踏まえて、外務省等にもお話をしております。非常によい事業であり、大いにこれは進めていただきたいと評価をいただいているところでございます。将来的には地場企業の進出も視野に入れておりまして、福岡市にとって意義あるものだと考えております。  市民の皆様が御懸念されている技術流出につきましては、これは国際交流の一環として、相手の都市の行政が課題に気づいて、改善の必要性を認識するための手助けをこれまでも福岡市はしているわけでございまして、個々の企業が持たれている守るべき技術ですとか、特許ですとか、こういったものは全く今回の研修とは違う次元のものでございますし、また、各企業の技術や特許は当然公開いたしません。機密事項や個人情報の漏えいの防止も含めて、これからもこれまで同様、また、今の御指摘も踏まえて、万全の配慮をしていきたいと考えます。  また、現在の日中間につきましては、国と国との間で激しいやりとりがあっていることを十分に承知をしております。実施方法や実施の時期などについては、これは事務的な準備を進める中で、今後の国際情勢や、それから国内の動向を十分に注視しながら、また、国や関係機関などともしっかり協議をして、慎重に検討してまいりたいと考えます。以上です。 55 ◯議長(森 英鷹) この際、暫時休憩いたします。  午後は1時10分に再開いたします。                                         午前11時54分 休憩                                         午後1時10分 開議 56 ◯副議長(大石修二) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。中山郁美議員。 57 ◯43番(中山郁美)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、子どものいじめ問題並びに生活保護行政について質問いたします。  まず、子どものいじめ問題についてです。  いじめを受けていたとされる大津市の中学生の自殺事件を初め、深刻な事件が続き、本日は八代市の中学生が昨年自殺していたことが報道されております。亡くなられた子どもさんたちとその御遺族に哀悼の意を表します。このような事件が後を絶たず、多くの国民が胸を痛め、なぜ学校でこうした事態が繰り返されるのか、どうすれば孤立して苦しむ子どもを救うことができるのか、このような問いが広がり、文部科学省は全国教育委員会に対して現在緊急調査を行っております。子どもの命は何よりも大切にされなければならず、命を育む学校でこのような事態が二度と繰り返されないよう、本市においても最大限の取り組みが求められております。  そこでまず、いじめとは何なのか、その規定並びに本市における発生件数とその把握の方法についてお尋ねいたします。また、いじめの背景について市長並びに教育長の御所見を伺います。  質問の第2は、学校現場におけるいじめ根絶に向けた取り組みについてです。  いじめ問題については、いじめを起こさせないための日ごろからの取り組みとともに、もし発生した場合には適切な対応が求められます。  そこで、1点目は教職員体制の問題です。  いじめを把握するためには、教職員が子どもと向き合い、子どもの変化をキャッチすることが必要です。そして、いじめが発生している場合、速やかかつ適切な対応がなされなければなりません。ところが、教職員の間では、忙しくなる一方で子どもと十分向き合えないとの切実な声が広がっております。いじめ根絶のためには教職員の多忙化解消は不可欠だと思いますが、教育長の御所見を伺います。また、そのためにこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、お尋ねいたします。あわせて、教職員の人権感覚や力量を高めるための日ごろの取り組みについてお尋ねいたします。  2点目は、集団的、組織的に取り組む教職員体制の確立についてです。  いじめや、いじめが疑われる事態が学校で把握された場合、会議などで組織的に共有し、知恵と力を結集することが必要です。学校現場では、そのためにどのような手だてがとられているのか、お尋ねいたします。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家の役割についてはどう認識し、具体的にどのように配置しているのか、お尋ねいたします。  質問の第3は、学校現場だけにとどまらない取り組みについてです。  いじめを根絶するには学校以外での子どもの姿をも丸ごと捉え、あらゆる力を結集しなければなりません。その点では、学校が保護者、地域の方々との連携、共同をいかにつくるのかが問われております。  そこで、教育委員会は学校のそのような取り組みに対してどのように支援しているのか、お尋ねいたします。また、悩み、苦しんでいる子どものSOSを直接受けとめる公的機関はあるのか、お尋ねいたします。  次に、生活保護行政についてです。  近年、貧困、格差が広がり、生活保護受給世帯が急増しております。そこでまず、市長は生活保護急増の背景並びに生活保護制度の役割についてどのように考えているのか、また、保護受給者の自立促進にとって安定した雇用の拡大と就労支援が重要だと思いますが、市長の認識と取り組みについてお尋ねいたします。  質問の第2は、必要な世帯が生活保護を受けられているかどうかという問題です。  ことしに入り、全国各地で餓死、孤立死事件が相次ぎ、本来生活保護を受けるべき世帯が生活保護を受けられていない問題が浮き彫りとなっております。札幌市においては、姉が何度も生活保護を求めたにもかかわらず、福祉事務所が窓口で申請を受け付けなかったことにより、42歳と40歳の姉妹が死亡しました。そのほかにも全国各地で不十分または不適切な対応で本来救われる方が命を失う事件は2桁を超え、深刻な事態となっています。本市においても生活保護水準以下での生活をしている世帯は多数存在しているのではないかと思いますが、その実態はどうなっているか、お尋ねいたします。また、本市における相談、申請の動向並びに十分対応できるケースワーカーの配置になっているのか、1人当たりの持ちケース数を含め答弁を求めます。  質問の第3は、保護水準以下で生活している方を救う行政責任についてです。  孤立死などを防止するためには、生活困窮に陥った方々を行政がいち早く把握し、制度の紹介や生活保護申請を促すことが必要です。その点では、水道、ガス、電気などのライフライン業者や民生委員など地域の方々から情報を得るなどの連携が不可欠です。そこで、そのような体制はどのように構築され機能しているのか、また、具体的にそのような連携によって生活保護受給に至ったケースはどのくらいあるのか、お尋ねいたします。  質問の第4は、生活保護費の基準についてです。  経済状況の悪化や働く貧困層の拡大、不十分な年金制度等によって、年齢を問わず貧困世帯がふえております。そのような中、あたかも生活保護費の基準が高過ぎるかのような論調が振りまかれております。そこで、生活保護費の設定の仕方と単身世帯、子育て世帯、老人世帯等、モデル的な世帯の受給額と内訳並びにエアコン購入費は算定されているのか、お尋ねいたします。また、現在の保護基準で十分だと思われるのか、御所見を伺います。  質問の第5は、不正受給問題についてです。  ことし6月、有名芸能人の母親が生活保護を受けているとして週刊誌が実名で報道、その後、国会で自民党議員がこの問題を取り上げ、報道され、不正受給などとして大々的な生活保護バッシングが行われています。これらに乗じて、政府は扶養義務の履行強化を初め、保護基準の見直しまで打ち出す事態となり、生活保護受給者や生活保護申請を考えている方々の中に、保護を切られるのではないかなどの不安も広がるなど重大な事態となっています。  そこで、不正受給とは何か、今回の事案は不正受給に当たるのか、扶養義務については生活保護法ではどのように規定されているのか、説明を求めます。また、本市における不正受給の発生件数とその内訳及び発生率についてお尋ねいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行わせていただきます。 58 ◯副議長(大石修二) 酒井教育長。 59 ◯教育長(酒井龍彦) いじめ問題についての御質問にお答えをいたします。  まず、いじめの定義につきましては、文部科学省は、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの、というふうにしておりまして、福岡市におきましても同様に考えております。  次に、福岡市のいじめの認知件数につきましては、平成23年度は小学校15件、中学校58件、合計73件でございます。さらに、いじめを把握する方法といたしましては、まず学校がいじめの発生を確認した場合は第一報を教育委員会に入れることとしております。その後、いじめの概要、学校の対応、経過についてまとめた事故報告書を提出することになっております。  次に、いじめの背景についてでありますが、児童生徒に関しては人間関係が表面的なものにとどまっているケースや、日々の生活の中で満足感を得る機会が不足し、自尊感情を持てずにいることなど、家庭にあっては保護者の過保護、過干渉、そして放任など、学校については教師のいじめに対する認識の不足や、相手の立場を思いやる心の教育が全ての子どもたちには伝え切れていないことなどが挙げられますが、これらさまざまな要因が複雑に絡み合っているものと考えております。いじめ問題につきましては、いじめは人間として絶対に許されない行為であるという基本認識を持ち、未然防止、早期発見、早期対応に取り組むことが重要であると考えております。  次に、教職員の多忙化に関する御質問ですが、教員が子どもたちと向き合う時間を確保することは重要であると認識しております。このため、教育委員会といたしましては、学校からの報告文書の削減や簡素化、教職員1人1台のパソコン整備、給食費の公会計化などにより事務の効率化を図るとともに、保護者と学校のよりよい関係を構築するための相談窓口の設置などの支援を行っているところであります。  次に、いじめをなくすために教職員の人権感覚や力量を向上させることについてでありますが、教職員が人権感覚を高めるために、各学校において、いじめられている子どもを最後まで守り抜くという基本姿勢などを共通理解し、児童生徒相互の人間関係づくり、教師と児童生徒の信頼関係づくりに努めるよう指導をしております。また、全ての学校でいじめ対応マニュアルを活用した校内研修を実施し、いじめはどの子にもどの学校にも起こり得るという危機意識のもとに、子どもが発するいじめのサインへの気づきなど、早期発見のための観察方法を全ての教職員が学ぶなど、指導力の向上に努めているところでございます。  次に、いじめ問題に学校が組織的に対応するための手だてにつきましては、日ごろより校長を中心とした指導体制を整えており、いじめが発生した場合には速やかに校内の緊急いじめ対策委員会で指導方針を決定し、全ての教職員がいじめの解決に向けて同じ方針のもとに取り組んでおります。また、児童生徒への事実確認や保護者、地域との対応につきましては、チームを編成して複数の教職員で当たります。さらに、再発防止の取り組みに向けて、全職員でいじめに関係した児童生徒の経過観察を行い、見守るようにしております。  次に、いじめ問題に関する専門家の役割についてですが、スクールカウンセラーは児童生徒の心に働きかけて悩みを解決し、スクールソーシャルワーカーは児童生徒の家庭や地域といった環境に働きかけ、教育と福祉の両面から支援を行っております。また、児童生徒を取り巻く問題が複雑化、多様化していることから、いじめを解消するためには、これら専門家と連携して取り組むことが重要であるというふうに認識をしております。配置につきましては、スクールカウンセラーは中学校67校と市立高校4校に、スクールソーシャルワーカーは不登校や問題行動など課題を抱える10中学校区の小学校に配置をしております。  次に、保護者や地域と連携した取り組みについてでありますが、全ての学校において、学校、保護者、地域で構成されたいじめ防止対策委員会を年3回以上開催し、情報交換や指導のあり方について協議するように指導をしております。また、必要に応じて問題を抱える児童生徒の対応策を学校、地域、関係機関で話し合う場を持つよう支援を行っております。  次に、子どもたちがいじめなどの悩みを相談できる機関についてですが、24時間対応の全国統一の教育相談ダイヤルや、福岡市こども総合相談センター、さらに福岡少年サポートセンターなどがございます。これらの電話番号などの情報につきましては、教育相談ダイヤルカードとして、昨年に引き続き小学校、中学校、特別支援学校の全ての児童生徒に配付をいたしております。以上でございます。 60 ◯副議長(大石修二) 永渕経済観光文化局長。 61 ◯経済観光文化局長(永渕英洋) 生活保護の御質問でございますが、私のほうから雇用の拡大と就労支援についての認識と取り組みについてお答えいたします。  まず、現在の雇用情勢につきましては、国の発表では、緩やかな改善は見られるものの、依然として厳しい状況が続いているとされており、雇用の拡大と就労支援は福岡市におきましても重要な課題であると認識しております。雇用拡大に関する取り組みにつきましては、平成21年度から実施しております緊急雇用対策におきまして、平成23年度までに6,287人の雇用を創出したところであります。また、平成24年度は1,060人の雇用を創出することといたしております。  就労支援につきましても、福岡市においては各区にキャリアコンサルタントによる就労相談窓口を設置し、就職に向けた個別相談を行っており、また、就労への一歩を踏み出せない、そのような悩みを持つ無業の若者につきましては、臨床心理士による相談を行っております。その他、中高年を雇用する企業への奨励金の交付やフリーターなどの正社員就職を支援する講座を開設するなど雇用機会の拡大に努めております。以上でございます。 62 ◯副議長(大石修二) 中島保健福祉局長。 63 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 生活保護に関する御質問についてお答えいたします。  まず、生活保護受給者の就労支援についてでございますが、本人の状況に応じ、就労意欲がある方には就労支援の専門相談員による就労支援を行うとともに、就労意欲が十分でない方には意欲喚起から職場定着までの一貫した支援を進める就労意欲喚起等支援事業を行っており、さらにハローワークと連携した福祉から就労支援事業を実施するなどさまざまな取り組みを行っております。  次に、福岡市における生活保護水準以下で生活している世帯数につきましては、把握をいたしておりません。  次に、生活保護の相談申請件数でございますが、平成23年度は相談件数1万1,302件、申請件数7,186件となっております。各区のケースワーカーの配置状況は、正規職員247人と任期付短時間職員54人の合計301人であり、任期付短時間職員の勤務時間を考慮して0.8人分と換算しますと、平成24年7月現在で1人当たりの平均担当世帯数は106.5世帯となっております。保護受給世帯への支援に当たりましては、これら301人のケースワーカーに加え、30名のケースワーク支援嘱託員を配置するとともに、就労支援や子育て、精神障がい者の生活支援などの専門支援を行う委託事業を実施するなど、ケースワーカーの業務を補完する体制を構築することにより適正な業務の実施に努めております。  次に、孤立死を防ぐための水道、電気、ガス等のライフライン事業者との連携につきましては、定期的に行われる会議において要保護者把握のための協力依頼を行い、滞納状況などから生活困窮状態が疑われる場合には、本人に生活保護制度の紹介や福祉事務所への相談を助言するとともに、相談のための来所ができないような急迫した状態の場合には通報をお願いするなど、連絡連携体制の強化に努めており、平成23年8月から平成24年7月までの1年間にこの通報により2世帯が生活保護を受給いたしております。また、区役所の他の相談窓口等での制度の紹介や助言により生活保護のための相談に来所されたり、民生委員等から提供された情報に基づき保護課職員が確認のため訪問することにより保護受給となる事例も多数ございます。  次に、生活保護の支給額につきましては、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助などのほか、世帯に特別な事情が認められる場合は母子加算や障がい者加算などが加算され、決定されます。平成24年度は、単身世帯25歳の男性では生活扶助7万9,940円、住宅扶助限度額3万7,000円、冬季加算、期末一時扶助を含み月平均11万9,297人、夫婦子ども4人世帯、45歳男、40歳女、17歳男、14歳女では生活扶助20万220円、住宅扶助限度額4万8,000円、教育扶助1万3,880円、高等学校就学費1万2,010円、冬季加算、期末一時扶助を含み月平均28万777円、高齢者2人世帯、72歳男、67歳女では生活扶助11万1,510円、住宅扶助限度額4万8,000円、冬季加算、期末一時扶助を含み月平均16万3,359円となります。  次に、エアコン購入費につきましては、生活保護費からの支給はありませんが、平成23年7月の制度改正により、保護費以外の収入のある世帯については購入費用を保護費の減額対象となる収入から認定除外しており、冷房設備の購入が可能となっております。  次に、生活保護の基準につきましては、法第8条に、基準は厚生労働大臣が定め、要保護者の事情を考慮し、十分なもので、かつこれを超えないものでなければならないとの規定があり、適正であると認識いたしております。  次に、不正受給の定義につきましては、法には定義されておりませんが、一般的には法第78条の不実の申請その他不正な手段により保護を受け、または他人をして受けさせた場合と考えられております。  次に、報道された芸能人の扶養についてでございますが、報道された限られた情報で判断いたしますと、扶養義務者が存在する場合であっても保護基準を満たす程度の援助がない場合には保護の対象となるため、不正受給であるとまでは解せないと考えております。  次に、生活保護法での扶養義務の規定についてでございますが、民法に定められております扶養義務者による扶養は、法第4条第2項において保護に優先して行わるものと定められており、同条第1項における保護の要件とは異なるものとして位置づけられております。  最後に不正受給の件数でございますが、平成23年度に法第78条を適用し、費用徴収を求めたものは1,402件で、総額4億7,594万円余でございます。内訳の主なものは、稼働収入無申告等が628件、1億7,958万円余、各種年金の無申告等が243件、1億873万円余でございます。発生率は、件数を平成23年度平均保護世帯数で除して4.7%となっております。以上でございます。 64 ◯副議長(大石修二) 渡辺副市長。 65 ◯副市長(渡辺正光) いじめの背景についてのお尋ねにお答えをいたします。  いじめは、かけがえのない子どもたちの命さえも失いかねない極めて重大な問題であると認識をいたしております。その背景には、核家族化や少子化による家庭の孤立化、情報化の進展による有害情報の氾濫やネットによる誹謗中傷の増加、それから、都市化の進展による人間相互の連帯感の希薄化など、急激な社会の変化によりまして発生した課題などが存在しているのではないかと考えております。以上でございます。 66 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 67 ◯市長(高島宗一郎) 生活保護の急増の背景といたしましては、高齢化の進展や、いわゆるリーマンショック後の急激な景気の後退によって雇用状況が悪化したため、保護世帯が急増したものと考えております。生活保護制度は、最低限度の生活保障と自立助長を目的としておりまして、最後のセーフティーネットとして我が国の社会保障制度の中で重要な役割を担っております。このため、真に生活に困窮している人に必要な保護を適用するとともに、不正受給の防止や医療扶助の適正化などを図り、市民から信頼を得られるような保護を実施することが重要であると認識をしております。以上です。 68 ◯副議長(大石修二) 中山郁美議員。 69 ◯43番(中山郁美) まず、いじめ問題についてでございます。  教育長はその背景について、さまざまな問題が複合的な要因としてあるという趣旨のことを述べられました。市長にもお尋ねしたんですが、市長は答弁されず、副市長がお答えになりましたが、同様にさまざまな人間関係等が背景にあるという認識を示されました。  2010年6月の第3回国連子どもの権利委員会最終所見は、日本の高度に競争主義的な学校環境がいじめ、精神的障がい、不登校、登校拒否、中退及び自殺の原因となることに懸念を示し、学校システム全体を見直すことを日本政府に勧告いたしました。また、一部メディアが流す暴力シーンなど命を大切にしない風潮が子どもに影響を与えていることも多くの識者が指摘をしているところであります。いじめ根絶のためには、教育における過度な競争や統制、一部メディア等による暴力やいじめを助長する姿勢を是正するなど社会全体の取り組みが求められるのではないかと思いますが、市長、教育長それぞれの認識を伺います。また、これまでそのような視点で取り組んできたことがあれば、お示しいただきたいと思います。  次に、学校現場での取り組みについてです。  本市の小中学校におけるいじめの発生状況は、2011年度で73件、あらゆる教育活動などで把握に努めているとのことですが、この数字が本当に実態をあらわしているのかが問題です。筑前町で中学生がいじめによって自殺をした直後の2006年度調査では、本市でも194件と前年度の16件から大きくふえました。悲しい事件が起きた後だけ丁寧に把握するというのでは、いじめの根絶はできません。いじめを把握し、報告するのは教師です。研修は行われていても、ここのいわばセンサーがきちんと機能しなければなりません。子どものサインを見逃したり、ましてや放置することになれば、重大ないじめへと発展しかねません。その点では、教師が子どもたちに向き合う余裕があることが不可欠です。  教育長は、教職員の多忙化解消は必要だ、しっかり取り組んできたと言われました。実態に目をつぶったらだめだと思います。本市教育委員会の2004年時点の勤務実態調査では、1日平均2時間16分の時間外勤務を教師はしています。そして、その後の学習指導要領の改訂などで授業数もふえ、多忙化はますます進行しております。教育委員会が取り組んできたという事務軽減や、若干相談窓口をつくるなどでは多忙化解消に取り組んでいるとは言えないと思いますが、御所見を伺います。  もしいじめが起きた場合には、教師がいじめられた側、いじめた側双方に向き合い、実態を解明し、解決を図らなければなりません。そのためには捉えた情報を共有でき、相談し合える教職員集団のいわば連携力が必要です。学年会、職員会などでの協議、保護者への連絡、場合によっては児童相談所や役所など関係機関との連携も必要で、相当な時間も費やさなければなりません。そしてその際、子どもの立場に立ち、適切な動きをつくる上で、臨床心理などの専門家であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの力が欠かせないものとなっております。教育長は、これら専門家の役割について重要だと認められましたが、配置状況は極めて不十分です。全校配置が求められると思いますが、御所見を伺います。  保護者や地域との連携については、さまざま努力をしているとの答弁ですけれども、学校側も保護者も多忙に追われ、日常的な情報交換が困難となり、重要な情報が共有できないこともあります。認識の違いが起きた場合に学校と保護者双方からの情報を冷静に捉えて相談に乗り、調停役を果たせる第三者機関の設置が必要ではないかと思いますが、御所見を伺います。  そもそも教育の営みは、授業を通して系統的、科学的なものの見方を育て、一人一人の個性を伸ばし、自尊感情を育てることが目標の重要な一つです。そのことによって他人も自分も大切にする心が育ち、いじめを生まない保障となります。つまり、一人一人の子どもたちが自分は大切にされていると実感できていけば、他人を傷つける行為を減らすことができます。今日のように貧困の拡大やメディアの多様化などさまざまな環境が子どもたちに影響を与えている中、教師がその一人一人の行動の背景や思いを受けとめる上で、1学級が40人というのではその仕事は十分できないのであります。したがって、教員を増員し、少人数学級を拡充することがいじめ根絶にとって不可欠だと思いますが、答弁を求めます。また、職員削減、人件費抑制の方針を変えず、35人学級を拡充せず、専門家の配置も国任せにするなど学校現場の困難に目を向けない市長の責任は重大だと思いますが、市長自身の答弁を求めます。  次に、生活保護行政についてです。  これは経済、雇用状況の悪化のもと、生活保護制度はセーフティーネットだと市長、この重要性を認められました。しかし、局長の答弁では、生活保護以下の水準で生活している世帯については把握もしていないと。これは重大な問題です。全国でことし頻発している餓死や孤立死の特徴は、一人きりで亡くなるこれまでの孤独死とは異なり、働ける年齢層の方を含む2人以上の複数世帯が貧困に陥り、行政の手が届かなかったというものであります。答弁されませんでしたが、国はこれ調査しています。2010年、厚生労働省保護課が発表した生活保護基準未満の低所得世帯数は311万世帯に上り、そのうち保護を受けている割合は23.8%などとなっています。これを人口比で本市に当てはめると、数万世帯が生活保護から漏れていることが想定できる深刻な数となるのであります。そのような実態も把握せず、保護基準以下での生活をしている世帯を多数放置している本市の実態は問題ではありませんか、お尋ねをいたします。  次に、生活困窮に陥った世帯に対する手だてについてです。  まず、把握方法について、民生委員や水道、ガス、電気など事業者にお願いをしている、協議をしている、このような答弁をされましたが、この1年で実際に事業者の協力で生活保護に結びついたのはわずか2件ですよ。料金の滞納によって水道などとめられるケースは多数に上っているのに、保護課などへは通報がされていないということのあらわれであります。また、通報があったとしても、保護対象世帯への積極的なアプローチやそのための要員配置がないと何も進みません。事業者などへの協力呼びかけは機能しておらず、実効性があるものに改善すべきではありませんか。また、必要な世帯がみずから窓口での申請にたどり着けるように、市政だよりや市の広報番組、地域での回覧板も活用させてもらうなど細やかな手だてもとって、権利としての保護制度の周知を図るべきだと思いますが、御所見を伺います。  次に、窓口での対応について、ふえ続ける相談に対してケースワーカーを適正に配置していると、このようにおっしゃいました。しかし、これは今年度は1人もふやしていないんですよ。その結果、先ほど述べられたように1人当たり106ケースも持っている。これは80件までとされている国の標準を大幅に上回っております。ケースワーカーは超多忙、そのような中、申請に訪れた方に対し、ハローワークに先に行かないと受け付けない、社会福祉協議会で貸し付けを受けてこい、あるいは健康上問題がある方に対して若いんだからもっと頑張って働け、こういう無理難題の押しつけや虚偽の説明までされている事例を私どもは把握しております。このように、窓口での不適切な対応、申請拒否はなくなっていないと思いますが、御所見を伺いたいと思います。  次に、扶養義務についてです。  答弁のとおり、実施要領では当事者間の話し合いが基本であります。有名芸能人の件も、可能な範囲で扶養されており、不正受給には当たらないと答弁をされました。そこで、本市では扶養にかかわる取り扱いをどうしているのか。本人の同意なく親族などの扶養義務者に勝手に文書を送りつけております。しかも、その文書にはこう書かれています。扶養義務者の援助は、生活保護法による保護よりも優先しますので、あなたに援助をお願いする次第であります。このように援助を強要し、収入や資産状況まで記入させるようになっています。このような扶養義務者への問い合わせのやり方や、扶養を拒否できないかのような文書表現は問題であり、是正すべきではありませんか、お尋ねをいたします。  次に、本市における不正受給の実態についてです。  昨年度は1,402件の返還があったとの答弁ですが、その内訳は、稼働収入無申告が503件、次いで各種年金等無申告が243件と続いています。しかし、これらの中には、例えば、働いて収入を得て、それをしっかりケースワーカーに届けたのに支給額に算定されず、後で返還させられた、年金が入ったのを伝えることを忘れていた、などのケースが多く、これは現場のケースワーカーがきちんと対応していれば防げたものがほとんどであります。これらは不正受給とは言えず、大部分は行政側の対応のおくれや制度の周知不足から起きているのが実態だと思いますが、お尋ねいたします。  窓口や文書による対応が不適切になっているのはなぜか。背景には、多くのケースの調査や家庭訪問を行い、書類を作成し、認定会議にかける等々、煩雑な業務を期限内にこなさなければならないケースワーカーの過重業務があります。毎日残業しても追いつかず、とても親身で丁寧な対応ができなくなっている。つまり、業務量に照らして人員が圧倒的に不足している実態が問題の背景にあるのは明らかだと思いますが、認識を伺いたいと思います。  次に、生活保護基準について、局長はこれは適正だと答弁されました。この認識は本当にひどいと思いますよ。廃止された老齢加算は、政権がかわっても復活されておりません。かつてあった本市独自の福祉見舞金も削られたままです。しかし、モデルケースで示されたように、金額では、例えば、高校生のいる世帯では先ほどの就学にかかわる経費、若干あるんですけれども、とても足りない。部活動の道具も買ってやれない。せっかく部活動でレギュラーに入っても遠征費が出せず、遠征を辞退した。こういう高校生もおります。高齢者世帯では、食事は1日2回、風呂の水は1週間かえないままなどの実態もあります。エアコン購入について、これは認められているかのような答弁をされましたけどね、これはほとんど認められていない。保護を受けている方で稼働収入などが若干ある方については、社協から貸し付けが認められている。だけど、それ以外の保護世帯は、これだめなんですよ。実態はエアコン買えません。エアコン購入について認められない実態は、命にかかわる熱中症のリスクも高めております。保護世帯は、こういうエアコンも購入できないなどという実態は問題ではないかと思います。答弁をいただきたい。また、国基準の改悪や市独自の加算の切り捨てで、保護水準は不十分なものとなっており、市独自で必要な加算を行うべきだと思いますが、御所見を伺います。  生活保護受給者の自立にとっての雇用拡大については、局長はやっていると答弁されました。しかし、働く気はあっても自立できるだけの雇用の受け皿は広がっていません。雇用対策も短期のものばかりであります。保護課のやっている支援事業も意欲喚起であって、2,573人の対象者のうち自立できたのはわずか127人、これまでの支援策では不十分であり、生活保護受給者の立場に立った雇用拡大を図るべきだと思いますが、答弁を求めて2問目を終わります。
    70 ◯副議長(大石修二) 酒井教育長。 71 ◯教育長(酒井龍彦) いじめ問題についてお答えをいたします。  まず、いじめ根絶に向けた社会全体での取り組みにつきましては、家庭では心の居場所となる温かな家族関係を築き、地域ではさまざまな年齢の人々との交流活動を通して豊かな情操や人間性を育み、学校では全ての児童生徒が学校に来ることが楽しいと感じることができるような魅力ある学校づくりを進めるなど、それぞれの教育力を向上させることが極めて重要であると考えております。学校が家庭、地域、企業などと連携し、教育の責任を共有するとともに、それぞれの役割を果たしながら、社会全体でともに子どもを守り、豊かな人間性を育む教育を今後とも推進してまいります。  次に、教職員の多忙化に関する御質問ですが、先ほど答弁いたしましたとおり、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保するための取り組みを進めておりますが、今後、校務のさらなる効率化を進めるために、児童生徒の学習、成績の管理や教材の共有化を行うシステムの導入を検討するなど、教職員が子どもたちと向き合う環境づくりに鋭意努めてまいります。  次に、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置につきましては、平成24年9月5日に文部科学省が発表した、いじめ、学校安全等に関する総合的な取組方針の中にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を充実していくことが示されたところです。今後の配置につきましては、国の動向やこれまでの活動状況、さらには他都市の状況を見据えながら、総合的に検討してまいります。  次に、いじめ事案に対する第三者的な機関の設置についてでありますが、医師や弁護士など幅広い外部専門家から成る第三者的な機関につきましては、中立かつ専門的な立場から、より客観性の高い調査が可能であり、いじめの問題などを調査し、解決できるという意味で重要であると考えております。今後、国や他の自治体の動向を踏まえ、重大ないじめ事案が発生した場合の第三者的な機関の設置について検討してまいります。  次に、いじめ根絶には少人数学級の拡充が不可欠であるとの御指摘についてでありますが、いじめ問題の対応に当たっては、担任が児童生徒一人一人に深くかかわることができる少人数学級の役割は重要であると考えております。しかし、いじめ根絶には全ての児童生徒が学校に来ることが楽しいと感じることが大切であり、その実現のためには、校長を中心に全ての職員が一丸となって教育の方法や内容をさらに充実させ、わかる授業づくりとよりよい人間関係づくりを軸とした魅力ある学校づくりに取り組むことが何より重要であると考えております。以上でございます。 72 ◯副議長(大石修二) 中島保健福祉局長。 73 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 生活保護に関する御質問にお答えいたします。  まず、生活保護対象者の把握につきましてですが、生活保護制度は最後のセーフティーネットであるということを踏まえ、ライフライン事業者や関係機関との連携を強化することにより把握に努めてまいります。  次に、ライフライン事業者との協力体制につきましては、現在、定期的に協議の場を設け、情報交換及び協力依頼を行っており、今後とも連絡連携体制の強化に努めてまいります。  次に、生活保護制度の市民への周知につきましては、生活保護制度は制定以来60年以上経過し、広くセーフティーネットとして機能していることから、一般市民の認知度は高いと考えておりますが、ホームページ掲載や市民相談室での生活保護のあらましの配付など、引き続き現在の周知体制を継続するとともに、民生委員や社会福祉協議会、自治会などの地域との連携強化などにより、要保護者の発見に努めてまいります。  次に、窓口で不適切な対応事例がなくなっていないのではないかとのおただしについてでございますが、生活保護相談への対応に当たっては、保護者の申請権を侵害することのないよう申請意思の確認を十分に行っておりますが、説明不足によって申請機会を失ったとの誤解を生じさせないように、相談者の立場で懇切丁寧に対応するよう研修等を行い、徹底を図っております。  次に、扶養義務者への照会に関するおただしについてでございますが、扶養義務者への扶養照会につきましては、受給者へ趣旨説明を十分に行うとともに、扶養義務者への照会文書には法条文を明記した上で、扶養は保護に優先する旨の法の趣旨を記載し、十分な理解が得られるよう努めております。さらに金銭的な扶養ができない場合にも、可能な範囲で精神的な支援や交流を依頼するとともに、回答様式を扶養ができないことも想定した内容にするなど、扶養の履行義務などについても誤解のないように努めております。  次に、不正受給の原因についてのおただしについてでございますが、生活保護の受給世帯に対しては、収入など生計の状況に変動があった場合などには法第61条に基づき速やかに届け出なければならない旨を機会を捉えて十分に説明を行い、不正受給とならないように努めております。  次に、不適切な窓口対応は人員不足が原因ではないかとのおただしについてでございますが、生活保護業務の執行体制につきましては、生活保護世帯の急増に対する取り組み方針における体制整備の一環として、平成23年度に54名の任期付短時間勤務職員を配置するとともに、平成24年度には自立支援を推進する本庁機能を強化するため、保健福祉局保護課に1名増員することに加え、医療適正化担当の嘱託員を6名増員し、各区に配置するとともに、介護適正化担当の嘱託員を3区に新規配置するなど、種々の嘱託員の配置や委託事業の実施などにより職員のケースワーク業務の支援、軽減を図ることにより、保護受給者と向き合える時間を確保し、一人一人のケースワーカーが保護受給者に対し、実態に即したきめ細かな相談支援等の対応ができるよう体制の整備に努めております。  最後に、最低限度の生活の保障基準に対する認識や市独自での支給につきましてですが、厚生労働大臣が法に基づき生活保護基準として定めるものであり、冷房機器の購入費用の支給や老齢加算などについては国の責任で判断されるべきものであると考えております。以上でございます。 74 ◯副議長(大石修二) 永渕経済観光文化局長。 75 ◯経済観光文化局長(永渕英洋) 生活保護受給者の視点に立った自立支援についてでございますが、経済観光文化局におきましては、就職が困難な中高年を雇用する企業の開拓やフリーターなどに対する正社員就職の支援による雇用機会の拡大、さらには福岡市の就労相談と国の職業紹介を一体的に実施するシティハローワークはかたの開設など、国の雇用対策とも連携強化を図っております。  生活保護受給者の自立支援につきましては、これらの雇用拡大施策や就労支援施策と保健福祉局で実施しております自立支援施策との連携をしっかり図りながら進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 76 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 77 ◯市長(高島宗一郎) 現在、福岡市ではユニバーサルデザインの理念に基づくまちづくりを推進して、子ども、女性、男性、高齢者、障がい者、子育て中の人などが地域にともに支え合い、安心して暮らしていけるユニバーサル都市・福岡の取り組みを行っています。私は、全ての人の人権が尊重されて、全ての人にとって住みやすいまちづくりを行うことは、とりもなおさず、全ての子どもたちが安心して生活を送ることができるいじめのない学校をつくることでもあると考えております。今後も、みんなが優しい、みんなに優しいまちの実現を目指して、福岡市全体として取り組んでいきたいと考えております。  また、教育施策を推進する上で、教職員が十分にその役割を果たすことができるよう環境づくりを行うことは大切だというふうに考えておりまして、これまでも少人数学級の実施やスクールカウンセラーの配置など必要な措置を行ってきたところでございます。今後もさまざまな教育施策の推進に当たりましては、効果的な事業推進が図れるよう支援してまいりたいと考えております。以上です。 78 ◯副議長(大石修二) 中山郁美議員。 79 ◯43番(中山郁美) いじめの根絶について、教育長の答弁では極めて不十分です。教育長はこの間、全国学力テストだけでなく、市独自の学力調査まで実施して、点数を上げるために子どもも教師も追い立てられてきました。新しいふくおかの教育計画などでは自学や自立を強調するなど、自己責任論を教育の場に持ち込みました。教職員には自己評価という名の評価システムを導入し、自由な教育活動を奪い、管理を強化するなど、真のゆとりを奪ってきました。競争と統制の教育は、子どもを理解し向き合うという教育の根幹に重大な作用を及ぼし、いじめの根絶に逆行するものです。また、教師が子どもに目を行き届かせ、学年会や職員会で子どもの問題を突っ込んで検討する時間がますます重要なのに、多忙化解消にまともに取り組まない。こんな姿勢では、いじめの根絶に向かい、子どもが安心して豊かに学べる学校は実現できません。教育長は、行き過ぎた競争と管理教育を改め、全学年での35人学級実施と全校へのカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を決断し、必要な学校へは緊急加配もすべきではありませんか。あわせて30人学級実現や専門家の全校配置を行うよう国に強く求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。  市長もいじめについて答弁されましたけれども、一般的なこうやるというものは何も聞こえてまいりません。まず、みずからの姿勢を改めていただきたい。あなたは教育予算を削減する一方、リーダー都市を目指すなどとして、人材育成のため一部の選ばれた子どもにだけ特化する教育には予算をふやしてきました。例えば、中高生夢チャレンジ大学、あなたが学長なるものを務めているこども未来局の1,000万円余の新規事業です。1万4,000円の参加費を払って申し込める子どもだけ、150人を対象に公費を投入して、1人当たり13万円かけて行う事業です。生活厳しい家庭の子どもは、はなから申し込めませんよ。これが学校を通じて配付されています。市長が乗り出して、公教育の場を利用してやることではありません。市長は誤った教育観で教育に干渉し、子どもたちに競争をあおるのをやめ、教育予算をふやして全ての子どもたちに平等に行き届く教育を後押しすべきではありませんか、答弁を求めます。  生活保護について、局長はエアコンの必要性も認められませんでした。基準そのものは国が決めるもの、実態から目を背ける無責任な答弁をされました。現在、国はさらなる改悪を検討しており、傍観は許されません。国に基準改悪をやめ、老齢加算の復活とエアコン購入費の算入を図るよう強く求めるとともに、当面市として夏季、期末加算やエアコン購入のための独自加算を行うべきではありませんか、お尋ねいたします。  最後に、セーフティーネットとしての生活保護を実施する責任についてです。  局長は、ケースワーカー増員を明言されませんでしたが、相談に十分対応せず、違法な申請拒否まで生んでいる事態は命の危機につながるのです。放置は許されません。窓口対応や運用にかかわる緊急調査を行い、直ちに間違った対応の是正を求めたいと思いますが、重ねて答弁を求めるものであります。  また、異常な人減らしをやめ、国の標準を守れるだけの正規のケースワーカー増員を図り、ライフライン事業者との連携について、役所内部での仕組みを含め抜本的に強化し、生活保護制度についての広報を生活困窮者の視点で強化するなど、必要な方が保護を受けられるよう責任を果たすべきだと思いますが、最後に市長の答弁を求めて質問を終わります。 80 ◯副議長(大石修二) 酒井教育長。 81 ◯教育長(酒井龍彦) いじめ問題についてお答えをいたします。  まず、教育のあり方についてでありますが、福岡市の教育行政につきましては、平成21年度に策定した新しいふくおかの教育計画に基づき、たくましく生きる子どもを育むために、学校、家庭、地域、企業などと連携を図りながら、子どもの発達段階とニーズに応じたさまざまな教育施策を講じているところでございます。今後とも、教育委員会としましては、学校と一体となって子どもたち一人一人の持つ能力やよさを引き出すことができるように取り組んでまいります。  次に、少人数学級などの指導体制のあり方についてでありますが、新しいふくおかの教育計画にのっとり、確かな学力の向上を目的に、小中学校9年間の発達段階に応じた指導体制を整備し、現在、小学校1年生から4年生まで、また、学校の選択により中学校1年生におきまして少人数学級を実施しているところでございます。いじめ問題の対応など教員が子どもたちと正面から向き合う教職員体制をより充実させていくためには、少人数学級やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの役割は重要であると考えておるところであり、引き続き国に拡充の要望を行ってまいります。  次に、いじめの問題などで必要な学校には教職員を加配すべきとの御指摘でありますが、現在、児童生徒の状況に応じて特別な生徒指導などが必要な場合には、一定の加配措置が行われているところでございます。また先般、文部科学省が策定した、いじめ、学校安全等に関する総合的な取組方針におきまして、教員が子どもと正面から向き合える体制を整備するための教職員定数改善や、幅広い外部専門家を活用した教育相談体制充実のためのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置拡充が示されているところであり、その動向を注視してまいりたいと考えております。以上でございます。 82 ◯副議長(大石修二) 中島保健福祉局長。 83 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 生活保護に関しまして、まず私のほうからお答えいたします。  老齢加算の復活やエアコン購入費の支援を行うよう国に求めるとともに、市独自でこれらの支援を行うべきであるとのおただしについてでございますが、繰り返しになりますが、生活保護はナショナルミニマムとして全国一律の基準で運営されるべき制度であり、加算を含む生活扶助基準額など国民の最低限度の生活の保障基準に関する事項については、国の責任により制度運営されるべきものであると考えております。なお、このことを踏まえ、福岡市におきましては、生活保護基準について、社会、経済、生活環境の変化や地域事情を的確に反映するよう国に提言を行っているところでございます。  次に、生活保護相談の窓口対応につきましては、各区での対応状況を保健福祉局保護課が実施する定期監査において確認し、指導、助言を行うなど適切な対応の徹底を図っております。また、生活保護制度の広報につきましても、市の広報媒体の活用や民生委員、地域、市の他部局との連携を図りながら周知に努めているところであり、今後とも必要な方が保護を受けることができるよう適正実施に努めてまいります。以上でございます。 84 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 85 ◯市長(高島宗一郎) 私は、次世代を担う子どもたち一人一人が相手をいたわり、そして、思いやる心を育み、そして、いじめのない学校の中で知、徳、体の調和のとれた生きる力を身につけてたくましく育ってほしいというふうに思っています。そのために、今後とも教育委員会の意見を聞きながら、教育予算の充実を図り、教育施策の推進に努めていきたいと考えております。  それから、生活保護につきましては、近年の経済不況に伴って失業を理由とするその他世帯の増加が大きな課題となっておりまして、福岡市では福岡市生活保護課題検討委員会で、平成23年度からの3カ年の取り組み方針と目標を定めて、就労支援や雇用施策の推進による自立支援の促進、不正受給の防止や医療扶助の適正を図る適正実施の推進、ケースワーカーの適正配置などの業務執行体制の整備を進めているところでございます。また、国に対しても指定都市市長会などで、働くことができる人は働く社会、頑張る人が報われる社会に向けて制度の抜本的改革などの提案の実現を働きかけております。  生活保護制度が最後のセーフティーネットとして今後も有効に機能していくためには、制度に対する市民の皆さんの理解と信頼が必要でございまして、取り組み方針で定めた生活保護世帯に対する自立支援や適正実施などに全力で取り組み、本当に必要な方が受けられる生活保護の実施に努めてまいります。以上です。 86 ◯副議長(大石修二) 尾花康広議員。 87 ◯17番(尾花康広)登壇 私は公明党福岡市議団を代表し、福岡市が目指すべき目的及び目標の設定、随意契約の一元管理による歳出の適正化の2点について質問いたします。  まず、福岡市が目指すべき目的及び目標の設定についてですが、職員の不祥事が頻発し、市民の行政への不信感は残念ながら高まっていると考えられます。その対策として、1カ月間の禁酒令や懲戒処分の指針の厳罰化などの具体策が講じられましたが、これは悪いことをすると連帯責任、厳しい処分を科しますよといった強制受動的なものであり、これでは職員の方が萎縮し、やる気を失ってしまうのではないか、そもそも職員不祥事が頻発する背景には、局優先の論理、大規模な都市にありがちなセクト主義で市民不在の施策展開がなされてはいまいか、市民のためにという本来の目指すべき市政のベクトル、方向性が見失われてはいまいか、いま一度再考する必要があるように思えてなりません。  そこで、原点、市政は市民の幸せのためにあるに返るべく、市政が目指すべき目的を明確に設定するなどといった自発能動的な取り組みへと転換が図られるようお尋ねしてまいります。  今年度になってからの職員の懲戒処分の発生状況、うち役付職員の占める割合はどうなっていますか。また、1カ月禁酒令や懲戒処分の指針の厳罰化を打ち出した後の職員の不祥事の発生状況をお示しください。  市政が目指すべき目的を達成するためには、施策の成果指標というものがとても重要です。それを大別すると、行政が何をしたかというアウトプット、結果と、行政の施策の結果どれだけ市民生活に寄与できたかのアウトカム、成果というものがあります。アウトカムは、客観的なデータの場合もあれば市民の実感によるものもあります。例えば、保育所を整備することはアウトプットです。それにより待機児童が解消されることがアウトカム、子育てしやすいまちだと感じる市民の割合が実感によるアウトカムです。  現在、私も委員である総合計画審議会において新たな基本計画の成果指標について議論し、中間段階の取りまとめとして原案を発表したところですが、本市の施策の成果指標の決定方法と総合計画の成果指標の全体数及びアウトプット、アウトカム、うち実感によるものの比率をお知らせください。  次に、随意契約の一元管理による歳出の適正化についてですが、随意契約は契約の原則である競争入札の例外方式であり、随意契約は割高な価格等で契約を許可したものではなく、適正な価格によって契約を締結すべきということは、競争入札と何ら変わりはありません。真に随意契約によらざるを得ないものか、法令等に定める要件に合致しているかを厳格に見きわめる必要があると思います。今後、本市の財政状況が逼迫する中、歳出のより一層の適正化を図るため、前例の踏襲などといった安易な随意契約が行われてはいまいか、社会、市民ニーズに即した契約の発注が行われているのかを今しっかりと見直す必要があると思います。  そこでお尋ねいたしますが、本市の今後10年間の財政の見通し、特に重要事業の推進や新たな課題への対応に使える財源がどうなるのか、簡潔にお示しください。最近1年間の本市の契約における随意契約の占める実績と割合を契約の種類別にお示しください。地方自治法施行令や地方公営企業法施行令の規定による障がい者就労施設等からの物品調達、役務提供、シルバー人材センターからの役務提供において、最近3年間の実績と随意契約全体に占める割合をお答えください。  保健福祉局では年1回、各局へ障がい者就労施設等への契約の発注のお願い通知文を出し、同時に実績報告を求められているようですが、過去3年間の受注した施設の実数と施設の全体数に占める割合をお示しください。あわせて障がい者就労施設等の利用者の平均工賃、月額の3年間の推移をお答えください。  規程を改定し、平成12年10月1日以降、予定額が10万円以下の物品購入は1社の見積もりで可、すなわち特命随意契約でよいことにした理由は何か、お尋ねいたします。そもそも福祉目的の随意契約は目標を設定して取り組んでおられるのか、福岡市契約事務規則の第22条の2、随意契約の内容等の公表をどのように履行しているのか、お答えください。  今国会において、障害者優先調達推進法が成立いたしましたが、その概要と、これから障がい者就労施設等への調達目標と実績を明確にする必要が求められますが、本市の対応について御所見をお伺いいたします。  全ての契約において予定価格の作成、見積書の徴収、契約の相手先の決定、契約書の作成、検査など一連の契約事務が適正になされているか、統括する部署はどこか、お伺いいたします。  本市には財務会計システムというPCシステムが稼働しておりますが、その導入目的、開発、運用経費、活用のされ方をお答えください。特に、そのシステムで全ての契約において一連の契約事務が適正になされているのか、チェックできるのか、お伺いいたします。  以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。 88 ◯副議長(大石修二) 貞刈総務企画局長。 89 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) まず、平成24年度におけます本市職員の懲戒処分の状況に関するお尋ねでございますが、懲戒処分事案は8件、処分者数は9名となっており、このうち役付職員は6名で全体の約67%となっております。また、自宅外飲酒に関する通知を発出した平成24年5月21日以降の不祥事の発生状況につきましては、港湾局係長による盗撮事案がございますが、この事案は平成22年7月ごろから約2年間にわたり同様の犯行を繰り返していたものでございます。  次に、懲戒処分の指針を改定し、厳罰化を図った平成24年7月1日以降につきましては、職員の不祥事事案は発生しておりません。  次に、基本計画における施策の成果指標についてのお尋ねでございますが、新しい基本計画の策定につきましては、福岡市総合計画審議会に諮問し、御議論いただいているところでございます。施策の成果指標につきましては、施策に取り組むことにより実現を目指す水準を具体的に示すものとして設定するものでございます。審議会の事務局として指標の案を作成するに当たりましては、施策の成果をあらわす代表的なもので、データの把握が可能なものを所管局と協議しながら選定し、審議会にお示ししているところでございます。  次に、成果指標の総数と構成割合につきましては、成果指標の総数が88ございまして、事業の活動実績をあらわす指標であるアウトプット指標が約3%、施策の成果をあらわす指標であるアウトカム指標が約97%、アウトカム指標のうち市民がどのように感じているかをあらわした指標が全体の約23%という構成割合となっております。以上でございます。 90 ◯副議長(大石修二) 阿部財政局長。 91 ◯財政局長(阿部 亨) 随意契約の一元管理による歳出の適正化に関する御質問にお答えをいたします。  まず、今後10年間の財政見通しにつきましては、歳入面では内閣府が試算したGDPの見込みを前提といたしますと、市税収入は大きな伸びが期待できないことなどから、今後の一般財源の見通しにつきましては、平成24年度当初予算と同程度の3,900億円前後で推移するのではないかと考えております。一方、経常的な歳出につきましては、高齢者や障がい者などの増加に伴います社会保障関係費の増嵩や公債費の高どまり、公共施設等の維持管理経費等の増などで、平成24年度当初の予算約3,588億円から平成34年度には約4,162億円と約16%増額する見込みとなってございます。このため、重要事業の推進や新たな課題への対応のために使える財源が今後大幅に減少する見込みとなっておりますので、歳入の確保や経常的経費の見直しを行うとともに、投資の選択と集中を図るなどにより財源の確保に取り組んでまいります。  次に、本市におけます平成22年度の契約種類別の随意契約の占める割合でございますが、財政局契約課、水道局契約課、交通局経理課において契約した実績で申し上げますと、工事は合計で件数が2,387件、契約金額が726億円余で、このうち随意契約の件数は450件、契約金額は79億円余となっており、随意契約の占める割合は件数ベースで18.9%、契約金額ベースで10.9%となっております。委託は、合計で件数が1,024件、契約金額が68億円余で、そのうち随意契約の件数は313件、契約金額は29億円余となっており、随意契約の占める割合は件数ベースで30.6%、契約金額ベースでは42.6%となっております。物品は、合計で件数が2,421件、契約金額が54億円余で、このうち随意契約の件数は1,956件、契約金額は25億円余となっており、随意契約の占める割合は件数ベースで80.8%、契約金額ベースで46.3%となっております。工事、委託、物品の契約合計では、件数が5,832件、契約金額が848億円余で、そのうち随意契約の件数は2,719件、契約金額は133億円余となっており、随意契約の占める割合は件数ベースで46.6%、契約金額ベースで15.7%となっております。  次に、10万円以下の物品購入を1社見積もりでよいとした理由でございますが、平成12年4月に外部の有識者で構成されました経営管理委員会の提言がございまして、すぐやることの項目の中で少額物品の購入手続の簡素化が提言されております。平成12年10月から10万円以下の物品購入について、2人以上の見積もりから1人の見積もりでも可能であるというにしたものでございます。なお、10万円以下の物品購入の際には、一部の業者に偏らないように業者選定を行うこと、選定した業者の見積額が適正な価格と認められるときに1人の見積もりで可能とする旨を文書で周知いたしますとともに、各所属を指導いたしております。  次に、福岡市契約事務規則第22条の2に規定いたします随意契約の内容等の公表についてでございますが、受注機会の均等、透明性及び公平性を確保するため、地方自治法施行令第167条の2第1項第3号の規定によりまして、障がい者就労施設等と随意契約するときの内容等の公表について定められております。公表の方法といたしましては、財政局契約課におきまして発注課に発注見通し及び契約内容を照会し、4月、7月、10月、1月の年4回、インターネットや情報プラザなどで調達予定情報を公表いたしております。また、契約の相手方などの決定方法や選定基準、結果等の公表については、各発注課において閲覧や掲示などの方法で公表いたしております。  次に、一連の契約事務を統括する部署でございますが、契約事務につきましては、財政局財政部契約課、検査事務につきましては財政局技術監理部検査課が統括担当部署でございます。  最後に、財務システムにより全ての契約がチェックできるかとのお尋ねでございますが、財務会計システムの中に契約管理システムを構築いたしておりますが、この契約管理システムは業者選定から入札結果までの経緯に係る情報を入力し、保管するシステムでございます。このシステムは、主に契約課が所掌する契約関係について使用いたしておりますけれども、全ての契約を適正になされているかどうか、チェックする機能は備えていないところでございます。以上でございます。 92 ◯副議長(大石修二) 中島保健福祉局長。 93 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 障がい者就労施設等との随意契約に関する御質問にお答えします。  まず、福岡市における障がい者就労施設等及びシルバー人材センターとの随意契約の件数と金額につきましては、まず、障がい者就労施設等との契約は平成21年度契約件数159件で約1,246万円、22年度は158件で約432万円、23年度は160件で約835万円となっております。なお、平成22年度以降の契約実績が大きく減少しておりますのは、クリーニングを発注している市民病院とこども病院が福岡市立病院機構による運営に移行したことによるものであり、同年度以降も引き続き障がい者就労施設等に発注を行っております。  次に、シルバー人材センターとの契約は、平成21年度が契約件数211件で約4億300万円、22年度は210件で約3億8,700万円、23年度は202件で約3億9,100万円となっております。  次に、障がい者就労施設等及びシルバー人材センターとの随意契約が福岡市の随意契約全体に占める割合については把握しておりません。  次に、過去3年間に福岡市から受注した障がい者就労施設等の実数につきましては60施設であり、平成23年度末の福岡市の施設数全体に占める割合は約44%となっております。障がい者就労施設等利用者の1カ月の平均工賃の3年間の推移につきましては、平成21年度は約1万2,000円、22年度は約1万2,400円、23年度は約1万4,100円となっております。  次に、福祉目的である障がい者就労施設等及びシルバー人材センターとの随意契約の件数と金額等につきましては、実績は把握しているものの、あらかじめ目標は設けておりません。  最後に、障害者優先調達推進法の概要につきましては、国や地方公共団体などが障がい者就労施設等に対して物品や役務の受注機会をふやすこと等により障がい者の就労を通じた自立支援を目的とするものであります。この目的を達成するため、地方公共団体等には障がい者就労施設等の受注機会の拡大を図るための措置を講ずるよう努める責務が課せられ、調達目標を含む調達方針を作成し、公表するとともに、調達実績の概要も公表することとされております。障害者優先調達推進法への対応につきましては、法施行が平成25年4月であり、現在のところ、国により実施の詳細が示されていないため、今後の国の動向に留意するとともに、障がい者の自立支援という法の趣旨を踏まえて関係局間において協議を行ってまいります。以上でございます。 94 ◯副議長(大石修二) 石田会計管理者。 95 ◯会計管理者(石田佳久) 財務会計システムの導入目的などに関しますお尋ねでございますが、財務会計システムは業務の効率化や事務処理の正確性の向上を図ることを目的に平成20年度に導入したものでございまして、各職員が日常利用しております全庁約7,500台のパソコンを端末機としまして、予算の執行から決算に至る会計処理を行っているものでございます。このシステムを利用しまして、収入支出関係帳票の作成、支出命令書等の審査、予算執行状況の管理や契約情報の入力を行うほか、備品や公有財産等の台帳管理、決算書の作成なども行っているところでございます。システムの開発経費は2億7,100万円余で、運用経費はシステムの作動管理やシステムの障害への対応等を行うための委託経費として年間1,000万円余、そのほか、サーバー機器の賃借料が年間3,400万円余となっております。以上でございます。 96 ◯副議長(大石修二) 尾花康広議員。 97 ◯17番(尾花康広) 2回目の質問に入ります。  まず、福岡市が目指すべき目的及び目標の設定についてですが、成果指標づくりの先進自治体である東京都荒川区の視察調査を行いました。区役所の総合案内所の壁面に、区政は区民の幸せのためにあるシステムであるという西川太一郎区長の直筆の書が額におさめられ、飾られており、これはGDP、国内総生産のような物質的な豊かさや経済効率だけではなく、区民一人一人が真に幸福を実感できるようなまちを目指していくことが区政の役割であることを明示したものです。本のしおりにもなり、この価値観は区民の間でも広く共有されておりますが、この理念を施策として実現するため、幸福実感都市あらかわのスローガンのもと、荒川区民総幸福度、GAH、グロス・アラカワ・ハピネスと言われていますが──の指標づくりが行われておりました。子育て、保育の指標案だけでも驚くことに、1.子育ての理想、2.子育て支援、3.経済支援、4.環境、5.コミュニティ、6.安全、安心、7.広報の7つの領域と13分野のカテゴリーに分かれ、その施策の進捗状況を24の指標で検証することになっています。施策の成果指標をアウトプットだけではなく、アウトカム、さらには幸福度、市民の幸福実感にまで高める取り組みが既に36回に及ぶ総幸福度指標に関する市民アンケートからもうかがえるように、真剣かつ意欲的、そして継続的に行われていることにとても感服いたしました。  この指標づくりで主体的な役割を果たしているのが、西川太一郎区長みずからが理事長を務める荒川区自治総合研究所というシンクタンクであり、そこでは総幸福度の研究のみではなく、地域力研究プロジェクト、仮称、親なき後の支援に関する研究プロジェクト、CS(顧客満足度)と職員モチベーションに関する研究プロジェクトなど、基礎自治体にふさわしい地に足のついた研究が行われております。  また、総幸福度に関する研究の検討には現場感覚が必要ということで、事務職、保健師、保育士、建築職、土木職などのさまざまな分野の区職員も参加しており、保育士の職員の方の例を挙げて説明を受けましたが、総幸福度のワーキンググループに参加することにより、子どもを預かるということだけではなく、子どもの幸せ、親の幸せにまで思いをはせ、広い視野に立って自分の仕事に取り組むことができるようになったと職員の意識改革にも着実につながっております。最近では、総幸福度に取り組んでいると伺い、人気の高い港区や渋谷区などではなく、荒川区を希望してまいりましたと職員を志望する動機の一つにもなり、区民の方からも総幸福度に取り組んでから職員の方が生き生きしていますね、明るくなりましたね、私たちも一緒に頑張りますと荒川区にいる人や団体などが一緒に荒川区をよくしていこうという運動につながっているのが特徴とのことです。
     そこでお尋ねいたしますが、本市のシンクタンクである福岡アジア都市研究所のこれまでの研究で成果指標を研究したことがあるのか。福岡アジア都市研究所に係る過去3年間の経費の概要及び研究テーマの設定方法、検討体制、特に現場職員のワーキンググループによる参加という手法を用い、取りまとめた成果物はどのぐらいあるのか、お示しください。  荒川区にはもう一つ特徴的なものがあります。荒川ビジネスカレッジです。前区長や助役の汚職という不祥事を受け、区民の幸せを実現するための人材育成機関として、一人一人の職員が広い見識と高い能力を身につけ、自信を取り戻してほしいとの思いから現区長と副区長が退職金をなげうち、平成17年に設立したものです。本科コースは2年間で、1年次は教養課程として各界の第一線で活躍している方を招聘しての講義、2年次はゼミ課程で行政職員としての生き方や仕事の仕方などを学ぶことができます。その他に管理職と係長コースに分かれる大学院、資格が取れる講座を開講している実務専門課程、100を超える講座が用意されている通信教育支援コースがあります。この荒川ビジネスカレッジがあるので荒川区を希望しましたと、これも荒川区の職員を志望する動機の一つになっているほどの充実ぶりです。  そこでお尋ねいたしますが、本市はどのような職員の人材育成に取り組んでおられるのか、荒川区のような組織内大学として定着している人材育成機関が存在するのか、お答えください。  荒川区は、非常勤職員制度の改革にも取り組んでいます。統一基準に基づく採用、能力、技量、責任に応じた職層の新設、職責に見合った処遇への改善、常勤職員に準じた勤務評定の実施、必要とされる能力の向上を目指した研修の実施、常勤職員に準じた福利厚生などです。特に驚いたことは、1週間の勤務時間が合計で40時間に満たない範囲で超過勤務も命ずることもできるようになっており、区政の一翼を担う非常勤職員がより一層の力を発揮できるよう環境の整備、充実が図られております。  東京都武蔵野市も視察調査してまいりました。武蔵野市では、団塊の世代の大量退職によりこの5年間で職員の3分の1が入れかわり、組織風土が大きく変化する中で、武蔵野市が大切にしてきた市民生活に根差した市政運営の伝統を継承することが必要であることから、武蔵野市職員行動指針が平成22年11月3日に制定されておりました。特筆すべきは、行動指針の制定過程をとても大切にしたことであり、単なる職員からの意見聞き取りのみではなく、部課長個別インタビュー、主事から課長補佐に至るワールドカフェ方式によるテーマ別ミーティング、むさしのCAFE NEWSによる行動指針制定過程の速報など、職員みんなで一丸となってつくりましたと制定に携わった人事担当者の職員の方が胸を張って説明されておりました。また、制定後は指針の各職場でのポスター掲示、職員証の裏面への印刷などの工夫がなされ、この職員行動指針が平成24年2月策定の武蔵野市人材育成基本方針の人材育成基本理念にも取り入れられています。  そこでお尋ねいたしますが、本市の定年退職者の過去5年と今後5年の10年間の推移、予測とこの10年間で何割の職員が入れかわることになるのか、お示しください。本市において、武蔵野市のような市政運営の伝統を若い世代に継承する職員行動指針のようなものは策定されているのか、お答えください。  次に、随意契約の一元管理による歳出の適正化についてですが、過去において、議会などで福祉目的の活用を再三にわたって訴えてきたにもかかわらず、過去3年間の障がい者就労施設等に対する発注状況は約160件と横ばい状態で、シルバー人材センターの発注状況は件数、金額とも減少傾向にあります。詳細を調べると、件数ベースで水道局は50.3%、交通局は82.8%という高い割合で随意契約が行われているにもかかわらず、シルバー人材センターへの発注は2つの局ともゼロ件、障がい者就労施設等への発注は水道局4件、交通局1件と3年間の累計でたったこれだけですから、とても少ないことに心の底からがっかりいたします。これは先ほど申し上げましたが、前例の踏襲などといった安易な随意契約の締結が行われ、社会、市民ニーズに即した契約の発注が行われていない、契約に関して全くガバナンス、マネジメントというものが働いていない一つの証拠となり得るのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  よく行政の担当者の方が、障がい者就労施設等に発注しても品物の数量がそろわず納期に間に合わないと施設側に問題があるような言われ方をします。しかし、私が複数の障がい者施設にお尋ねしたところ、不況のさなか、市から注文いただくことは涙が出るほどありがたいことです。できれば突然の発注、短い納期ではなく、事前に発注の見通しがわかり、品物を納める十分な期間を見ていただけると幸いなのですが、と言われます。この行政と施設の認識の乖離、ずれはなぜ起こるのか。地方自治法施行令第167条の2第1項第3号によると、契約の発注見通しや契約内容、契約の相手方の決定方法、選定基準及び申請方法、契約締結後に契約の相手方の名称、契約の相手方とした理由などを公表しなければならないことになっており、その事務手続が面倒なので、その必要のない地方自治法施行令167条の2第1項第1号によっているのが実態で、保健福祉局や財政局はそれを知りながら容認しています。つまり、障がい者や高齢者の福祉よりも職員の事務簡素化に重きを置いている行政側の取り組みにこそ問題があり、早急に改善を行うべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。  本市の財務会計システムの活用のされ方も中途半端です。支出命令後の形式審査に力点が置かれ、契約のデータ入力さえ完全には行われておりません。早急に全ての契約データの入力が行われるよう改善すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。  随意契約の見直しに先進的に取り組んでいる愛知県碧南市を視察調査してまいりました。碧南市では、平成20年度から市税の大幅な減収により非常に厳しい財政状況となり、その大幅な歳入減への対応を財政調整基金の取り崩しで賄うといった現状が続いておりました。その危機感から過去の随意契約の実施状況を調査し、隣接する各市との比較において課題の洗い出しを行った結果、物件費が高い水準である実態が判明し、プログラム設計の技術を持った職員が独自でPCシステムを構築し、これまで課ごとに起案されてきた随意契約の情報を財務課で一元管理できる体制をつくりました。特筆すべきは、契約に関する会計法の基本原則を職員に徹底する碧南市随意契約に関するガイドラインの策定とあわせ、このPCシステムを利用することにより、随意契約における他市聞き取り状況、3市以上記載、聞き取りを終えての考察、随意契約業者との価格交渉経過や前年度対比などを記載した随意契約調書の作成を義務づけるなど、随意契約の透明性と適正化を担保する仕組みが徹底されていることであります。実績として、平成23年度予算要求時に随意契約を点検し、事務システム保守委託業務などで約6,000万円の経費削減の効果を上げておりました。また、平成20年度の随意契約が471件、約24億6,000万円でしたが、平成24年度末までに金額で20%、約5億円程度の削減を見込んでおります。  そこでお尋ねいたしますが、本市において、契約金額ベースで本来ならば競争入札に付す必要があるのに随意契約を締結した概要、過去3年間の金額と件数、また、その契約が適正であるかどうかをどのようにしてチェックしているのか、お答えください。  本市において、碧南市のように他の自治体からの聞き取り状況を3自治体以上入力しないと起案できない仕組みなどの随意契約調書の作成や、随意契約に関するガイドラインの策定の取り組みが行われているのか、お伺いいたします。  以上で2回目の質問を終わります。 98 ◯副議長(大石修二) 貞刈総務企画局長。 99 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) まず、福岡アジア都市研究所でこれまで成果指標の研究を行ったことがあるかという御質問でございますが、成果指標を用いた分析を行った研究はありますが、成果指標そのものを研究したことはございません。  次に、過去3年間の経費につきましては、平成23年度の事業活動支出の決算額は1億8,092万円余、平成22年度は1億7,453万円余、平成21年度は1億8,940万円余でございます。内訳は、平成23年度決算では都市政策に関する調査研究が822万円余、情報の収集、加工、発信が492万円余、人材の育成が182万円余、ネットワークの形成が1,690万円余、その他人件費等経費が1億588万円余、受託研究が4,316万円余でございます。研究テーマの設定方法につきましては、有識者や総務企画局企画調整部部長で構成される企画委員会において意見を伺いながら、市の中長期的な課題や主要施策などを参考に研究所で原案を作成しておりますが、その過程においては、関係局へのヒアリングや企画調整部との協議を随時行っております。調査研究の検討体制につきましては、過去3年間で14件の調査研究を行っておりますが、市職員を含むワーキンググループ方式を用いたのはそのうち6件でございます。なお、昨年度実施した総合研究2件は、いずれもワーキンググループ方式で実施いたしております。  次に、職員の人材育成については、人材育成の基本方針であります福岡市職員の人材育成・活性化プランに基づき、職員一人一人の意欲や能力を高めて行財政改革や政策推進の担い手としてふさわしい人材の育成を図ることや、職員が生き生きと仕事ができる職場にすることにより、さらなる市民サービスの向上を目指して取り組んでおります。  福岡市には荒川区のような組織内大学はございませんが、人材育成の役割は職員研修センターが担っております。職員研修センターにおいては、課長、係長などの階層ごとに求められる能力を身につける研修に加え、仕事の学び方、チームづくりの考え方、行動力を引き出すコミュニケーション手法などについての講座を実施し、毎年140回程度の研修に約6,000名の職員が学んでおります。また、各局においても、専門能力の向上や技術の継承を目的に技術職や保育士、保健師などの実務研修を実施しております。  次に、平成23年度までの過去5年間の実績及び平成24年度以降の今後5年間の予測を合わせますと、3,100人余りの職員が定年退職する見込みでございます。この10年間で約3割の職員が入れかわることとなります。  次に、本市の職員行動指針についてのお尋ねでございますが、平成24年5月に策定した飲酒運転等不祥事再発防止アクションプランにおいて、市職員の使命や誇り、行動規範、価値観などを共有するため、市職員としてあるべき共通理念を掲げる職員憲章を全庁横断的な職員の参加のもとで作成することとしており、現在、庁内にワーキングチームを設置し、検討を進めているところでございます。以上でございます。 100 ◯副議長(大石修二) 阿部財政局長。 101 ◯財政局長(阿部 亨) 随意契約の一元管理による歳出の適正化に関する御質問にお答えいたします。  まず、福祉目的の随意契約に関する御指摘でございますが、財政局におきましては、従来から年4回の調達予定情報の調査の際に、福祉目的の随意契約について周知に努めてまいりましたが、いまだ十分ではなかったものと考えてございます。今後、保健福祉局と連携し、福祉目的の随意契約について、さらに周知を図ってまいります。  また、少額案件に適用される地方自治法施行令第167条の2第1項第1号の規定に基づく随意契約のうち、障がい者施設等との随意契約につきましては、福祉目的の随意契約の周知を図りますとともに、調達予定情報での発注見通しの公表について今後検討してまいります。  次に、全ての契約データの契約管理システムへの入力につきましては、工事、委託、物品等に関する全ての契約データを集約し、契約実績の全体像を把握することは重要でありますことから、契約管理システムを活用して入力できるよう検討してまいります。一方で、各所管課の事務量が増大することから、各所管課が使いやすく効率的なシステムに改善する必要があると考えております。  次に、競争入札に付すべきであった随意契約の概要と契約が適正であるかのチェックについてのお尋ねでございますが、財政局契約課所管以外の随意契約につきましては、各局におきまして契約が行われていることから把握をいたしてございません。契約が適正であるかのチェックにつきましては、委託契約事務の適正な執行を図るために定めた福岡市の委託に係る契約事務手続に関する要綱に基づきまして、100万円を超える特命随意契約は各所管課でチェックリストによる自主的なチェックを行っております。さらに1,000万円以上の契約につきましては、各局に設置しております委託審査委員会におきまして、特命随意契約の是非及び業者選定の適否について審査を行っているところでございます。  最後に、愛知県碧南市のような随意契約調書や随意契約に関するガイドラインの策定を行っているかというお尋ねでございますが、福岡市におけます随意契約の適用要件や考え方につきましては、平成16年2月に各所属に通知をし、全庁OAの契約事務にも掲載をし、職員がいつでも閲覧できるようにいたしております。また、委託業務の実施に当たりましては、福岡市の委託に係る契約事務手続に関する要綱の中で委託業務に精通または類似した委託を実施している所属から情報収集を行うこととし、本市が委託の知識を有しないときには他の自治体に照会をするなど情報収集を行うこととしており、業務内容、設計、積算方法等の標準化を図るよう定めております。以上でございます。 102 ◯副議長(大石修二) 中島保健福祉局長。 103 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) 障がい者就労施設等との随意契約に関してお答えいたします。  まず、社会、市民ニーズに即した発注につきましては、保健福祉局としましては、これまでも障がい者就労施設等やシルバー人材センターへの発注促進を行ってきたところですが、とりわけ障がい者就労施設等につきましては、障害者優先調達推進法が平成25年4月に施行されることから、契約事務主管局とともに法に基づき障がい者就労施設等への調達方針を作成する中で福岡市における調達目標とその達成度の把握に努めてまいります。  次に、障がい者就労施設等への発注につきましては、契約が円滑に行われるよう各所属課に対しまして、障がい者就労施設等で提供できる物品、役務及び必要な納期などを収集、整理した情報を提供するとともに、発注する際には障がい者就労施設等の実情に配慮した条件とするよう依頼を行ってまいります。また、シルバー人材センターにつきましては、従来から各局へ業務の発注を依頼しているところでございますが、シルバー人材センターとして対応できる業務を掲載したチラシを添付するなど依頼方法を工夫してまいります。以上でございます。 104 ◯副議長(大石修二) 尾花康広議員。 105 ◯17番(尾花康広) 3回目の質問に入ります。  まず、随意契約の一元管理による歳出の適正化についてですが、これまで言及してきましたように、本市の一連の随意契約のスキームにおいて、残念ながら歳出の低減を図るとか、福祉目的に使うなどのガバナンス、マネジメントがとても働きにくい状態になっております。そこで、今後の財政見通しの逼迫した状況に鑑み、喫緊の歳出適正化策の一つとして具体的な提案をさせていただきます。  随意契約の要件の判断基準として、碧南市のような仮称、福岡市随意契約ガイドライン等を策定し、随意契約の透明性を確保し、契約事務の適正化を図るべきではないでしょうか。過去において締結した随意契約について、競争入札に付することがなぜできないのか、随意契約の要件に該当するかの視点で見直し、随意契約の要件に該当するものを除き、競争入札に移行すべきではないでしょうか。手始めとして、最近1年間の随意契約の実施状況を調査すべきではないでしょうか。  随意契約情報を財政局で一元管理するシステムを構築し、随意契約の事務の執行が適正になされているのか、福祉目的のために計画的な発注、契約情報の公表がなされているのか、事前と事後の審査をしっかり行う体制をつくるべきではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  最後に、福岡市が目指すべき目的及び目標の設定についてですが、福岡市の職員が市民のためにというベクトルを取り戻すためには、自分の仕事の目的、目標を再認識し、それが市民のためのまちづくりの目標につながっていることを実感できる取り組みがとても重要です。福岡市のまちづくりの目標については、成果指標も含め総合計画審議会で検討しておりますので、私も委員ですから、ぜひよいものにしていきたいと決意しております。福岡市としては、この計画の指標にとどまらず、市政が市民の幸福に寄与しているのか、アウトプット、アウトカム、さらには幸福度の実感をバランスよく組み入れた総幸福度指標、指標の最適化の検討に着手すべきではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。  また、福岡アジア都市研究所を名実ともに本市のシンクタンクとして職員向けのビジネスカレッジの一翼を担うなどもっとフルに活用すべきだと思います。荒川区のような基礎自治体にふさわしい、地に足のついた研究テーマの設定、現場感覚の必要性をもっと重視したワーキンググループ等の研究テーマの検討体制の整備、施策への反映の工夫を行うべきではないでしょうか。また、研修センターと研究所が連携して、研究所の豊富な研究成果と人脈を生かし、職員の人材育成を行ってもよいのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  今こそ、福岡市政は福岡市民の幸せのためにあるという根本目的を設定し、福岡市職員はそのために行動することを行動指針として制定し、市民への共感、共働につながる創意工夫を行い、高らかに宣言するべきではないでしょうか。福岡市の職員の方がやる気を取り戻し、人材として大切にされる取り組みが積極的に行われ、福岡市政が市民の幸福を実現するために正しく進んでいくことを願ってやみません。高島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。 106 ◯副議長(大石修二) 阿部財政局長。 107 ◯財政局長(阿部 亨) 随意契約の一元管理による歳出の適正化に関する御質問にお答えをいたします。  まず、愛知県碧南市のような随意契約に関するガイドラインを策定し、随意契約の透明性の確保と契約事務の適正化を図るべきとの御提案でございます。  先ほどお答えをいたしましたように、随意契約の適用要件や考え方につきましては、平成16年2月に各所属に通知しているところでございますが、随意契約を適正に実施されるように、よりわかりやすい取扱基準等の作成について取り組んでまいります。  次に、随意契約の実施状況の調査、随意契約情報の一元管理に関するシステム並びに審査体制の構築についてでございます。  随意契約の実施状況調査につきましては、過去の実施状況も含めまして、効果、効率的な調査方法について検討を行ってまいります。システムの構築につきましては、先ほど答弁をいたしました契約管理システムの再構築を検討するとともに、財政局で福祉目的の契約情報が把握できるように努めてまいります。システムの再構築や随意契約の調査、審査には多額の費用と人員を必要とすると考えられますことから、費用対効果を踏まえまして、内容を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 108 ◯副議長(大石修二) 貞刈総務企画局長。 109 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) まず、総幸福度指標の検討についてのおただしでございますが、本市におきましては、市民の市政に関する意見や評価を科学的、統計的に把握し、市政推進の基礎資料とすることを目的として、毎年4,500人の市民を対象に市政に関する意識調査を実施しております。その調査では、子育てのしやすさや自然環境の豊かさの満足度など福岡市の住みやすさについて調査しており、市として市民意識を継続的に把握するよう努めているところでございます。  議員御提案の幸福度指標の検討につきましては、荒川区で進められている幸福度指標づくりはまだ研究段階であると伺っておりますので、今後の研究結果や他都市の先進事例などを踏まえながら、本市として成果指標がよりよいものとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、福岡アジア都市研究所についてのおただしでございますが、福岡アジア都市研究所は昨今の社会環境の急激な変化や地方分権の進展等の状況の中では、自治体シンクタンクとして重要な役割を担うと考えております。しかしながら、議員御指摘のとおり、施策への反映など十分に研究所を活用できていないことは認識しており、昨年度より研究所の改革を進めているところでございます。今年度は政策立案や評価などに必要な情報の収集や加工、発信に力を入れるために情報戦略室を設置したところであり、市政に役立ち、ひいては市民のためになるシンクタンクを目指しております。ワーキンググループ方式は既に実施しておりますが、各局事業や政策立案にさらに活用できるよう職員の参加方法については工夫をしてまいります。また、研究所では短期研究員制度や都市セミナーなどにおいて職員を含めた人材育成事業を行っておりますが、議員御指摘のとおり、今後は職員研修センターと研究所との連携を強化し、研究所が持つさまざまな資源を人材育成にも十分に活用してまいりたいと考えております。以上でございます。 110 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 111 ◯市長(高島宗一郎) 福岡市が目指すべき目的及び目標の設定についてのお尋ねでございますが、市民の生活の質を高めて、そして、市民がこのまちに住み続けたいと感じて、そしてまた、幸せだと思うまちづくりをすることは何しろ大事だというふうに考えております。そのためにも、生活の質の向上と、そして都市の成長、このいい循環をつくり出していきたいということで、今いろいろな施策に取り組んでいるわけでございます。そしてまた、その担い手としてふさわしい人材を育成しますとともに、職員の仕事へのモチベーションを向上させていくことがまさに不可欠だろうというふうに思います。このために、福岡市職員としてあるべき共通理念を掲げる職員憲章の早期策定を行いまして、全ての職員が一丸となって市民のための市政を進めていく指針としていきたいと考えています。また、福岡市では人材育成の基本方針である福岡市職員の人材育成・活性化プランを策定して積極的な人材育成を行っておりまして、平成24年度にはキャリア能力開発や女性職員の活躍推進のための新たな人事制度を導入するなど職員の能力向上に向けてきめの細かい人材育成にも取り組んでおります。  今後は、さらに頑張った職員がより評価される人事制度の検討や、研修体系の見直しなどに取り組み、モチベーションや職務遂行能力をより高めて、尾花議員御指摘のとおり、職員一人一人が市民の幸福の実現のため、自律的に挑戦できる市政の実現を図っていきたいと考えております。以上です。 112 ◯副議長(大石修二) この際、休憩し、午後3時10分に再開いたします。                                         午後2時57分 休憩                                         午後3時10分 開議 113 ◯議長(森 英鷹) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。大森一馬議員。 114 ◯3番(大森一馬)登壇 私は自由民主党福岡市議団を代表して、暴力団排除について、生活保護について、福岡市民病院のあり方について、東京圏バックアップについての4項目について質問いたします。  まずは、暴力団排除についてお尋ねいたします。  飲酒運転、性犯罪、暴力団の3つが福岡市においては3悪と言われ、大きな問題となっておりますが、本日は暴力団について質問いたします。  本年3月末現在、暴力団対策法に基づく指定暴力団として全国で21の団体が指定されております。この21の団体のうち、主たる事務所の所在地が福岡県内である団体は全国で最多の5団体となっております。これらの指定暴力団を含む暴力団情勢としては、昨年12月末現在で福岡県内では約170の組織、約2,030人の構成員等が、そのうち福岡市では約60の組織、約1,000人の構成員等が活動している状況であります。  このような中、福岡県内において発砲事件や爆発物事件などが相次いで発生しており、市民生活を脅かすとともに、公正な経済活動にも支障を来しているものであります。平成23年度より県警OBであります大野副市長のもと、県警及び関係機関と緊密に連携し、安全、安心のまちづくりに向けた施策を着実に推進されているものと思いますが、一朝一夕に解決するような問題ではありません。  そこで、福岡県内での発砲事件や爆発物事件等の発生状況及びそのうち福岡市内での発生状況をお尋ねします。また、発砲事件や爆発物事件等が発生した場合に、市民の安全のために福岡市は地域や学校にどのように周知し、どのように対応しているのか、お尋ねいたします。  次に、生活保護についてお尋ねいたします。  平成24年度予算において、生活保護費は約780億円、一般会計予算の10.2%を占め、本市の最重要課題となっていると考えております。また、本年4月ごろから芸能人の扶養義務がマスコミ等において大きく取り上げられ、生活保護制度が注目を浴び、誰もが関心を持つ大きな課題と認識されるに至っております。そもそも生活保護制度は、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度として昭和25年から現在まで、その時々の社会情勢に応じて運用されながら、我が国の社会保障制度の中でとりわけ重要な役割を担ってまいりました。  しかしながら、現在、少子・高齢化や経済不況に伴う雇用情勢の悪化など、社会環境は大きく変化しており、セーフティーネットとしての生活保護制度もそのあり方が問われているところであります。平成20年秋、いわゆるリーマンショックが起こり、大変な経済不況に見舞われ、その年末にはいわゆる年越し派遣村のニュースが大きく報道され、注目を浴びておりました。  リーマンショック以後の経済不況によって派遣労働者などを中心に失業者が増加し、職を失うと同時に、住宅を失う方も増加し、再就職もかなわないため、最終的にはいわゆるホームレスになってしまったという方も多くいたようです。そういうホームレスの方などに対して救済するなどと称して住居をあっせんし、生活保護を受給させた上で、受給者の預金通帳と印鑑を預かる、しかもその住環境や食事は劣悪で、中には部屋同士の行き来や私語も禁止し、不満を口にすると暴言などを浴びせ威圧し、管理して囲い込む、いわゆる貧困ビジネスも社会問題化しています。  そこで、こういったいわゆる貧困ビジネスの存在が他都市などで報道されておりますが、このような事例について本市では確認されているのでしょうか。また、貧困ビジネスに関連して、生活保護受給者が利用し、住宅の提供以外に何らかの料金を徴収している施設で法的位置づけのない施設の状況調査を厚生労働省が実施しているようですが、本市の調査結果を教えてください。また、このような劣悪な環境の施設に入居している場合の救済策としてどのようなものがあるのでしょうか、お尋ねします。  次に、福岡市民病院のあり方についてお尋ねします。  福岡市民病院につきましては、平成元年5月に現在の地で開院して23年が経過しておりますが、本年7月に開院後、初めて医業収支が黒字化したとの記者発表がありました。市民病院の経営改善については、これまでも病院事業運営審議会や議会の中でも議論があってきたところであり、党としても平成20年9月議会において、継続的に良質な医療をより効率的に提供できる安定した病院経営を行うべきであり、市民病院については地方独立行政法人へ移行後に検証及びその結果を経て、そのあり方について検討することについて決議を行ったところであります。こうしたことを受けまして、市民病院はこども病院とともに、平成22年4月に地方独立行政法人に移行し、経営の効率化に精力的に取り組まれてきたと伺っております。  そこで、まずお伺いしますが、今回、開院後初めて医業収支が黒字化したことについて、地方独立行政法人化したことによる効果があらわれたのではないかと考えますが、地方独立行政法人化する前とした後の医業収支の変化はどのようになっているのか、また、法人化に伴うどのような見直しが医業収支の黒字化に結びついたと考えているのか、あわせて医業収支が黒字となっている政令指定都市の公立病院はどの程度あるかについてお尋ねします。  また、今回の医業収支の黒字化に関する報道の中で、福岡市民病院長の話として高度専門医療機関としての性格を強めたことが収支改善につながったという紹介がされておりますが、市民病院が取り組んできた高度専門医療機関としての性格を強めたとは具体的にはどのような取り組みなのか、お答えいただきたいと思います。  次に、東京圏バックアップについてお尋ねいたします。  昨年3月に発生した東日本大震災は、我々の想像を絶する甚大な被害をもたらした未曾有の大災害でありました。そして、今後も発生が予想される災害等に対して、我々は東日本大震災の教訓を生かし、直ちに危機管理体制を構築しなくてはなりません。本年8月29日には内閣府中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが、南海トラフ巨大地震の被害想定について一次報告を行い、新聞やテレビなどにおいてもその被害想定結果が大きく報じられておりました。最悪のケースを想定した場合とのことではあるものの、東海、近畿、四国、九州、それぞれに極めて甚大な被害が予想され、死者は最大で32万人とされる被害想定を見ると、直ちに可能な対策は全て講じておく必要性を改めて感じたところです。  どのような地域にあっても災害対策を行うことは不可欠ですが、特に東京圏が被災した場合には行政や経済の中枢機能が集積していることから、それが停滞することで日本全体に多大な影響を及ぼすという別の大きな課題が生じます。さらに、東京圏に予想される地震災害は、先ほど述べた南海トラフ巨大地震だけでなく、内閣府中央防災会議で議論されているように首都直下地震の発生も懸念されていることからも、その対策の必要性は極めて高いものであります。東京圏が被災した場合でも我が国全体としての社会、経済活動が円滑に進められるようにし、国民の生命や財産を守るためにはどうすればよいのでしょうか。私は、このような事態に対する方策の一つとして、東京圏に集中している行政や経済の中枢機能を別の場所でバックアップするということが不可欠だと考えています。  我が自民党も今国会において、国土強靭化基本法案を提出し、首都機能バックアップ体制強化の必要性を提起しております。この東京圏バックアップに向けた動きについては、我が自民党市議団の伊藤議員が、昨年市に対して質問をしているところですが、この喫緊の課題について、それ以降国や市も含めてさまざまな状況の変化等があると思いますので、改めて質問いたします。  本年7月に示された内閣府防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループの中間報告においては、福岡市が大阪や名古屋、仙台、札幌などと並び首都直下地震があった場合における政府の代替拠点の候補地として挙げられておりました。昨年、伊藤議員の質問にもお答えになっていたとおり、福岡市のバックアップに関する地理的優位性なども踏まえると、これは非常に喜ばしい動きではないかと受けとめております。市のホームページでも「バックアップ機能はAAAの福岡に」という資料が掲載されておりますが、実際、福岡市においても昨年以降、バックアップ機能誘致に向けた関係機関へのPRを行っているものと承知しております。  そこで、まず東京圏バックアップに関する国の議論の概要や、現在福岡市が行っている取り組みなどの現状についてお伺いいたします。  以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問いたします。 115 ◯議長(森 英鷹) 四宮市民局長。 116 ◯市民局長(四宮祐司) 暴力団排除につきまして、福岡県内における発砲、爆発物事件等の発生状況についてお答えいたします。  平成23年から平成24年7月末までに福岡県内で発生しました発砲、爆発物事件及び暴力団抗争と思われる事件等は、合計で31件でございます。そのうち、福岡市内においては平成23年3月に東区と中央区で発生しました民間会社役員等の自宅に対して手りゅう弾が投げ込まれた事件、平成23年9月及び平成24年4月に東区の住宅地にて発生しました指定暴力団幹部を襲撃した発砲事件を含め、6件であります。  次に、発砲事件、爆発物事件を含めて市民が不安を感じる事件などが発生した場合における地域、学校への周知でございますが、事件情報については緊急に地域及び学校へ情報提供を行う必要があるため、事件発生後、速やかに関係課へ連絡するとともに、区役所、教育委員会を通じて地域及び学校へ事件情報を提供いたしております。  次に、発砲事件、爆発物事件等が発生した場合における福岡市の対応でございますが、事件発生の一報を受けた後、速やかに市長、危機管理監であります大野副市長、関係区役所、教育委員会へ事件の発生状況を連絡するとともに、警察からの情報収集に当たっております。また、市民局、区役所に配置いたしております青色回転灯装備の庁用車によるパトロールを小学校の登下校時に合わせて実施することによる児童生徒の見守りを行うと同時に周辺地域住民の見守りを行っております。以上でございます。 117 ◯議長(森 英鷹) 中島保健福祉局長。 118 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) まず、生活保護に関する御質問にお答えいたします。  貧困ビジネスの存在についてでございますが、福岡市では、現在のところ御指摘のような事例は確認されておりません。  次に、法的に位置づけのない施設についての調査についてでございますが、平成22年7月に厚生労働省の依頼に基づき、社会福祉各法に法的位置づけのない高齢者やホームレス、アルコール依存症の方などを対象とした施設への生活保護受給者の入居状況調査を行っており、その結果、市内19施設に267人の保護受給者が入居している状況が判明しております。  次に、劣悪な環境の施設に入居している場合の救済策についてでございますが、生活保護制度の運用に当たっては、施設等の住環境が著しく劣悪な状態であることが確認された場合について、より適切な他の施設や住居への転居を促し、転居費用を支給することとされております。なお、住環境の確認に当たっては、施設側からの圧力などを避けるため、面談方法を工夫するなど本人の真意が確認できるよう配慮を行っております。また、現在法的に位置づけのない住居と有償の生活サービスをセットで提供する事業に対して、届け出義務の創設や事業の適正な運営の確保のための法制度が議員立法で検討されている状況と聞いており、制度化された場合には法に基づく規制や指導がなされることとなります。  次に、福岡市民病院のあり方に関する御質問にお答えいたします。  まず、市民病院の地方独立行政法人化前後の医業収支についてでありますが、法人化直前の平成21年度は4億4,094万円余の赤字、法人化初年度の平成22年度は9,158万円余の赤字、法人化2年目となる平成23年度は9,529万円余の黒字となっております。
     次に、どのような見直しが医業収支の黒字化に結びついたのかとのお尋ねにつきましては、地方独立行政法人化に伴い病院経営に関する権限が大幅に移譲されたことによって、地方自治法等による職員定数の制約を受けなくなったことにより医療機能の強化、充実にあわせて採算性を確保した上で、医師、看護師等の増員など法人独自の判断による柔軟な人事管理が可能となりました。  一方、費用につきましても地方自治法による契約方法の制限を受けなくなったことから、外部コンサルタントを活用した診療材料の調達に係る価格交渉の徹底や、委託契約の見直しによる複数年契約の導入など、一層の費用削減の推進が可能となり、これらの見直しによりまして医業収支の黒字化を達成したものと考えております。  次に、医業収支の黒字を達成している公立病院はどの程度あるのかとのお尋ねにつきましては、医業収支に含まれている市からの負担金を除いた実質的な医業収支の状況で比較いたしますと、福岡市を除く政令指定都市にある43の公立病院のうち、平成22年度決算において医業収支黒字を達成しているのは、神戸市立医療センター中央市民病院のみでございます。なお、神戸市の中央市民病院につきましては、平成21年度に地方独立行政法人化へ移行したところであり、黒字の要因としましては、法人化の効果とあわせて病床数が900床を超える病院であるというスケールメリットによるものではないかと考えております。  最後に、高度専門医療機関としての性格を強めるためにどのような取り組みを行ったのかとのお尋ねにつきましては、地域に不足していた脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞などの循環器疾患に対応できるよう集中治療室を整備するなど、高度救急医療の体制を大幅に強化し、救急車等による重篤患者の受け入れを積極的に行っております。また、地域特性により患者が多い肝臓疾患や長年にわたってその技術を受け継いできた脊椎疾患等の整形外科分野に関して、福岡市内東部地区の医療拠点として高度専門医療を提供し、福岡市内でも有数の治療実績を上げているところでございます。以上でございます。 119 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 120 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) 東京圏バックアップの現状につきまして、まず国の議論についてお答えいたします。  東日本大震災の甚大な被害を受け、昨年、国土交通省において学識経験者等により構成する東京圏の中枢機能のバックアップに関する検討会を設置し、ことし4月の二次取りまとめによりバックアップすべき業務や必要な資源等の論点の整理を行っております。さらに、内閣府が事務局である中央防災会議において、ことし、その専門調査会である防災対策推進会議に首都直下地震対策検討ワーキンググループを設置し、7月の中間報告では政府全体としての業務体制の構築など、当面取り組むべき対策の整理を行っております。また、その中で、議員御指摘のとおり緊急災害対策本部の業務や各省庁の必要業務を行うべき政府の代替拠点の候補地として福岡市が挙げられております。  次に、福岡市の取り組みについてお答えいたします。  福岡市においては、今お答えしました危機管理についての国の議論の高まりや福岡市の地理的な優位性も踏まえて、昨年度より東京圏バックアップに向けた検討を行っております。また、今年度は福岡市のバックアップ先としての優位性等に関する資料を作成し、7月には福岡市として内閣府や国土交通省を初めとする関係府省や関係国会議員など、国に対して福岡市をバックアップ先とするよう提言活動を行っております。また、本社を東京圏に有する民間企業等に対してもPR活動を行うなど、バックアップ機能の誘致に向けて積極的に取り組んでおるところでございます。  今後も、引き続き国における議論なども踏まえながら、時機を逃さずバックアップに向けた検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 121 ◯議長(森 英鷹) 大森一馬議員。 122 ◯3番(大森一馬) まず、暴力団排除についてお尋ねします。  福岡市では、平成22年7月1日に福岡市暴力団排除条例が施行され、市民の安全で平穏な生活の確保、本市における社会経済活動の健全な発展に寄与することを目的として、福岡市暴力団排除推進本部が設置され、本市の暴力団の排除に関する施策を推進されていると思います。さらに、平成23年10月に福岡県暴力団排除条例が改正され、平成24年2月から8月にかけて順次施行されており、暴力団排除がより一層強化、充実されております。また、本年7月26日に成立し、8月1日に公布された改正暴力団対策法は、市民に対する危害の防止、罰則の引き上げ、その他規制の強化等がされたものであり、本市における暴力団排除の取り組みに対しての追い風となるものと期待しております。  そこで、福岡市暴力団排除条例に基づく本市の事務事業からの暴力団排除条項の整備状況、学校教育における暴力団排除教育の実施状況並びに暴力団等に関する市民、企業からの相談及び暴力団員等による市民、企業、行政に対する不当要求に対しての市の対応についてお尋ねいたします。  次に、生活保護についてお尋ねいたします。  生活保護の増加について見てみますと、リーマンショック前の平成19年度と現在を比較しますと、平成19年度の平均の生活保護世帯が1万9,118世帯、保護率が19.14パーミルであるのに対し、平成24年7月末は3万913世帯、28.64パーミルと約1万2,000世帯、9.5ポイントほど増加しています。増加の原因を分析してみると、世帯別では失業や求職を理由とする、特に就労阻害要因がない人が多く含まれるその他世帯の割合が9.2%から21.2%と12ポイントも急増しております。  私は、現在の生活保護制度の大きな課題の一つは、その他世帯の急増であり、働ける方は働くよう、その自立を援助することが必要であると思います。本来、働くことができる健康状態であるにもかかわらず、仕事が見つからないなどの理由で収入を得ることができないため、やむを得ず生活保護を受けておられる方々については、生活保護を受給している不本意な状態を早く脱し、一日でも早く仕事につき自立した生活を送っていただくことが必要であります。  そこで、働くことができる年齢や健康状態であるにもかかわらず、何らかの事情によって働いていない方に対して本市はどのような支援を行っているのか、お尋ねします。  さらに、生活保護制度のもう一つの大きな課題として、私は貧困の連鎖があると考えております。生活保護を受けて育った子どもが成長し、社会に出ても、結局は生活保護を受けるようになってしまうことが多いと聞きます。道中隆関西国際大学教育学部教授による、ある都市での調査によりますと、生活保護世帯の1割の390世帯をランダムに抽出したところ、最終学歴が中卒だったという世帯主が72.6%、生活保護を受けて育った世帯主も25.1%だったという調査結果があります。生活保護の家庭に育ったことで、大人が働いて家計を維持するという通常の生活のイメージが持てないという、決して本人のせいとは言い切れない部分も原因としてあるでしょう。また、学歴の問題にしても、現在の義務教育は中学までしかありませんが、制度では中学校を卒業したら働くという一昔前の発想は現在ではどこにもなく、ほとんどの生徒が高校などに進学しているのが現状です。  そこで、高校進学率を見ますと、平成24年3月の本市の中学卒業生の高校などへの進学率は市全体で98.2%であるものが、生活保護世帯に限っては88%と、やはり残念ながら10ポイントほど差が生じております。高校進学は今後の人生を考えていく上で大変重要と考えており、世代間の貧困の連鎖を防止するためにも、この時期から適切な支援を行うことが必要ではないかと考えております。  そこで、生活保護受給世帯で義務教育を受けている児童生徒やその世帯に対し、どのような支援を行っておられるのか、お尋ねします。  次に、福岡市民病院のあり方についてお尋ねします。  政令指定都市の公立病院の中で医業収支が黒字化を達成している病院は、福岡市を除くと1病院しかないという御答弁でありました。しかも、福岡市民病院は200床という病院規模で黒字を達成しており、そうした点から見ても医業収支の黒字化は画期的なことではないかと思っております。法人化2年目でこうした成果を上げられた市民病院の院長を初め、スタッフの皆さんの御努力に敬意をあらわしたいと思います。  一方で、福岡市はこれまで市民病院に対して運営費負担金を支出してきていると思いますが、まずは最近3カ年の運営費負担金の推移をお示し願いますとともに、今回医業収支が黒字化したことが評価に値しますが、この運営費負担金については黒字化に伴ってどうなるのか、支出する必要がなくなるのかについてお尋ねしたいと思います。  先ほどの御答弁において、肝臓がんや脊椎といった高度医療の分野で市内でも有数の治療実績を残すとともに、脳卒中や心筋梗塞といった高度救急医療においても救急搬送件数が大幅にふえるなど、市民のニーズに適切に対応した高度な医療の提供が行われているとのことでありました。しかしながら、市民病院は平成元年の開院から既に23年が経過しており、施設の老朽化も進むとともに病院の医療機能の高度化に伴う新たな医療機器の導入や病院スタッフの増員などにより、地方独立行政法人化以降、特に狭隘化が顕著になっていると聞いています。また、こども病院が現在担っている感染症指定医療機関については、新病院開院に先立ち、早期の指定辞退を申し出ているということであり、このままでいけば福岡市立病院には感染症指定医療機関がなくなることになります。他の政令市の状況を見ますと、市立病院を持たない相模原市を除く19の政令市においては、いずれかの市立病院において感染症指定医療機関の指定を受けている現状にあり、そういった状況を踏まえると、福岡市の感染症対策という面において不安を覚えざるを得ない状況であります。  今後、市民病院については引き続き高度専門医療への取り組みを進められるなど、市民病院に求められる医療や感染症対策といった公立病院として求められる役割を果たしていくことが必要であると考えておりますが、現在の老朽化、狭隘化が進む現病院の施設では限界があるのではないかと考えております。現在の市民病院の取り組みを継続し、さらに医療機能を充実させていくため、病院施設の老朽化や狭隘化について、今後どのように対応していくつもりであるのか、御所見をお伺いします。  次に、東京圏バックアップについてお尋ねします。  東京圏のバックアップ機能誘致について、積極的に取り組んでいくとのことであり、その方向性については私も賛同するところであります。ただ、このようなバックアップ機能誘致を現実的なものにしていくためには、福岡市が単独でPRを行うだけではなく、県や経済界などの関係機関などと連携していくことが必要なのではないかと思います。実際に東京圏バックアップに関しては、福岡市以外でも検討がなされています。例えば、福岡経済同友会では、東日本大震災対応特別委員会において先日、日本復興への福岡・九州の貢献と題した提言書を取りまとめ、これを福岡県や福岡市に対して提言活動を行っています。その提言は、政府のバックアップ機能や民間企業の本社企業誘致などを行っていくことを求める内容となっており、また、福岡市が取り組んでいる東京圏のバックアップ機能誘致と意をともにするものです。また、現在、九州大学箱崎キャンパス跡地利用ビジョン検討委員会が、九州大学箱崎キャンパスの跡地利用について検討を行っておりますが、その中でも東京圏のバックアップが跡地利用として想定される機能の一つとして議論されております。具体的なバックアップ機能については、現在国においても議論がなされているところだと思いますが、九州大学箱崎キャンパスは約40ヘクタールの広い敷地と半径5キロメートル以内に鉄道や高速道路、空港、港などの多様な輸送手段が集積しているという環境もあるなど、さまざまな行政機能、経済機能に対応できるものと考えます。例えば、委員会でも例示されていたような広域行政機能や大規模な防災公園なども考えられるでしょう。いずれにしても、箱崎の活用方法については、今後検討委員会の中で議論されていくものと承知していますが、バックアップ機能についても大きな選択肢の一つとして御議論いただきたいと思います。  ほかにも福岡県の総合計画においてバックアップの重要性が言及されているなど、福岡市以外においても東京圏のバックアップについて検討されている方々がおられます。今、我々が直面している国の危機に対していくためには、それぞれがばらばらに検討するのではなく、同じ方向性を共有する者が一体となって連携していくことが不可欠です。  このように今後の取り組みに当たりましては、行政機能だけでなく民間企業などの経済機能も視野に入れながら、産学官民が一体となって福岡市へのバックアップ誘致を進めていくべきだと考えますが、このことについて御所見を伺います。  以上で2問目を終わります。 123 ◯議長(森 英鷹) 四宮市民局長。 124 ◯市民局長(四宮祐司) 福岡市暴力団排除条例に基づく市の事務事業からの暴力団排除条項の整備状況でございますが、平成24年5月末現在、本市の196の条例、規則、要綱等において暴力団排除条項を整備いたしております。また、スポーツ施設、文化施設、公園等の公の施設のうち、約2,300の施設におきまして暴力団排除チラシ等の施設内掲示及び暴力団排除事務処理マニュアルを活用した暴力団排除措置を行っております。  次に、市民、企業等からの相談等についてでございますが、福岡市におきましては、平成17年4月に福岡市暴力追放相談センターを設置し、市民、企業、行政機関からの暴力団等による民事介入や不当要求、暴力団事務所の使用停止などにおける対処方法等の相談、助言、指導を行ってございます。平成23年度における相談件数は90件、123回、平成24年度は7月末現在、40件、45回となっております。また、相談を受け、助言、指導等を行うほか、内容によりましては警察への協力依頼を行ってございます。さらに、企業や行政機関を対象といたしました不当要求防止研修の実施など、暴力追放対策に取り組んでおり、平成23年度には13回実施し、633人、平成24年度は7月末現在、4回実施し、250人が受講されております。以上でございます。 125 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 126 ◯教育長(酒井龍彦) 中学校、高等学校を対象とした暴力団排除教育の実施状況についてでありますが、平成23年度より福岡県警察本部の組織犯罪対策課に所属する暴力団排除教育サポーター、いわゆる暴排先生に学校へ来ていただき、薬物乱用の背後に潜む暴力団などのテーマで1時間程度の暴力団排除教室を実施しております。平成23年度は、中学校は69校中68校、高等学校は4校全てが実施をいたしました。以上でございます。 127 ◯議長(森 英鷹) 中島保健福祉局長。 128 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) まず、生活保護に関する御質問にお答えします。  働くことができる状態であるにもかかわらず、働いていない生活保護受給者に対しては、本人の状況に応じ、勤労意欲がある方には就労支援の専門相談員による就労支援を行うとともに、勤労意欲が十分でない方には意欲喚起から職場定着までの一貫した支援を進める事業を行っており、さらにハローワークと連携した福祉から就労支援事業を実施するなど、さまざまな自立へ向けた取り組みを行っております。なお、就労意欲喚起事業では、働くことができても長期の離職や経験不足により、就労への自信や意欲を失っている方に、ボランティア活動などの体験を通じ、コミュニケーション能力を高め、達成感や充実感を感じることで意欲や自信を高めることにより、就労へ結びつける取り組みも行っております。  次に、義務教育を受けている児童生徒やその世帯に対する支援につきましては、子の養育、就学等に課題がある世帯には、専門の相談員による生活や教育に関する支援を行う子どもの健全育成支援事業を行っております。また、中学3年生の子及びその親に対して、進学費用の準備や学習環境の確立など高校進学への意識を高めるための支援を行う高校進学支援プログラムを実施しております。  次に、福岡市民病院のあり方に関する御質問にお答えいたします。  まず、市民病院の最近3年間の運営費負担金につきましては、平成22年度決算額が9億1,840万円余、23年度決算額が8億9,489万円余、24年度予算額が9億2,433万円余でございます。  次に、医業収支の黒字化に伴い、運営費負担金を支出する必要がなくなるのかとのお尋ねについてでありますが、運営費負担金につきましては、総務省通知の地方独立行政法人会計基準に従い、平成22年度から24年度までの3年間の現行中期目標期間終了時に精算することとなっており、今回の医業収支の黒字化によりまして、精算時における返納額の増加が見込まれると考えております。  なお、運営費負担金につきましては、地方独立行政法人法第85条の規定に基づき、救急医療の確保に関する経費や高度医療に係る収支不足額、小児医療に係る収支不足額等を負担することとしております。また、病院建物や土地、医療機器などの設備投資に係る資本的収支については、対象経費の2分の1を運営費負担金として繰り出すこととなっておりますので、今後とも一定の負担金は必要であると考えております。  最後に、福岡市民病院の病院施設についてでありますが、まず、老朽化につきましては地方公営企業法施行規則における鉄筋コンクリート造の病院用建物の耐用年数は39年であり、築後23年が経過したところでありますが、建物や使用設備の点検においても、施設、設備ともに良好な状態であるとの報告を受けております。狭隘化につきましては、病棟スペースやカンファレンス室等の不足、救急医療の充実による救急部、放射線部の狭隘化などに加え、法人化後の医師や看護師等の増員により更衣室等が不足するなど、全体的にスペース確保の面で問題が生じている状況であります。  今後、さらに医療の充実を図り、市民病院に求められる医療や公立病院として求められる役割を果たすためには、狭隘化の対応は課題であると認識しており、しっかり検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 129 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 130 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) 産学官民が一体となったバックアップ機能誘致についての考え方についてお答えいたします。  ことし7月に福岡経済同友会よりいただいた提言書においては、危機管理の観点からの東京一極集中の是正のため、大企業本社機能や大学、試験研究機関などを幅広く誘致することを御提言いただいております。また、九州大学箱崎キャンパス跡地利用ビジョン検討委員会においては、防災活動の場の創出や広域連携拠点づくりという観点から、跡地に考えられる機能として東京圏のバックアップ機能を担う行政庁舎なども一つの選択肢として御議論いただいております。  議員御指摘のとおり、東京圏のバックアップを実現していくためには、福岡市単独で行うのではなく、このようにさまざまな観点から検討している主体同士の連携が不可欠と考えております。今後は、県などの行政機関はもちろん、経済界や大学などとも連携し、経済機能も含めた幅広いバックアップ機能誘致に向けて関係機関が一体となった取り組みを進めてまいります。以上でございます。 131 ◯議長(森 英鷹) 大森一馬議員。 132 ◯3番(大森一馬) まず、暴力団排除についてお尋ねいたします。  福岡市は、市民のおもてなしの心や豊かな自然、充実した都市機能を有するなど、世界でも住みやすい都市の一つとして高い評価をされており、市民の満足度も大変高い数字となっております。また、福岡市は今年を観光元年ととらえ、国内外に対し積極的かつ効果的な観光戦略を展開し、今後ますます観光都市として発展していこうと力を入れております。そのほかにも高島市長就任後、持続的な成長と安全、安心で質の高い暮らしのバランスがとれた人と環境と都市が調和のとれたアジアのリーダー都市福岡の実現に向けて、さまざまな事業、施策に取り組んでこられました。そういった市民の安全で平穏な生活の確保と観光を含めた経済の健全な発展を損なうおそれの高い、反社会的な存在である暴力団については、今後も徹底して排除していく必要があると思います。  そこで、昨年の福岡県暴力団排除条例の改正、ことしの暴力団対策法の改正を受け、福岡市においても今後、暴力団排除に対する取り組みについてより一層徹底、強化を進めることと思いますが、市長の御所見、断固たる決意を伺いたいと思います。  次に、生活保護についてお尋ねします。  生活保護法第1条では、生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする、と規定してあります。私は、高齢者や傷病者、障がい者世帯などが抱える問題も決して見過ごせる問題ではないと考えておりますが、リーマンショック以降に、全く社会状況が変わってしまった現在では、生活保護を取り巻く問題のうち、就労の問題、子どもの問題がとりわけ重要性が高まっていると感じております。生活保護の最終的な目的は自立の助長です。先ほどから御答弁いただいているように、働ける世代、その他世帯に対する支援や子どもの健全育成に関する支援に取り組まれていることは確認できました。しかし、私は今の生活保護の状況から見て、もっと幅広く、そして被保護者の実情に合わせてきめ細やかな支援を展開していかなければならないと思いますが、御所見を伺います。  次に、福岡市民病院のあり方についてお尋ねします。  先ほどの保健福祉局長の御答弁では、市民病院の狭隘化については喫緊の課題と認識しているとのことでございました。繰り返しになりますが、高度専門医療や高度救急医療など、住民のニーズに応じた医療サービスを充実させていくためには、現病院の施設では限界に来ていると思いますので、増築といった対応も含めて、ぜひ検討いただきたいと思います。ただ、仮に増築を行ったとしても応急措置的な対応であり、根本的な課題の解決にはならないと考えております。  我が党は、平成20年9月議会における新病院整備に関する決議において、市民病院については地方独立行政法人移行後に、そのあり方を検討することとあわせて、新病院は小児・周産期医療機能に成育医療機能をあわせ持つ病院として、将来的に高度先進医療など機能の拡充を検討することを要請しております。我々としては、やはりこども病院と市民病院は将来的に統合もしくは併設という形で連携を行うことで財政上、医療上のメリットが大きくなると確信しております。特に新しいこども病院では、周産期医療の拡充を行い、産科の病床も大幅にふえることとなっておりますが、母体の容体の急変などに対応するための大人の医療に十分に対応できる体制づくりが不可欠であると考えております。九州大学病院等との連携でカバーすることも一つの方法でありますが、同じ法人の中に大人の医療に対応できる市民病院があるわけですから、こども病院と市民病院が連携して対応することが現実的ではないでしょうか。病院スタッフの効率的な再配分、再配置や各種医療機器、検査機器についても共有化が可能となるなど、経営面や運営面でも多くの効率性が発揮でき、効果的な病院事業が実現できるのではないでしょうか。  そこで、お尋ねしますが、福岡市民病院のあり方については、今後我が党としてもプロジェクトチームにおいて、精力的に検討を進めていきたいと考えておりますが、福岡市としても市民病院整備に関する決議を真摯に受けとめ、こども病院と市民病院との統合もしくは併設も含め、これからの市民病院のあり方について早急に検討すべきと考えますが、御所見を伺います。  最後に、東京圏バックアップについてお尋ねします。  東京圏バックアップ誘致に向けたPRを進めていくことは、国全体としての危機管理に資するのはもちろん、福岡市が安全で東京圏のバックアップにふさわしい都市であるということを全国に浸透させることにもつながります。ぜひとも産学官民が一体となったPRに努めていただきたいと思います。  さて、先ほども述べたとおり、福岡市は内閣府防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループの中間報告において、代替拠点の候補地として示されるなど、東京圏バックアップの有力な候補地の一つであることは間違いありません。そのような中で、さらにバックアップ機能誘致を現実的なものとしていくためには、先ほど述べた産学官民が一体となって取り組むことに加え、福岡市が持つ強みを最大限に活用すべきであると考えます。一般的にバックアップはどこでもできるものではなく、東京と同時被災する可能性が低いことや都市の集積があることなど、不可欠な条件が存在するものと考えており、福岡市はこのような条件を高い水準で満たしているものと考えています。  そこで、最後に改めて、福岡市が持つ強みとそれを生かせるような機能についての考えとともに、バックアップ拠点に向けた福岡市としての覚悟について市長の考えを伺いまして、私の質問を終わります。 133 ◯議長(森 英鷹) 中島保健福祉局長。 134 ◯保健福祉局長(中島淳一郎) まず、生活保護に関してお答えいたします。  議員御指摘のとおり、近年の生活保護の急増につきましては、働くことができる状態にもかかわらず保護を受給せざるを得ない方が多く含まれる、その他世帯の増加が大きな要因であり、これらの方々の働く環境を整えていくことが重要であると考えております。このため、平成23年度からの3年間に集中的に取り組む生活保護の課題解決に向けた取り組み方針の中で、就労支援を重点的に取り組むこととして位置づけ、平成23年度には年間700名程度の就労達成目標に対し、1,090名の実績を得ており、今後ともしっかり取り組んでまいります。  さらに、就労支援につきましては、今年度から国と経済観光文化局が設置するシティハローワークの積極的な利用や中高年雇用促進事業との連携を図りながら、より幅広い支援を行ってまいりたいと考えております。また、子どもの健全育成につきましては、学校の担任の先生やスクールソーシャルワーカーなどとの連携を図りながら、受給者の実情に合わせた相談や支援を進めるなど、今後とも関連局との連携を密にし、協力を得ながら受給者の自立へ向けたきめ細かな施策を展開してまいります。  次に、福岡市民病院のあり方につきましては、地方独立行政法人化後の経営状況の検証を進めるとともに、福岡市の救急医療の状況などの医療環境の変化や施設の老朽化、狭隘化の状況を十分把握するなど、施設面、医療環境面、経営面など多角的に検討を行っていく必要があると考えており、今後とも平成20年9月議会の新病院の整備に関する決議を踏まえ、病院事業運営審議会の意見もいただきながら、早急に検討してまいります。以上でございます。 135 ◯議長(森 英鷹) 高島市長。 136 ◯市長(高島宗一郎) 近年、福岡県内において暴力団に起因する事件が多く発生していますことから、福岡県、そして福岡県の公安委員会、さらには北九州市と一緒に暴力団対策法の早急な改正を国に強く要請をいたしまして、平成24年の8月に法改正が実現をしたわけでございます。この法改正によって、特定抗争指定暴力団の指定を受けた暴力団は、警戒区域内での行為が大きく制限されますことや特定危険指定暴力団の指定を受けた暴力団からの不当要求の直罰化、また罰則の引き上げなどの対策が強化されまして、暴力団排除の取り組みが大きく進むものと考えています。  また、暴力団対策に従事する警察官の増員ですとか、それから暴力団壊滅のための有効な捜査手段の導入などをさらに国に対して要請をしております。今後とも、県警はもとより市民、企業、関係機関と緊密に連携、協力しながら、暴力団排除に全力で取り組み、安全、安心都市福岡を実現してまいります。  それから、東京圏のバックアップに向けた福岡市としての考え方についてお答えをしたいと思います。  まず、福岡市がいかにバックアップにふさわしい都市かという強みについて、改めてお答えをさせていただきたいと思います。  福岡市は東京圏との位置関係から、東京圏と同時被災するリスクが極めて低い、また大津波の危険性も極めて低いというバックアップに不可欠な地理的な条件を備えています。特に東日本大震災における津波の被害の甚大さに鑑みますと、福岡市は付近にプレート境界が確認されておりません。1300年を超える記録の中でも津波の被害が確認されていないということは、これは東京圏バックアップに関して国の各機関にお話に行ったときにも非常に強みとして評価をされているところでございます。また、大規模な都市機能、経済機能、また交通手段を有して、国の出先機関を初めとする中枢機能が集積しているなど、緊急災害対策本部やデータセンターなどの今後求められると思われるバックアップ機能にも幅広く対応できるというふうに考えています。  さらに、東アジアにも近接をしておりまして、先ほど大森議員からも御指摘がありましたとおり、港や鉄道、高速道路など多様な輸送モードが集積しているということもありますので、災害対策に当たって、東アジアを初めとする海外からの支援物資の受け入れ拠点にもなり得ると考えています。先日、中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループにおいても、死者が最大で32万人という被害想定が出されまして、九州もかなりの被害が予測をされていたわけでございますが、このように大規模な被害が想定される南海トラフの巨大地震や首都直下地震などの国家存亡の危機という状況においては、先ほどお答えしたような強みを持つ福岡市がまさに立ち上がらなければいけないというふうに思っています。  そのためにも、産学官民一体となって積極的にPRをしていくことで、福岡市が安全でバックアップにふさわしい場所ということをPRして、さらに政府機関もそうなんですが、またさらに東京圏の民間企業にも広く認識をしていただいて、国の業務継続に必要な行政機能、また経済の血流であります経済機能、企業の本社などの経済機能になっていくことができるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。以上です。 137 ◯議長(森 英鷹) 平畑雅博議員。 138 ◯40番(平畑雅博)登壇 私は、みらい福岡を代表して、小中学校における土曜日授業の活用、広告収入について、総合評価制度について、以上3点について質問させていただきます。  まず、小中学校における土曜日授業の活用についてお尋ねします。  完全学校週5日制が平成14年から始まり、10年が経過しました。その趣旨は、週休日である土曜日に子どもを地域や家庭に帰して、社会体験や自然体験、文化、スポーツ活動などさまざまな活動を学校、家庭、地域が相互に連携、協力して経験させ、健全育成を図るとともに、生きる力を育むことを目的としてスタートしました。一方、学校現場では、ゆとり教育の中で年間授業時数も変化してきました。平成23年度から小学校において学習指導要領が改定され、それまでに比べ、各学年で35時間から70時間ふえ、中学校でも平成24年度から35時間増加しております。学校週5日制は維持されたまま、授業時数は増加に転じたわけですから、当然月曜から金曜までの時間割が窮屈になったり、今まで行われてきた学校行事が取りやめられたり縮減されていると聞きます。  そこで、昨年度、全小中学校において土曜日に実施されている授業や行事は、年間にどの程度実施されているのか。実施回数ごとの割合、さらに平均回数もお示しください。また、地域活動の一つである公民館活動は、子どもたちの健全育成に重要と考えます。私は、機会あるごとに子どもたちや保護者、地域の方々と一緒に活動していますが、週休日である土曜日に行われている公民館の子どもたちの居場所づくり事業について、具体的にどのような活動があり、どの程度参加していたのか、教育委員会として把握している状況と教育委員会としての評価をお示しください。  さらに、今回の通知に関して教育委員会の意思決定の仕方についてお尋ねします。  土曜日の半日授業を実施する旨の通知を7月10日付で各小中学校長に出されています。福岡県から本年3月に月2回までの土曜日授業を認める旨の通知がなされたとのことですが、教育委員会ではこんな大事な協議事項を4月25日の教育委員会会議の後の教育委員協議会で協議したとしています。教育委員協議会ですから正式な議事録もない、教育委員協議会の発言でしかありません。それなのに6月議会一般質問2日目の6月22日、我が会派の三角議員の質問には答弁し、6月26日初めて教育委員会会議の議題として正式な議事録がある会議を開催しています。そして次の日、第2委員会では土曜日の授業について報告があっています。  教育長は6月議会の答弁で、議会と各方面から意見を伺った上で決定されると答弁されたが、次の教育委員会会議、7月9日の次の日に各学校に通知しているが、これで各方面や議会の意見を聞いたことになるのか、お尋ねします。また、教育委員会から各学校長に対して通知を出して実際に手を挙げられた学校がどのくらいあるのか、あわせてお尋ねします。  次に、広告収入についてですが、平成23年度の福岡市の一般会計における広告収入についてお尋ねしたところ、総額1億6,300万円余りとなっています。最大の広告収入は、市長室の市政だよりで9,200万円余り、次に住宅都市局がレベルファイブスタジアムのネーミングライツで3,600万円、各局別では、市長室が市のホームページを加えて約1億円でトップとなります。ちなみに、今申し上げた2つを除いた各局別で申し上げますと、財政局が6媒体で371万円、次が消防局4媒体166万円、住宅都市局がレベルファイブスタジアムを除いて6媒体138万円の広告収入となっています。  区役所別は、トップが西区役所392万円、中央区役所255万円との順番です。削減相当額、つまり現物納品、例えば、各区役所の窓口用封筒などですが、一般会計において650万円余りとのことでした。企業会計でも交通局が地下鉄広告で10億円、現物納品375万円となっており、各局、そして各区役所もかなり努力し、知恵を絞っていただいており、高く評価したいと思います。  それでもまだ他局や区役所の横の連携を密にすれば、まだまだ広告収入は増加するのではと思います。もっと市として提案や企画力を活用して、広告主募集を強く打ち出したらよいのではないかと思いますが、市としてこれまで具体的にどのような広告事業の拡充に取り組んできたのか、また、広告主の募集にどのように取り組んでいるのか、各局によって広告収入や媒体の数に差があると思うので、その差を埋めるためにも今後どのように広告事業の拡充に取り組んでいくのか、お尋ねします。  次に、総合評価方式についてですが、福岡市では公共工事の減少によって過度の低価格競争が行われ、品質低下が懸念されたり、抽せんで選定されることが続きましたので、総合評価方式を平成21年から予定価格3億円以上の工事に本格導入してきました。ことし2月からは、予定価格1億円以上の工事を対象とするなど制度が改定されております。地場企業を重視して下請けや資材調達に地場企業を活用すると加点されたり、工事実績を過去10年に拡大、入札業者、行政双方ともに資料作成や評価の負担が減少したことなど、さまざまな見直しが行われており、大いに評価したいと思います。  その中で、私が改善すべきと思った点があります。第1点目は、技術提案の非公表についてであります。提案者の知的財産であるということから公開しないこととなっていますが、技術提案についてはまだ理解できます。それでも絶対の財産なら、特許など知的財産の確保はしているのではないでしょうか。私は、品質管理や安全管理、周辺環境への配慮などの提案は逆に公表して、そんなにすばらしい提案ならば公共工事の現場で反映させて、全体的なレベルを上げることにより騒音や振動の抑制、交通安全により取り組むことのほうが重要だと考えます。せめて当該工事の竣工後には公表してもよいのではないでしょうか。工事の進行過程において、受注業者が提案した内容は工事現場に当然反映され、公開されているのも同然であり、特に隠さなければならないと思いませんが、いかがでしょうか、お尋ねします。
     次に、企業評価についてであります。  基本的に各会社をAからDランク別に分けているのは、福岡市であります。それなのに企業の施工能力として、同種工事の施工実績であったり、技術者の同種工事の施工経験を評価することで実績重視になっています。このことは、過去落札した企業が有利になることにつながり、1回も受注できない企業はさらに厳しい状況につながります。今回の見直しで総合評価方式の対象となった金額の工事については、以前は価格によって受注者を決定していました。その期間に受注した業者は、最低制限価格に大多数の業者が張りついて、結局くじ引きで受注した業者がほとんどではないでしょうか。企業の実績工事に加点される実績工事は、このくじ引きによりくじ運のなかった業者がくじ運のよかった業者より施工能力が劣っていると言われているともとれ、納得のいかない業者もあると聞いています。くじ引きという原始的な方法で落札業者を決定しておきながら、数年後にはそのくじ引きの運不運が落札できるかどうかの大きな差になってあらわれているとも言えます。落札できなかった大多数の業者が決して能力が劣っているものではないということを声を大にして指摘をしておきます。  そこで、建築及び一般土木の地場Aランクにおいて、総合評価方式でゼロ回も含め受注した回数ごとの企業数を教えてください。また、今回の改定で新たに追加されている下請けや資材に関して地場企業の活用を評価する項目について、この項目で不履行の場合、ペナルティーが課されるのかどうなるのかをお示しください。さらに、社会貢献の項目もあります。障がい者雇用事業の工事の認定者数についてお示しください。  また、環境配慮型事業所や次世代育成男女共同参画認定企業についても、目指すべきなのは理解しますが、今それほど人やお金に余裕のある企業があると思えない上に、余りに福岡市の意向に沿っていないといけないような時代おくれの官尊民卑の感がします。総合評価の本来の目的である品質低下を防ぐという方向とは違う方向に向かっていると思うが、見解をお尋ねして、1問目の質問を終わり、2問目からは自席にて行います。 139 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 140 ◯教育長(酒井龍彦) 小中学校における土曜授業についての御質問にお答えいたします。  まず、平成23年度において小中学校で土曜日に行われた授業や学校行事の状況でありますが、小学校では年間1回実施の学校が57%、2回が22%、3回以上が2%、中学校では年間1回が25%、2回が44%、3回が17%、4回以上が13%であり、総括的に申し上げますと小学校では146校中118校が土曜日に授業や学校行事を実施しており、実施校における年間の平均回数は1.3回であります。また、中学校では全69校中68校が実施しており、実施校における平均回数は2.2回となっております。  次に、公民館事業についてのお尋ねですが、平成23年度において小中学生向けに土曜日に実施された子どもの健全育成関連事業につきましては、料理教室、キャンプ、工作教室、科学教室などがあり、小学生が延べ5万9,589人、中学生が延べ1,152人参加しております。教育委員会といたしましては、これらの公民館事業が、学校、家庭、地域が相互に連携して子どもたちの生きる力を育むという学校週5日制の目的の実現に寄与していると評価をいたしております。  次に、今回の土曜授業の実施に関する教育委員会の意思決定についてでありますが、本年4月25日の教育委員協議会におきまして、学校週5日制の趣旨や土曜授業が求められている背景などに関する教育委員の認識の一致を図るとともに、以後、関係者と協議して最終的な結論を導き出すという教育委員会の意思形成の手続について確認をいたしました。その後、校長会やPTA協議会などと協議を重ね、それらの結果を6月26日の教育委員会会議に報告し、翌27日の市議会第2委員会でいただいた御質問、御意見を踏まえ、事務局で方針を決定いたしました。そして、その結果を7月9日の教育委員会会議に報告をいたしております。  土曜授業のあり方につきましては、今後とも学校長や学校現場を初め、各方面からの御意見を伺いながら、検討してまいります。  次に、今回の通知を受け、代休日を伴わない土曜日の授業を実施する予定の学校数についてですが、9月6日現在、実施の決定をしている学校はありませんが、実施の方向で検討中として相談を受けている学校が数校ございます。以上でございます。 141 ◯議長(森 英鷹) 阿部財政局長。 142 ◯財政局長(阿部 亨) 広告収入に関する御質問にお答えいたします。  福岡市の広告事業の拡充への取り組みにつきましては、平成18年に福岡市広告事業戦略プロジェクト推進委員会を設置いたしまして、全庁的に広告事業を推進するための基本指針を定め、広告事業に関する窓口の一本化などを行っております。また、広告収入が見込まれる広告媒体の洗い出しを行い、広告掲載可能な媒体から順次導入を進めております。主な広告媒体といたしましては、市政だよりや各区パンフレット等の印刷物、本庁舎のエレベーターの壁面、区役所における窓口カウンターの壁面など施設を活用したもの、ホームページにおけるバナー広告、また、博多の森球技場におけるネーミングライツなどがございます。さらに、広告つき区役所窓口用封筒など企業からの広告つき印刷物の寄附によりまして、経費節減を図っている例もございます。  次に、広告主の募集につきましては、平成19年4月に作成をいたしました福岡市広告事業実施マニュアルに基づきまして、順次募集を行っております。具体的には各局、区からの募集依頼を財政局が集約し、市ホームページに設けた広告事業専用のコーナーに募集情報を掲載いたします。さらに周知のため、福岡市広告情報メールマガジン登録者に募集情報を配信いたしております。また、全庁挙げての収入確保を目指す上で、さらなる広告事業の拡充は重要であると認識しておりますので、今後とも全庁的に広告事業を推進する仕組みづくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、総合評価方式についてお答えをいたします。  まず、技術提案等の内容につきましては、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づきまして、国において定められた公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針におきまして、発注者は、民間の技術提案自体が提案者の知的財産であることに鑑み、提案内容に関する事項が他者に知られることのないようにすることと定められておりまして、福岡市も同様の考え方に立っておるところでございます。このことから、工事現場に反映された提案内容につきましても企業の技術的なノウハウであり、また知的財産であることから、公開しないとしているものでございます。  次に、総合評価方式における受注した回数ごとの企業数についてでございますが、総合評価方式の施行を始めました平成18年度より平成24年8月現在の地場企業における受注件数別の企業数でございますが、建築Aランクでは全体で29社のうち受注なしが9社、1件受注が10社、2件受注が7社、3件受注が2社、4件受注がゼロ、5件受注が1社となっております。一般土木Aランクでは全体38社のうち、受注なしが17社、1件受注が11社、2件受注が6社、3件受注が2社、4件受注が2社となっております。  次に、下請けや資材に関する地場企業の活用の項目について、不履行の場合のペナルティーはどうなっているかというお尋ねでございます。  地場企業の活用の評価項目について、入札参加者から提出された提案が加点評価の対象となった場合につきましては、契約上の履行義務が生じます。このため、不履行が生じた場合はその不履行の内容に応じまして、工事成績評定の減点、競争入札参加停止等の措置、違約金の徴収などペナルティーが課されることになります。  次に、社会貢献優良企業のうち、障がい者雇用企業の工事の認定者数でございますが、平成23年及び24年度の競争入札参加資格審査申請におきまして、工事の認定をしている地場業者1,978社のうち、平成24年8月1日現在で56社となっております。  最後に、社会貢献の項目は総合評価の本来の目的である品質低下を防ぐ方向とは違う方向に向かっているのではとの御指摘でございますが、国におきまして地方公共団体における総合評価方式を積極的に導入していくため、地方公共団体向け総合評価方式実施マニュアルを示されておりまして、このマニュアルに基づき、本市におきましては技術提案、企業の施工能力、技術者の能力を公共工事の品質をはかるための重要な評価項目といたしております。その上で、社会貢献の項目につきましては国のマニュアルにおいて、公共工事の品質を確保し、工事を円滑に実施するためには、当該地域の自然的、社会的条件を熟知し、また福祉や災害時の活動を通じ、当該地域において信頼性、社会性を有する企業によって工事が担われることがより望ましいという観点から評価項目として設定されております。  このことから、本市におきましても同様の考え方により、福岡市社会貢献優良企業として認定されている障がい者雇用企業、環境配慮型事業所、次世代育成・男女共同参画支援企業につきまして加点対象としているものでございます。以上でございます。 143 ◯議長(森 英鷹) 平畑雅博議員。 144 ◯40番(平畑雅博) 小中学校における土曜日授業の活用についてお尋ねします。  学校での授業時数確保の現状についてですが、工夫はされていますけれども、子どもたちにしわ寄せが来ているというふうに思います。69校の中学校において授業時数を確保するため、ほとんどの学校でいろいろな手だての工夫をしています。その一つに始業式、終業式、修了式に授業を行っている中学校が13校、また中間考査、期末考査などの定期考査の日数を減らしたり、75%に当たる52校の中学校でテスト後に授業を行ったり、避難訓練などの行事を行っている状況です。そのほかに小中学校ともに芸術鑑賞会や遠足の中止や縮減、運動会や体育会の学年練習の縮減など、努力というか、工夫されています。このような学校の取り組みをどのようにとらえているのか、お尋ねします。  次に、今回の通知に関して教育委員会の意思決定の仕方についてですが、4月25日の教育委員協議会で一定の考えを示して以降、校長会やPTAと協議して最終的な結論を導き出すという教育委員会の意思形成手続を経て、事務局が最終決定したと。6月26日に教育委員会会議に報告したという答弁だったと思います。私は、教育委員会の最終意思決定機関は教育委員会会議であると考えていましたが、教育委員長の明快な答弁をお願いします。また、今までの完全学校5日制に対しての土曜日授業となれば、学校現場の反発や地域に対しての説明は大変な労力になると思います。教育委員会として、土曜日授業の実施を決定して通知すべきであり、現場の校長先生の判断に委ねるのは無理があると思いますし、無理して実施しなくてもよいとの通知にも見えます。だから、いまだ1校も手が挙がっていないのだと思います。  校長判断ではなく、教育委員会としての意見を明確に通知すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。  次に、広告収入についてですが、各局長さんにおかれては、それぞれの局の広告収入どのくらいか、後でぜひ御確認をいただきたいと思います。財政局が各局、区からの募集依頼を集約しているとのことですが、横浜市のように広告印刷物なら給食献立表の空きスペースや母子健康手帳のビニールカバーを現物納品してもらうことや、民間企業のニーズに合致した広告もあるのではないかと思います。熱心な取り組みをしている局や区役所によって差があるのは、職員のコスト意識の差があらわれているからであり、財政局として提案や指導をすべきと思いますが、重ねて御所見をお尋ねします。  市政だよりの広告収入についてお尋ねしていきますが、19年度決算において6,200万円だったのが、23年度決算見込みでは9,200万円となっておりますが、今年度は大幅減の3,800万円と見込まれています。その理由についてお尋ねしたところ、市政だよりの文字数を大きくしたので、広告枠が半分以下になってしまったので、広告収入金額は減りましたとのことでした。確かに難しい問題で、一人でも多くの市民に読んでいただきたい、情報を届けたいというのが最大の目的のものなので、広告は9枠あったが4枠に減少したということです。市政だよりの広告については、販売価格としては他の新聞などと比べても金額も安いし、配布数も配布エリアは市内全世帯77万世帯で約2倍近いというメリットがあります。  そこで、お尋ねしますが、平成23年度の市政だよりの印刷代並びに配布料の合計金額の何%になるのか、また、1年間で23回発行の市政だよりですが、広告はいつ募集しているのか、ことしの状況はどうなのか、お尋ねします。  次に、総合評価方式についてですが、総合評価方式による契約手続を見ると、技術提案者の評価は市の内部の発注部局以外から選ばれた評価委員が評価することとなっています。それから、3回学識経験者による技術審査委員会が開催され、最終結果となります。例えば、求める提案の具体例として、コンクリート躯体のひび割れ防止策とあります。各企業や技術者がそれこそいろいろな方法で防止策を練っていて、その中で業者から見た一番いい提案と、市の評価委員会から見た一番いい提案が一致するとは限らないのではないかと思うのです。また、施工上の提案についても同じことが言えると思うのです。建築に限定すれば、それこそ応募している企業はほとんど民間工事が主体です。その中で、特殊な技術や安全管理、環境への配慮がされているなら、もっと注目されていると思います。ですから特別な特許みたいなものは別として、よいものは普通は口コミで伝わったり、現場を見に行ったりして自然と広まっていると思います。  そこで、知的財産とはいえ、公共工事での受注です。どういう提案で落札したのかも含めて、1年後か2年後には公表することを受注条件にすべきと思いますが、お尋ねします。  土木工事は基本的に公共工事がほとんどです。Bランクで7,000万円から1億円の通常入札ではくじ運で受注が大幅に左右されるので、従業員の継続的な雇用ができない。総合評価方式でも雇用人数は点数に反映されていないため、監督だけを採用し、外注が主体の会社が、つまり要領のよいところが生き残っているとの話もあります。次世代育成や男女共同参画の項目がありますが、高齢者の雇用維持のための経営をしているところ、すなわち今まで頑張ってきたベテラン社員を抱えている中小零細企業にとって、この経済状況で新規に雇用しなければならないというのは不利な評価項目と思うのです。障がい者雇用についても、申請期間は6月から7月にかけての1カ月しかないので、せめて3カ月以上雇用している証明があれば、いつでも申請を受け付けるようにしないと雇用の拡大にはつながらないのではと思います。  また、建築のBランクといっても民間工事だけでは大変厳しい状況です。総合評価方式では経験重視で偏っているように感じます。企業のみでなく技術者の能力においても経験を求めれば、資格を持っている若い人は活躍の場がありません。これから先の技術者の育成や若い人が建築や土木の世界に入りやすいように、資格を持っている技術者の能力に実績は要らないと思いますが、いかがでしょうか。御所見をお尋ねして2問目を終わります。 145 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 146 ◯教育長(酒井龍彦) 小中学校における土曜授業の御質問にお答えいたします。  まず、学校での教育活動の現状についてであります。  学校現場ではさまざまな工夫のもとで体験的学習や行事を絡めた教育活動を展開しておりますが、議員御指摘のように、カリキュラムに若干窮屈な状況があらわれている学校もあるというふうにとらえております。  次に、今回の小中学校における土曜授業につきましては、学校週5日制という基本的な枠組みを踏まえつつ、学校、家庭、地域の連携、協力を推し進めるという観点から、土曜日の活用幅を広げるものであります。また、学校長が特色ある学校づくりに活用することを期待しているところでもあります。このようなことから、学校の状況はもとより地域の実情を最も的確に把握できる立場にあります学校長の判断により実施することにいたしました。今後のあり方につきましては、各学校での実施の状況を見ながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 147 ◯議長(森 英鷹) 八尾坂教育委員長。 148 ◯教育委員長(八尾坂 修) 失礼します。教育委員会会議についてのお尋ねでございますけれども、教育委員会の所管に関する事務は多岐にわたることから、教育委員会事務委任規則に基づき教育委員会に関する事務の一部を教育長に委任しております。ただし、教育長に委任した事務についても必要に応じて教育委員会会議に報告してもらい、私どもも教育委員から意見、要望を伝えており、事務局と情報共有を図りながら、教育行政を進めているところでございます。  今回の土曜日授業の件につきましては、教育委員会会議の付議事項ではございませんが、教育委員会会議において報告を受けまして、私ども教育委員からもさまざまな視点から意見、要望を述べさせていただいております。以上でございます。 149 ◯議長(森 英鷹) 阿部財政局長。 150 ◯財政局長(阿部 亨) まず、広告収入についてお答えいたします。  現在、デジタルサイネージなど新たな広告媒体の積極的な活用に取り組んでいるところでございますが、議員御指摘のとおり、今後も引き続き印刷物などの広告料収入の向上に努めてまいりたいと考えております。また、新たな公共施設を設置する際にはネーミングライツの導入にも積極的に取り組んでまいります。  次に、総合評価方式についてお答えをいたします。  まず、総合評価方式における技術提案等の公表を受注条件にするべきではないかとの御指摘でございますが、総合評価方式は入札参加者の技術提案の優劣などを評価し、価格及び品質が総合的に優れている内容の契約を実現することが趣旨でございます。このことから入札参加者の技術提案は知的財産であり、公表しないこととされており、競争性確保の観点から公表を受注条件とすることは適切でないと考えてございます。なお、採用した提案内容について評価、検証を行いまして、品質確保の促進に寄与すると認められる場合はできるだけ以後の公共工事の設計、施工等に反映をさせてまいりたいと考えております。  次に、技術者の実績評価についてのお尋ねでございますが、公共工事の品質確保の促進に関する法律第11条では、当該工事に配置が予定される技術者の経験等に関する事項を審査しなければならないとされておりまして、国が示した地方公共団体向け総合評価方式実施マニュアルにおいて、保有資格及び施工経験によって評価することとされております。このため、本市におきましても同様の考え方で、施工経験を評価項目としているところでございますが、若手技術者の登用の観点から、平成24年2月より資格保有期間の対象を10年間から5年間に短縮をし、評価対象の拡大を行っているところでございます。以上でございます。 151 ◯議長(森 英鷹) 貞刈総務企画局長。 152 ◯総務企画局長(貞刈厚仁) 市長室への御質問については、私のほうからお答えいたします。  市政だよりの広告募集につきましては、平成24年度の1年間分を1枠ごとの個別募集により平成24年2月17日から募集を開始いたしました。また、申し込み状況につきましては、募集開始当初から多くの申し込みがあり、平成24年5月末には広告枠の全てにおいて申し込みがあったところでございます。  次に、市政だよりの広告収入についてでございますが、平成23年度決算見込みでは、市政だよりの印刷代が1億7,097万3,000円、配送及び配布経費が9,106万7,000円、合計2億6,204万円に対しまして、市政だよりの広告収入は9,216万9,000円で、印刷、配送及び配布経費の約35%となっております。以上でございます。 153 ◯議長(森 英鷹) この際、あらかじめ時間を延長いたします。平畑雅博議員。 154 ◯40番(平畑雅博) 教育委員会会議についてですが、教育委員の方の意思、お考え、責任、私には見えてこない。私は、教育委員会会議が責任を持って福岡市の教育方針を決めないと、何のための教育委員なのか、その存在理由がわからなくなるというふうに思います。  校長判断について申し上げますと、学校の状況や地域の実情を理解しているのが校長なので、校長判断ということとの答弁ですが、それでは現在の校長先生にそれぞれの学校経営ができる十分な権限を与えていますでしょうか。自分の補佐をしてもらう教頭先生や主任の先生すら指名もできない状況ではないでしょうか。それを、いきなり校長が土曜日授業をやりますなんて職員室で言えるはずがないし、地域への説明を考えたら自分からそんな苦労を背負う校長は誰もいないと思います。福岡市教育委員会として決定しましたということで通知しないと、土曜日授業の活用にはつながらないと思います。  授業時数については、若干窮屈な状況はあるかもしれないとの答弁がありました。テスト期間が2日間の学校が80%を超え、テスト終了後の授業実施が75%という状況です。私なんかは中間、期末といえば一夜漬けで乗り越えていたものですから、1日4教科とか5教科とかなれば、もちろんふだん勉強していないのが悪いんですが、諦めるというか捨てる教科がふえるのではないかと学力も心配になります。もちろん何でもかんでも行事があればよいとは思いませんが、例えば、職場体験学習などは中学2年生のときに経験しますが、期間が5日間から3日間に短縮されました。これだけニートや勤労意欲が問題になっているときに、私は短縮どころか中1のときには学校近隣で、中2は父母の勤務先、中3は将来の夢や希望の職場を体験させるような時間が必要で、将来の就業を考えれば大切だと思います。自然教室も3泊4日の日程であったものが2泊3日に短縮されています。たった1日ですけれども、親離れ、子離れ、どちらにとってもその差は大きいと思います。さらに、土曜日も日程に入れやすくなるので修学旅行や自然教室の日程もとりやすくなるというメリットもあると思いますので、教育委員会として土曜日授業の活用に積極的に取り組むべきと考えます。  私は、きょうの日本の発展は勤勉で真面目な日本人が大勢いたからこそと考えています。その日本の将来を担う子どもたちが、子どものころから週休2日が当たり前という生活が決していいとは思えないのであります。せめて上限月2回のうち1回でも土曜日授業の実施を前向きに教育委員会として取り組んでいただきたいと思いますが、教育長の答弁を求めます。  次に、広告収入についてですが、平成23年度においては市政だよりの経費、つまり印刷代から配布までの35%を広告収入で賄っているとのことでした。その割合を平成24年度の広告収入に置きかえてみますと、ことしからは14.7%に減ることになります。せめて今までどおりの3分の1は広告料で賄うというコスト意識は持っていただきたいのです。  そこで、提案をしたいと思うのですが、市政だよりの広告価値を上げれば現在の広告料の引き上げも可能となるのではないでしょうか。そのためには、市政だよりの読者をもっとふやさなければなりません。市政だよりの読者をふやそうと思ったら、市政だよりを持参すれば半額とか無料というサービスを毎回必ず取り入れるというのはどうでしょうか。例えば、今月9月1日号はアジアマンス2012が特集されています。その中で、アジアフォーカス・福岡国際映画祭の記事もありますので、市政だより9月1日号を持参すると映画1本無料とかのサービス特典をつけたり、市政だより今月のお得コーナーや目玉コーナーをつくったり、まだまだ工夫の余地はあると思います。各局、区でさまざまな行事が開催されていて、少しでも多くの市民に見ていただきたい、来ていただきたいという担当者ばかりと思うのです。市が関係する行事などに特典をつける、毎号必ず読まないと損とか捨てたら損というふうになるように、付加価値をつけることが読者をふやすことにつながるし、広告媒体としての価値もさらに上がると思うのです。  市長室、財政局を初め、各局の思いをいっぱい市政だよりに詰め込んでいただきますことを要望しておきます。  最後に総合評価方式についてですが、受注が実績重視になり過ぎているというふうに思うのと、大雨などの自然災害のとき、すぐ出動して対応するのは、苦しいけど継続雇用している中小零細企業であることを申し上げておきます。  総合評価方式については、施工品質や安全対策の向上など効果があらわれていることは理解しています。ただ、総合評価方式は、本来品質の確保が強くうたわれていたはずです。知的財産だから公表しないということが理解できないのであります。安全管理や環境などの技術提案が評価され受注したのだから、堂々と開示することこそ必要と考えます。福岡市の品質重視の総合評価を実施することで、施工業者のレベルアップを目指すことがより高度なインフラ整備につながり、地域貢献につながると思います。  今後、総合評価においては、価格と技術評価点のバランスについて注意深く見守っていくこと、さらに、地場企業の受注に配慮するためにも、技術評価点に占める提案項目と企業評価項目との点数の比率についても見守っていく必要があると思います。今後、関係者の意見、要望などをしっかり聞いて、よりよい福岡市の総合評価制度としていただきますよう要望して、質問を終わります。 155 ◯議長(森 英鷹) 酒井教育長。 156 ◯教育長(酒井龍彦) 土曜授業についての御質問でありますが、今回の小中学校における土曜授業につきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、学校週5日制という基本的な枠組みを踏まえつつ、学校、家庭、地域の連携、協力を推し進めるという観点から、土曜日の活用幅を広げるもので、学校長が特色ある学校づくりに活用することを期待しているものでございます。  今回は、各学校の年間の教育計画が既に固まっている時期においての実施となりましたが、今後小中学校における実施の過程でさまざまな課題や考え方が明らかになってくると思われますので、教育委員会といたしましては、それらを踏まえ、教育委員会が実施の方向性を示すことも含めて土曜授業のあり方をさらに検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 157 ◯議長(森 英鷹) この際、休憩し、午後5時に再開いたします。                                         午後4時46分 休憩                                         午後5時   開議 158 ◯副議長(大石修二) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。調崇史議員。 159 ◯39番(調 崇史)登壇 私は、不育症に関する啓発と公費助成について、道路陥没の防止について、以上2点についてお尋ねをしたいと思います。本日8人目の登壇ということで、議論も長時間に及んでいるところでございますけれども、気を引き締めて質問してまいりますので、理事者におかれましても、目が覚めるような答弁をお願いしたいと思います。  さて、初めに不育症の啓発と公費助成について。  この不育症という言葉もやや聞きなれない言葉かもしれませんので、まずはこの定義から入りたいと思うんですけれども、不育症とは不妊症と違って、妊娠することはできるけれども、2回以上の流産を繰り返してしまうと、こういう症例を言います。子どもを望む夫婦、特にお母さんにとって、繰り返し流産をしてしまうということが非常に精神的なダメージが大きいということは言うまでもありません。確かな統計は今のところないんですが、我が国における年間の発症件数というのは数万件に上るということが推計されています。  では、何が原因かということなんですけれども、厚生労働省が平成20年から22年度にかけて補助金を出した研究チームが、不育症につながるリスク因子、つまり不育症になる危険性を高める要因として、この図のようなまとめをしております。(パネル表示)ちょっと見えるかわかりませんが。どういった要因で不育症になってしまうと、その頻度別に書いているんですけれども、子宮形態異常、子宮の形が異常があるというものが7.8%、夫婦どちらかの染色体異常によるものが4.6%、つまり男性に原因があるケースももちろんあるということです。そして、抗リン脂質抗体症候群というものが10.2%と、大きなものでこのようになっています。しかし、一番大きいのは、ここにあるように65.3%ということなんですが、こういったリスク因子が見当たらない、つまり原因がわからないというケース、これが一番多いというのが現状でございます。  リスク因子がわかるものについては、この分ですね、検査方法、あるいは治療方針というのがある程度確立されつつあるんですが、例えば、抗リン脂質抗体症候群というのは、胎盤に血栓が生じやすくなるという症状が起きて、それが流産の危険性を高めてしまうということなんですけれども、ヘパリンカルシウムというのを1日2回注射することで出産に至る可能性が高まるというふうにされています。ただ、注射をするために1日2回も病院に通うということが大きな負担になっていたんですが、ことしの1月からは在宅で自分で注射をするということが保険適用の対象になりました。保険がきく前は月に10万円くらいの負担になっていたということなんで、負担軽減を歓迎する声が今聞かれているところです。その一方でですが、不育症では今のところ保険がきかない治療のほうが多くて、とてもお金がかかっています。検査だけでも詳しくやれば十数万円程度かかるということで、金銭的にも精神的にも大変な苦労をされている御夫婦がかなりいらっしゃるという現状です。  私、今回の質問を前に厚生労働省の担当部署にヒアリングを行ってきました。特に不育症の治療に当たっての金銭的な負担の面で、公費助成による軽減が検討されているのかどうかということを尋ねたんですが、現状では全く検討されておりません。国としてはまず不育症のうち医学的に原因がわかっている症例の部分、こちらの保険適用を急いで、負担の軽減を図るという姿勢でありました。  こうした中なんですが、不育治療にかかる負担というのを軽減するために、地方自治体が独自で公費助成を行っているケースがあり、徐々に広がりを見せております。その一例として、私は先月、石川県のかほく市に視察に行ってまいりました。かほく市は人口3万5,000人程度のまちでありますけれども、そのかほく市がやっている公費助成というのは、不育症の治療を受けた市内在住の御夫婦に対して、1組当たり最大30万円の補助をするという内容でした。かほく市は、人口減少に歯どめをかけるために、子育て世代の定住促進策として子どもを産み育てやすい環境づくりに徹底して取り組んでおりました。その不育治療への公費助成もこうした環境づくりの一環として重要施策に位置づけて、強力にやっているというところでした。こうした自治体の取り組みは、国の施策が今追いついていない部分を何とか補完しようというふうに頑張っていただいているもので、注目に値すると思います。7月末時点で公費助成を行っている自治体は1県と約40市町村に上っています。  ここまで不育症に関する国や他の自治体の取り組み例等紹介いたしましたけれども、福岡市の不育症治療や、あるいは啓発に向けた取り組み状況が今どうなっているのかということを確認すべく、以下質問させていただきます。  まず啓発に関してですが、不育症に関する啓発で福岡市のこれまでの取り組みはどうなっているか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、答弁を求めます。  次に、治療に関する取り組みですが、不育症に対する理解は産婦人科のお医者さんの間でもまだ十分ではなくて、例えば、流産が2度、3度と続いて病院に行かれた方の相談に対して、医師が不育症ということの知識を持って適切なアドバイスや治療をするということが全国的に見てまだ十分にできていないという現状があります。福岡市では不妊症の相談窓口を各区の保健福祉センターに設けているところで、そこが今後不育症の相談窓口にもなっていくということなんですが、こうした相談窓口で市民から不育症に関する相談を受けた場合に、専門医として紹介をできる医療機関が市内に何カ所あるのか、この点をお尋ねいたします。  さらに、不育治療への公費助成の事例、メディアによっても多々、数々紹介されているところなんですけれども、福岡市としてこれらの事例を今どのように受けとめているのか、答弁を求めます。  次に、道路の陥没の防止についてお伺いします。  まず、この写真をごらんいただきたいと思います。引き伸ばしてかなり荒くなってしまってわかりにくいと思うんですけれども、これが道路が陥没してできた穴であります。直径が7メートル近く、これ場所は東京の都心ということなんですけれども、なぜこのような大規模な道路の陥没が起きたかということ、このケースの場合は原因は地下に埋設されていた下水管の老朽化による破損だったということです。  この図をちょっとごらんいただきたいんですが、なぜそんな破損が起きるかと。(パネル表示)これ下水管がこうあります。こちらにこういった破損があるわけなんですが、こういった破損から水がしみ出して、下水管の上の土砂にしみ込んで、これが下水管の中に吸い込まれてしまうというところで、この上に当然アスファルトがあるんですけど、ここまでこの空洞がどんどん大きくなっていって、これが路面下の空洞になるということなんですね。こうしてできた空洞がアスファルトの直下まで行って、これがある日がたんと破れてしまったときに陥没が生じるということです。  コンクリートと鉄筋でできた一般的な下水管の耐用年数というのは、一説にはおよそ50年と言われております。東京都では80年前から下水管の敷設が始まっていますので、今23区内だけでも年間に1,000件余りの道路の陥没が起きているということです。  福岡市でも道路陥没による事故の防止に向けては、道路の下、いわゆる路面下の空洞調査に既に取り組んでおられますけれども、今回の質問では、今後の路面下の空洞調査がどうあるべきかについてお尋ねをしたいと思います。  まず初めに、福岡市において直近の数値で年間にどの程度の道路陥没事例が確認されているのか、そのうちどれだけの事例が人身、物損などの事故につながっているのか、また、こうした事故の結果、福岡市が賠償している事例について、近年の金額の推移をお尋ねいたします。  次に、道路が陥没する事故を未然に防ぐために、本市でも路面下の空洞調査をやっていただいていますけれども、どのような道路を対象に年間にどの程度の距離の調査を行っているのか、また、予算的な推移についても御答弁をいただきたいと思います。  以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
    160 ◯副議長(大石修二) 吉村こども未来局長。 161 ◯こども未来局長(吉村展子) 不育症についてお答えいたします。  不育症に関する啓発につきましては、厚生労働省の研究班から各産科医療機関に啓発ポスターが配布され、医療機関を通じての啓発が図られているところでございます。  また、各区の保健福祉センターでは、妊娠、出産、育児などの母子保健に関する相談において、不妊を初め不育症の相談にも対応しております。今後とも、厚生労働省の研究班によるマニュアルに基づいた職員の研修を行うなど、適切な情報提供ができ、不育症に悩んで相談してくる方々の気持ちに寄り添えるよう、相談対応の質の充実を図ってまいります。  次に、不育症の専門医として紹介できる医療機関の市内の数についてのお尋ねでございますが、市内の専門の医療機関の数については把握しておりませんが、厚生労働省の研究班によりますと、不育症の専門医は全国的にも少ないとのことであり、当該研究班のホームページには不育症の研究機関が紹介されております。また、不育症は不育症という単一の疾病名があるのではなく、2回以上流産を繰り返して出産につながらない場合を言い、議員御指摘のとおり、原因が特定できないものが6割以上を占めること、また、次回の妊娠では良好に出産となる場合も多いことなど、研究班から産科医療機関への情報提供が行われておりまして、まずかかりつけの産科医療機関に相談することが勧められております。  次に、不育症の公費助成の先行事例につきましては、比較的小規模の自治体が多く、少子化対策や人口定住が主たる目的と伺っております。不育症の公費助成の実施にはそれぞれの自治体が置かれている事情が関係しており、そのまま本市に当てはめるのは難しいと考えております。以上でございます。 162 ◯副議長(大石修二) 井上道路下水道局長。 163 ◯道路下水道局長(井上隆治) 道路の陥没事例についてお答えいたします。  福岡市におきましては、各区役所の補修事務所で実施しております道路パトロールや市民の皆様からの通報などにより、年間約500件の陥没が発見されており、各区役所にて適切に補修を行っております。道路の明らかな陥没から事故に至った近年の事例につきましては、平成19年度から23年度までの5年間において、22年度に人身事故が1件、物損事故が2件の合計3件が発生しております。賠償額の推移につきましては、平成22年度の人身事故で約140万円、物損事故で約70万円、合計で約210万円となっております。  次に、路面下空洞調査の調査対象路線及び調査延長についてお答えいたします。  福岡市におきましては、道路の路面下空洞を早期に発見し、未然に予防措置をとることにより、安全で円滑な交通を確保することを目的に、平成6年度より調査を開始し、9年度より年次計画を立てて実施しているところでございます。  調査対象路線につきましては、平成24年度から28年度までの5カ年計画では、災害時の緊急活動で不可欠な緊急輸送道路や陥没が発生した場合に甚大な事故につながる可能性の高いバス路線、及び過去に空洞が多く発生した路線など、幹線道路を中心に調査する計画としております。調査延長につきましては、福岡市における管理道路は約3,800キロメートルで、そのうち幹線道路が約800キロメートル、その幹線道路のうち約400キロメートルを平成23年度末までに調査しております。  また、調査方法につきましては、車載型地中レーダーにより、調査路線の車線ごとに全ての車線を探査する調査を行っており、調査延べ延長で約3,400キロメートルの調査を実施してきたところでございます。  また、調査費用につきましては、平成9年度より年間約3,500万円程度の予算で継続的に実施しておりますが、調査単価の低減により、近年5年間の調査延長は平成19年度の52キロメートルから23年度の120キロメートルと年々増加しております。なお、調査費用のうち半分の1,750万円につきましては、水道、下水道やガスなどの道路占用企業者6者に負担していただいております。以上でございます。 164 ◯副議長(大石修二) 調崇史議員。 165 ◯39番(調 崇史) まずは不育症に関してですけれども、啓発に関する取り組みは、市民からの相談に当たる職員の研修、相談対応の質の充実を図っていただけるという答弁でした。こちら繰り返しになるんですが、医療の現場でも不育症の認知が十分ではないという現状なので、例えば、流産が続いたことをかかりつけのお医者さんに相談したところが、まあしようがないですよねといって済まされてしまうようなケースがまだ全国的に起こっているという状況です。それだけに行政の相談窓口の対応というのが重要で、不育症が疑われる市民の方が相談に訪れた際には、検査や治療の面、あるいはメンタルな面など的確なアドバイスをする必要があると思います。この点は緊張感を持った対応をぜひともお願いしたいと思います。  さて、福岡市内でも不育症に関する研究機関として九州大学が研究チームのホームページに紹介をされています。しかし、答弁にあったように、専門医のいる医療機関というのは把握されていないということでした。この点は対応が急がれるんではないかと思います。  そこでお尋ねをしますが、不育症に関しても医師会等、関係機関との協力体制を福岡市が音頭をとってつくり上げる必要があると考えますが、今後の取り組みをお尋ねいたします。  さて、公費助成については、国においてもまずは保険適用という姿勢で、各自治体の取り組みについては静観する構えのようです。福岡市も先ほどの答弁でお伺いした限りでは静観の構えかなというふうに思います。しかし、保険適用の可能性があるのは原因が医学的にわかる症例のみであります。先ほど65%以上と答弁にありましたけれども、原因不明というのが不育症の現状なんですが、この原因不明の部分についていつまでも保険適用の議論にならないんじゃないかということが懸念されるわけです。こうした部分について、いずれかの時点で公費助成を考えなければならないんじゃないかと思いますし、私は福岡市にもぜひそうした流れをつくっていただく一因になっていただきたいというふうに考えます。  そこでお尋ねいたしますが、不育治療への公費助成について本市独自の取り組みを検討していただけないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、道路陥没の問題ですが、福岡市内でも昨年1年間に500件の陥没が見つかったということを伺い、その多さには驚いております。また、答弁によれば、福岡市が管理する道路の総延長は約3,800キロメートルで、幹線道路約800キロメートルを中心に調査を行ってきたとのことでしたが、平成23年度の空洞調査がカバーできたのはおよそ120キロメートルということだったので、これ単純な計算をすると、市内3,800キロメートルを1年間で120キロメートル、一巡するのに30年以上かかってしまうということになると思うんです。30年もあれば、新しい空洞というのは次々にできてしまいますので、この空洞調査の現状って果たして十分なのかなという不安を拭えないわけです。  そこで、徹底した空洞調査を行っている自治体の事例として、先月、千葉県の習志野市を視察したので、御紹介させていただきたいと思います。  習志野市は市の全域の4分の1が埋立地で、昨年の東日本大震災では大規模な液状化が生じました。地下インフラが至るところで破損して、大量の土砂が下水管の本管、これをふさいでしまうほどに流れ込んで、だから、広域にわたって路面下に空洞が生じたということが疑われましたし、事実、大規模な道路陥没があちこちで起きていました。このため、習志野市では埋立地全体の道路、総延長およそ98キロ全てを対象に路面下の空洞調査を行っております。調査の方法なんですが、このような車両を使っています。(パネル表示)この図のように、車体の後ろにマイクロ波を出すような装置をつけた車、これで路面をスキャンするように走ります。時速50キロから60キロくらいで走りながら、道路の表面から75センチ下、あるいは1.8メートルほど下にある空洞というのを、かなり深いところにある空洞を高い精度で見つけられるということです。  こうした1次調査をやった後に、おおよその空洞のある場所に目星をつけて、次にこのように2次的な調査として手押し式の探査機を使ったり、路面に穴をあけてカメラを入れて、どんな空洞の大きさなのかというのをはかったりということをしながら空洞の大きさを調べていきます。この点は福岡市が今やられている調査と方法は変わらないのかなと思うんですが、習志野市ではこうした空洞調査を埋立地全体でやりました。結果349カ所の空洞が見つかっています。空洞が道路の陥没につながる危険性が高い、危ないというものは即日、特殊なコンクリートを流し込んで空洞を埋めるというふうな措置をとっているんですが、残りの空洞を対応が急がれる順番にAからCランクに分けて、地図に落とし込んだものがこちらにあります。これ陥没危険度マップというべきものだと思いますが、これ埋立地全体の道路に対して大体どういった場所に空洞が見つかったのかと、なかなかちょっと見えにくくて恐縮なんですが、小さいもので。こうやって可視化をすることで、家の前の道路が大丈夫なんですかというふうな市民からのお問い合わせに対しても非常にわかりやすく答えることができているという点があります。  こうした空洞調査と補修工事の費用として、昨年、習志野市では補正予算で6,800万円余りを市の単費で計上しました。住宅街の生活道路も対象にした点がやはり特筆すべきで、液状化被害があった埋立地のみが今回はとりあえず対象だったんですが、習志野市の担当者に聞きますと、今後は調査をできれば全市に広げていきたいと、検討したいというふうに話しておられました。  福岡市の路面下の空洞調査は答弁によりますと例年3,500万円程度の予算がついているものの、横ばいの状態が続いております。大事なのは災害がなくても道路陥没の事故は起こるということなんですが、東日本大震災をきっかけに災害に強いまちづくりを望む市民の声というのがさらに高まっている中でもありますので、こうした予算はぜひとも頑張って維持をしていただきたいなというふうに考えるわけです。  そこで、本市の路面下の空洞調査の今後のあり方についてお尋ねしますが、まず災害への備えとして必要な部分の調査、そちらは抜かりなくやっていただかなければいけないと思います。防災拠点、幹線道路などが陥没によって寸断されるというようなことがあってはならないわけです。こうした観点から、消防署、病院、防災に関係のある箇所の出入り口付近はもちろんのこと、地下鉄や下水道の本管など大型の地下インフラが設置された幹線道路などにおいて路面下の空洞調査をさらに強化すべきだと考えますが、御所見をお伺いします。  また、福岡市では市民がいつも通っている生活道路での空洞調査にはなかなか手が回っていないという現状があります。いつ、どこで、道路が陥没して市民がけがをしてもおかしくないというふうにも言えると思うんですが、幹線道路ほどの頻度というのは無理があるのかもしれませんが、優先度を考えるとですね。空洞調査の範囲を生活道路にまで広げていくべきだと考えますが、御所見をお伺いします。  以上で2回目の質問を終わります。 166 ◯副議長(大石修二) 吉村こども未来局長。 167 ◯こども未来局長(吉村展子) 不育症についてお答えいたします。  不育症についての医師会等の関係機関との協力関係につきましては、国から日本医師会へ相談対応への協力要請が行われているところであり、本市といたしましても相談対応について医師会等と意見交換をしていきたいと考えております。  次に、不育症治療への公費助成についてでございますが、不育症は治療の要、不要を含め、まだ研究の段階であるため、本市といたしましては、公費助成の検討にまでは至っておりません。流産や死産を繰り返される方の精神的に負担が大きいということは理解しており、国からも不育症の相談に対して正確な情報提供を行うことが重要であるとの通知が出されておりますので、正確な情報を提供する相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 168 ◯副議長(大石修二) 井上道路下水道局長。 169 ◯道路下水道局長(井上隆治) 幹線道路における路面下空洞調査を強化すべきとの御指摘についてお答えいたします。  病院、消防署等につきましては、災害時におきます防災拠点に位置づけられており、それら防災拠点をネットワークでつなぐ緊急輸送道路は調査計画を立てる上でも重要な路線と位置づけ、計画的に実施をしております。また、地下鉄が敷設されている路線につきましても、2年から3年に1回の頻度で調査を実施するなど、より重要な路線と位置づけており、さらに幹線道路のうち過去に空洞が多数発見されている水道管やガス管などの埋設管が多い路線につきましても計画的に調査を実施しております。今後とも、安全で円滑な交通を確保するため、予算の確保に努め、路面下空洞の早期発見と事故の予防に努めてまいります。  次に、路面下空洞調査を生活道路でも行うべきとの御指摘についてお答えいたします。  生活道路の空洞の発見につきましては、各区役所の補修事務所で実施しております道路パトロールによる発見や、市民の皆様からの通報により、重大な事故につながる前に原因究明及び補修などの対策を行い、事故の未然防止に努めております。路面下空洞調査につきましては、生活道路についても道路の安全確保の観点から有意義な調査と考えており、各区役所とも連携を図りながら、既に一部調査を行っているところであります。今後、3,000キロメートルにも及ぶ生活道路の優先順位の考え方、より効率的な調査方法の検討を行うなど、取り組みを進め、市民により身近な生活道路の安全で安心な道路管理に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 170 ◯副議長(大石修二) 調崇史議員。 171 ◯39番(調 崇史) まず不育症に関してですが、公費助成ということについてはなかなか前向きな答弁をいただけませんでした。やりますと言っていただければ本当に目の覚めるような答弁だったですが。この点については、今後もさまざまな角度から必要性を訴えさせていただきたいというふうに思います。  さて、この図なんですけれども、(パネル表示)先ほど来出ています研究チームがまとめたデータです。不育症の年齢分布と流産率というものを示しております。不育症の年齢分布でいきますと、これ赤字で書いていますけれども、70%が30代の方であります。一方、右側の流産率についてなんですが、20代まではもうほとんどないというか、10%程度であるものが、30歳から34歳では15%に上がり、35歳から39歳で24.6%、そして40歳から44歳で51%、45歳以上では93.4%と、30代から年齢を追うごとに高まっていくという様子がわかると思います。こうした年齢に起因をする流産の部分というのについては、不育症のリスク因子の中、最初に示した図でいいますと、原因がわからないと言われていた65%の、あの大きな部分に当てはまってくることになります。  こういうふうに考えたときに、私、不育症の問題の背景には、いわゆる出産が遅くなるという傾向という意味での晩産化というものがあるんではないかと思っています。今、現に不育症で悩んでおられる御夫婦の中には、年齢を重ねるごとに子どもを授かることが難しくなっていくということを御存じでなくて、知っていればなというふうに悔やんである方もいるかもしれません。あるいは、若者を取り巻く厳しい雇用情勢の問題、出産後に女性が社会復帰できる環境が十分でないこと、夫婦が安心して共働きができる、そういった保育環境があるのかといった不安などから、結婚はしたものの、なかなか子どもを産むことに踏み切れなかったというケースもあるのではないかと思います。女性の職場復帰、保育環境の整備などは、いずれも福岡市では既に取り組んでいただいている課題でありますけれども、こうした取り組みをしっかり進めることが不育症の悩みを減らしていく一助に、少なくとも一助になると私は考えています。  そこで、お尋ねをしてまいります。高島市長にはぜひこうした点を念頭に置いていただいた上で、今上げた2つの課題を中心に福岡市がもっと子どもを産み育てやすいまちになるように、しっかりと陣頭指揮をとっていただきたいと思います。御決意をお伺いします。  また、不育症は国においてもようやく対応が緒についたばかりという点で、新しい課題でもあると言えます。市長にも今後ぜひ関心を持って取り組んでいただければと思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  最後に、先ほど図で示した年齢と流産率の関係、いわゆる30代以降、流産をしてしまう自然的な流産の可能性が上がっていってしまうということに関しては、人生の設計を考えるという上でも非常に重要な情報で、これから社会に出る若い世代に対して情報提供しておくことが大変重要なことだというふうに考えます。こうした観点から、不育症や少子化の問題などを扱う厚生労働省の部局には、文部科学省からの職員も出向して、教育の現場でできることについても検討が進んでいるようです。また、大学などに通う女性に向けた啓発パンフレットの作成を厚生労働省で進めています。福岡市教育委員会においても、子どもたちが未来において親となり子を育てる喜びをしっかりと感じてもらえるように、可能な限りの工夫あるいは努力をお願いしたいと考えますが、教育長の御所見をお伺いして、この質問を終わらせていただきます。  次に、道路の陥没についてですが、生活道路の空洞調査に前向きな御答弁をいただいたものと理解しております。ぜひよろしくお願いをいたします。  私が今回この質問をさせていただいたきっかけなんですけれども、昨年の暮れに陥没をした道路につまずいてけがをされたという女性から御相談を受けたことがきっかけでありまして、御高齢でいらっしゃって、骨折をされて、大変な苦労をされていました。こうした相談をいただいて、安心して道路を歩けるということ、この当たり前のことがどれだけ大事なのかということを改めて考えさせられました。  きょうは先進事例として習志野市の取り組みを紹介しましたが、これと同じような取り組み、調査を、今後東京都の大田区が実施するということを聞いております。予算はそれぞれ自治体の単費で、よくやるなと、すごいなというふうに率直に思います。市長は、みんなに優しいユニバーサル都市を目指されておりますが、ぜひこうした他都市の取り組みに関心を持っていただきたいと思います。また、いろいろとやりくりが大変だということはわかっておるんですが、市民の安全に直結する話ということで、必要な予算の確保には努めていただきたいと重ねてお願いを申し上げたいと思います。  福岡市の下水道管の敷設のピークは昭和54年から63年だったということです。耐用年数が50年とすると、今後20年もしないうちに今以上に傷みが目立ってくるということになると思うんですが、この下水管の、例えば下水管ですね、地下インフラですけど、傷みぐあいというのは地上から目で眺めてみることはできません。ただ、路面下にできた空洞に注意を払っていれば、ある程度地下インフラが老朽化したり破損したりしているということを見抜くことができるという点を、私はこれはおもしろいなというふうに感じました。路面下の空洞を調べる探査車を走らせるコスト、いわゆる空洞調査のコストは、答弁にあったとおり年々下がっているということでもありましたので、道路の陥没を防ぐと同時に、この地下インフラの簡易な健康診断ができるという点でも、こういった技術は活用できるのではないかと感じます。今、行っておられる空洞調査のデータ、蓄積を市民の安全を守る観点から、さらに有効活用していただくように今後の研究をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 172 ◯副議長(大石修二) 酒井教育長。 173 ◯教育長(酒井龍彦) 子どもたちが未来において親となり子を育てる喜びをしっかり感じるためには、正しい異性観、命の大切さ、性に関する科学的・基礎的知識などを学び、豊かな人間関係を育むことが重要であると認識をしております。  具体的には、小学校では年齢に伴う体の変化や発育の個人差などについて、中学校では生殖にかかわる機能の成熟、異性への尊重、性情報への対処などについて学習をいたします。高等学校では妊娠、出産とそれに伴う健康課題や家族計画の意義などについて学習しており、この中で出産時の母親の年齢による死産率の変化などの情報も伝えております。  教育委員会といたしましては、それぞれの段階に応じた適切な指導が行えるよう性に関する指導者研修会などのさらなる充実を図ってまいります。以上でございます。 174 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 175 ◯市長(高島宗一郎) 日本、そして福岡はもちろんなんですが、の将来を考えたときの不安の多くが少子・高齢化というような部分に起因することも非常に多いと思いますし、また、福岡ももちろんもっと子どもを産み育てやすいまちになるようにしっかり取り組んでいかなければという思いを持っております。  まず、女性の職場復帰についても、男女がともに仕事と家事、育児の両立ができる職場環境づくりを進めるために、出産後の女性の就労支援に引き続き取り組みますとともに、働き方の見直しを含めた意識改革について企業の経営者に働きかけていくというような、子育て支援社会に向けた意識啓発にもこれからも取り組んでいきたいと思っています。  また、保育環境の充実を図るために、待機児童の解消に向けた保育所の整備や、それから多様な保育サービスの充実、そして地域における子育て家庭への支援を推進して、子育てにかかわる全ての人々が安心して、夢を持って、楽しく子どもを産み育てられるまちになるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。  また、私の経験で言っても同僚が流産をしたと、苦しんでいるという姿もこれまでも、これは単数ではなくて複数そういった仲間がいましたし、その流産を2回以上繰り返す、いわゆる不育症ということですけれども、お子さんを持ちたいのに流産や死産を繰り返される方の精神的な負担が大きいことはよく理解はできます。不育症についての研究は厚生労働省の研究班で進んでおりますので、今後の研究成果にも期待をしたいと思います。また、福岡市としても不育症で悩んでいらっしゃる方の相談にもしっかり対応できるように努めていきたいと考えます。以上です。 176 ◯副議長(大石修二) 阿部正剛議員。 177 ◯57番(阿部正剛)登壇 お疲れさまでございます。私は、民主・市民クラブを代表し、児童養護施策について、公契約条例について、東区役所の利便性の向上の3点について質問をいたします。  まず、児童養護施策についてであります。  本市において、ここ数年、虐待による乳幼児の死亡など重大な事案が多発したことに加え、子どもに関する相談が増加していること、さらには相談が複雑化、深刻化していることから、相談体制の強化や虐待などの早期発見、早期対応などに取り組まれているところであります。また、あわせて家庭での養育が困難な子どもに対しましては、里親制度の拡充による家庭的な環境のもとでの養育の推進や、児童養護施設などの施設機能の強化、家庭支援の機能強化などに取り組まれているところであります。しかしながら、本市の児童虐待の相談件数は依然高い水準であり、家庭での養育が困難な幼児児童生徒数も恒常的に高く推移していることから、児童養護施策のさらなる充実が求められております。  そこで、お尋ねいたしますが、まず養護施設や里親など児童養護にかかわる本市の状況について、次に児童養護施策における国や本市の今後の方向性について、次に本市における養護施設や里親などによる要養護児童数とその推移について、次に児童養護に係る当初予算とその推移について、次に本市における単費事業並びに予算とその推移について、この項目の最後に他都市における主な単費事業並びに予算についてお尋ねをいたします。  次に、公契約条例についてであります。  当事者の一方が国や地方自治体などの公の機関で、行政目的遂行のため多くの場合は競争入札のもとに民間企業や民間団体などと締結する契約が公契約であります。特に公契約における競争入札は、一般的に言われておりますのは厳しい財政状況にある国や地方自治体の業務発注量が減少したことにより、小さくなったパイの獲得のために価格競争が激化し、落札価格の下落が続いていくという状況を招くと言われ、さらに過当競争は事業やサービスの質の低下と、そこに働く労働者の賃金を初めとする労働条件の悪化を招き、官製ワーキングプアを生み出す要因であることが指摘されております。  そこで、お尋ねいたします。まず、公契約条例の概要についてお尋ねいたします。次に、我が国における公契約条例の制定状況について、最後に本市における公契約条例に対する考え方についてお尋ねをいたします。  1問目の最後に、東区役所の利便性の向上についてであります。  本市が昭和47年に政令指定都市となった際、本市人口は約89万人でありましたが、その後の国勢調査では、平成22年146万4,000人、そして直近の本年8月時点での推計人口は149万人となり、昭和47年の政令指定都市移行時と比べ1.67倍に増加しております。うち東区におきましては、政令指定都市移行時は約15万人でありましたが、平成22年では29万2,000人、そして本年8月時点では推計29万7,000人と、政令指定都市移行時と比べおおよそ2倍近い伸びとなっております。また、平成15年3月に策定されました新・基本計画では、平成37年、2025年に147万2,000人以降は人口減少に転じるとの予測がなされておりましたが、本市が最近発表しました将来人口推計によりますと、平成47年、2035年ごろに約160万人に達する見込みであること、うち東区においては10年後の平成34年に33万2,000人に達する見込みであることが新たに予測されておりますが、このことを背景に質問に入ります。  まず、行政サービスの地域拠点であります区役所における行政上のサービスや手続についてでありますが、住民異動届や印鑑登録、国民健康保険や子ども医療証などの手続など、市民課や保険年金課などを初め、各部署においてさまざまな手続のために、市民が必要に応じて区役所を訪問しなくてはならないシステムとなっている中で、まず区役所以外において受けられる市民課関連の行政上のサービスや手続などについて、次に住民票や印鑑証明などの各種証明書の本市並びに東区の発行状況について、最後に納税証明などの各種証明書の本市並びに東区の発行状況についてお尋ねいたしまして、1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。 178 ◯副議長(大石修二) 吉村こども未来局長。 179 ◯こども未来局長(吉村展子) 児童養護施策についてお答えいたします。  まず、養護施設や里親等、児童養護にかかわる福岡市の状況についてでございますが、平成24年8月1日現在、児童養護施設が3カ所、乳児院が2カ所、ファミリーホームが8カ所、自立援助ホームが2カ所、里親登録数が102世帯でございます。  次に、児童養護施策における国や福岡市の今後の方向性についてでございますが、国におきましては、平成24年3月に里親及びファミリーホーム養育指針や施設運営指針を示すなど、里親やファミリーホームなどの家庭養護の優先や施設において家庭的な環境で小規模な単位での養育を推進しているところでございます。福岡市におきましても、国と同様に里親やファミリーホームを推進するとともに、施設の機能強化や小規模な単位での養育を進めていくことといたしております。  次に、福岡市における養護施設や里親等による要養護児童数とその推移についてでございますが、8月1日現在の児童数では平成22年が450人、23年が457人、24年が464人でございます。  次に、児童養護にかかわる当初予算とその推移についてでございますが、施設の事務費や児童の養育にかかる事業費を扶助費として支給しており、平成22年度が17億231万6,000円、23年度が16億9,796万9,000円、24年度が18億4,065万円でございます。  次に、福岡市における単費事業並びに予算とその推移についてでございますが、市内の児童養護施設や乳児院に対し施設の管理運営費や施設職員の雇用経費、研修経費などを補助している民間児童福祉施設運営費補助金と児童の高校等の入学や就職時の支度金を補助する自立促進事業がございます。民間児童福祉施設運営費補助金は平成22年度が2,532万8,000円、23年度が2,522万4,000円、24年度が2,530万1,000円でございます。自立促進事業では平成22年度が929万円、23年度が445万5,000円、平成24年度が526万5,000円でございます。  次に、他都市における児童養護関係の主な単費事業並びに予算についてでございますが、主な単費事業は高校入学支度金、就職支度金、大学等進学支度金などの入所児童の処遇向上経費や施設の管理運営費、施設職員の雇用や処遇改善経費などでございます。  予算につきましては、政令市の上位3都市で川崎市が2億3,000万円、横浜市が1億3,600万円、名古屋市が9,900万円と伺っております。以上でございます。 180 ◯副議長(大石修二) 阿部財政局長。 181 ◯財政局長(阿部 亨) 公契約条例についてお答えをいたします。  まず、公契約条例の概要でございますが、既に条例を施行しております他都市の事例を見ますと、自治体が締結する工事請負契約や業務委託契約において、契約に係る作業に従事する労働者に対して自治体が定めた下限額以上の賃金を支払うこと、適用労働者への周知、受注者の報告義務及び立入調査、是正措置、契約の解除、違約金などについて規定をされているところでございます。  次に、公契約条例の制定状況でございますが、平成24年8月末現在で千葉県野田市、川崎市、相模原市、東京都多摩市、東京都国分寺市、東京都渋谷区の6市区で制定をされております。  次に、公契約条例に対する考え方でございますが、工事や業務委託を対象に賃金の下限額を自治体独自で定めることは、最低賃金法によります基準と異なる基準、2つの基準を定めることになるという問題が生じます。また、この条例は労働者を保護するという側面と零細企業の経営に影響を与えかねないという側面の両面を持ち合わせております。このようなことから、公契約については、まずは国において基本的な考え方を整理していただくことが必要であると考えておりまして、福岡市といたしましては、国や先行している都市の動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、納税証明書等の発行状況についてお答えをいたします。  本市におきましては、納税証明書等、税関係の証明書を7区役所、本庁北別館、市内35局の郵便局及び天神証明サービスコーナーで発行いたしておりますが、本市全体の発行件数は平成23年度実績で35万9,412件となっております。内訳といたしましては、7区役所及び北別館が34万6,375件で、市全体の96.4%、市内35の郵便局が1万2,585件で3.5%、証明サービスコーナーが452件で0.1%となっております。  また、東区では6万7,573件を発行しており、全市の18.8%を占めております。内訳といたしまして、区役所が6万758件で、東区全体の89.9%、東区内10の郵便局が6,815件で10.1%となっておりまして、他の区と比べまして郵便局での発行比率が高くなっております。以上でございます。 182 ◯副議長(大石修二) 四宮市民局長。 183 ◯市民局長(四宮祐司) 東区役所の利便性向上につきまして、まず、区役所以外で受けることができる市民課関連のサービス等についてのお尋ねでございますが、天神、博多駅の証明サービスコーナー、市内35局の指定郵便局のほか、住民基本台帳カードをお持ちの方で、事前に区役所で利用登録をされた方につきましては、全国のセブンイレブンにおいて住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍証明、戸籍の附票などの各種証明を入手することができます。
     なお、引っ越しなどに伴う異動関係の届け出につきましては、区役所以外で行うことはできない状況となってございます。  次に、住民票の写し等の各種証明書の発行状況についてのお尋ねでございますが、本市全体では平成23年度実績で197万3,877件の証明を発行しており、内訳といたしましては区役所が173万7,316件で市全体の88%、郵便局が10万3,102件で市全体の5.2%、証明サービスコーナーが13万3,459件で市全体の6.8%となっております。  また、東区全体では36万2,230件で、全市の18.4%を占めており、内訳としては区役所が30万9,471件で東区の85.4%、郵便局が5万2,759件で東区の14.6%となっており、他区と比べて郵便局での発行比率が高くなっております。以上でございます。 184 ◯副議長(大石修二) 阿部正剛議員。 185 ◯57番(阿部正剛) 2問目に入ります。まず、児童養護施策についてであります。  本市の養護施設や里親などによる要養護児童数が年々増加傾向にあることに加えまして、子どもに関する相談数の増加や複雑化などを総合的に鑑みれば、今後も要養護児童数の増加は十分に予測されることから、さらなる施策の充実が必要であると考えております。  本市におきましては、国の掲げる方向性に沿って里親やファミリーホームの推進、児童養護施設の機能強化や家庭的養護を推進していることに加え、民間児童福祉施設運営費補助金制度や高校入学支度金や大学等進学支度金など市単独の自立促進事業にも取り組まれているようであります。  一方、他都市においても高校入学支度金や就職支度金、大学等進学支度金など入所児童の処遇向上経費や施設の管理運営費、施設職員の雇用や処遇改善経費など、本市と同様の単独事業に取り組まれておりますが、要養護児童数の違いがあるため一概に比較はできませんが、同じ政令指定都市であります川崎市、横浜市、名古屋市などは本市と比べ大変手厚い予算となっているようであります。  平成23年5月に発行されました福岡市特別支援教育推進プラン、福岡いきいきチャレンジプランでは、特別支援学校、特別支援学級並びに通級指導教室に通級する児童生徒数が平成11年度から毎年増加し、平成21年度では2,536名と前年度比106%の状況にあります。また、通常の学級に在籍している障がいのある幼児児童生徒数も増加傾向にあり、通級指導教室を含む特別支援学級の設置も小中学校とも増加していることに加え、教育上特別な支援が必要な幼児児童生徒の日常生活の介助や学習活動のサポートを行う特別支援教育支援員の配置数も年々増加している状況にあります。  教育現場における何らかの障がいを持つ幼児児童生徒数の増加は、すなわち養護施設を初めとする養育の現場においても増加していることが予測されることから、教育現場同様、何らかの障がいを持つ処遇困難な児童に対し特別な支援を充実させる必要があるのではないかと考えます。  そこで、お尋ねをいたします。まず、市内の施設入所児童や里親、ファミリーホーム委託児童のうち、障がい等のある児童数について、次に障がい等のある児童の割合について、次に障がい等のある児童に対する支援について、最後に他都市における障がい等のある児童の割合や職員雇用経費などの支援内容についてお尋ねをいたします。  次に、公契約条例についてであります。  公契約条例の制定状況は、平成24年8月末現在で千葉県野田市を初め計6自治体にとどまっておるようです。公契約条例においては、最低賃金法と異なる基準を定めることに問題があること、国において基本的な考え方を整理する必要性があるとのことで、国や先行している都市の動向を注視したいというのが本市の見解のようであります。  そもそも公契約条例の必要性が問われてきました背景は、先ほど申し上げましたように、国や地方自治体の厳しい財政状況による公契約のコストダウン要請と受注のための過当な競争が相まって、受注価格の低下から賃金や労働条件が低下し、結果として公共サービスの質の低下につながり、悪循環に陥るということにあると思います。  今回の質問では、基本となります発注額であります予定価格が前年と比較できる業務委託に絞って質問をさせていただきます。  まず、本市における業務委託の競争入札参加要件審査内容について、次に本市における業務委託の予定価格の設定方法について、次に本市における業務委託のうち、4件例を出させていただきます。まず、福岡市役所本庁舎行政棟低層階・広場清掃業務委託、福岡市役所本庁舎議会棟・駐車場・広場警備等委託、福岡市役所本庁舎整備運転・監視業務委託、東区役所庁舎管理その他の業務委託の平成23年度と平成24年度の予定価格と契約金額について、この最後に平成21年度に施行されました公共サービス基本法なるものがありますが、このうち労働環境の整備とはどのようなものかをお尋ねいたします。  2問目の最後に、東区役所の利便性の向上についてお尋ねをいたします。  区役所以外で受けられる市民課関連の行政上のサービスや手続については、天神や博多駅の証明サービスコーナーや市内35カ所の指定郵便局に加え、本年8月から全国のセブンイレブンにおいて各種証明書の発行が受けられることになり、市民の利便性はさらに向上するものと予測される一方で、これは経過を見ていく必要も当然あると思います。  市民課関連の各種証明書の発行件数は、平成23年度実績で全市で約197万件のうち、区役所以外の郵便局や証明サービスセンターにおいて約23万6,000件とわずか12%程度にとどまっております。一方、東区においては36万件のうち指定郵便局での発行が14.6%と、区役所以外の利用頻度が高い傾向となっております。また、税務関係証明書においても、全市では区役所及び本庁北別館以外での発行がわずか3.6%である一方で、東区においては指定郵便局での発行が10.1%と利用頻度が同じく高い傾向にあることは、ある意味東区の不便さをあらわしているのではないかと思います。  住民異動届を初めとするほとんどの事務手続が申請主義、届け出主義であり、市民が区役所を訪問し、初めて事務手続が完了するという現状のシステムの改善が求められているのではないかと思います。  そこで、お尋ねをいたします。まず、東区役所における待ち時間など現状の問題点について、次に待ち時間などの問題点の解消対策や業務改善等の取り組みやその効果について、次に現在の東区役所の位置についての経緯について、最後に東区役所現在地における課題や問題点をお尋ねし、2問目を終わります。 186 ◯副議長(大石修二) 吉村こども未来局長。 187 ◯こども未来局長(吉村展子) 児童養護施策についてお答えいたします。  市内の施設入所児童や里親、ファミリーホーム委託児童のうち、知的障がいや注意欠陥多動性障がい、学習障がいなど障がいのある児童の数は、3月1日現在で平成22年が42人、23年が79人、24年が83人でございます。  次に、障がい等を持つ児童の割合でございますが、3月1日現在で平成22年が10.3%、23年が19%、24年が19.7%でございます。  次に、児童養護施設における障がい等のある児童に対する支援についてでございますが、福岡市では国の制度を活用し、施設に個別対応職員、心理療法担当職員などを配置しているところでございます。  次に、他都市における児童養護施設における障がいのある児童の割合や支援内容についてでございますが、他都市における障がいのある児童の入所割合につきましては公表されておりませんが、国が公表している平成20年の全国調査では23.4%となっております。支援内容につきましては、政令市のさいたま市、横浜市、北九州市が処遇困難児を手厚くケアする施設職員等の雇用経費補助を行っていると伺っております。以上でございます。 188 ◯副議長(大石修二) 阿部財政局長。 189 ◯財政局長(阿部 亨) 公契約条例に関する御質問にお答えをいたします。  業務委託の競争入札参加資格審査内容でございますが、平成23年4月に行いました平成23及び24年度の競争入札参加資格審査申請時におきましては、1点目として地方自治法施行令第167条の4の規定に該当する者でないこと、これは成年被後見人や被保佐人、破産者で復権を得ない者や契約の履行に際し不正な行為をした者等のことであります。2点目、市町村税、消費税及び地方消費税を滞納していないこと、3点目、経営状態が著しく不健全であると認められないこと、4点目、営業に関し法律上必要とする資格を有すること、5点目、福岡市競争入札参加停止等措置要領別表第3に該当しないこと、これは役員等が暴力団の構成員であること等に該当しないことでございます。以上5項目を必要な資格といたしております。  次に、業務委託の予定価格の設定方法でございますが、予定価格は自治体が契約を締結する場合において、その契約金額を決定する基準としてあらかじめ作成するものでございます。設定方法につきましては、福岡市契約事務規則第15条におきまして、単価契約を除いて業務価格の総額について取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、履行期間の長短等を考慮して適正に定めるものと規定いたしております。  次に、業務委託の平成23年度と24年度の予定価格と契約金額についての御質問でございます。  まず1点目、行政棟低層階及び広場清掃業務委託につきましては、平成23年度が予定価格2,418万7,800円に対しまして契約金額2,383万5,000円、平成24年度が予定価格2,413万4,250円に対しまして契約金額2,378万2,500円でございます。  2つ目ですが、議会棟・駐車場・広場警備等委託につきましては、平成23年度が予定価格7,067万1,300円に対し契約金額7,056万円でございます。平成24年度が予定価格7,031万1,150円に対し契約金額6,930万円でございます。  3点目、市庁舎設備運転・監視業務委託につきましては、平成23年度が予定価格9,210万1,800円に対し契約金額9,097万2,000円、平成24年度が予定価格9,615万5,850円に対し契約金額9,538万2,000円でございます。  最後に、公共サービス基本法における労働環境の整備につきましては、第11条に国及び地方公共団体は安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保、その他労働環境の整備に関し必要な施策を講じるよう努めるものとすると定められております。以上でございます。 190 ◯副議長(大石修二) 四宮市民局長。 191 ◯市民局長(四宮祐司) まず、公契約条例につきましてのお尋ねでございます。  東区役所庁舎管理その他の業務委託についてでございますが、平成23年度は予定価格2,048万9,700円、契約金額は2,034万9,000円、また平成24年度は予定価格1,949万3,250円、契約金額は1,930万9,500円となってございます。  続きまして、東区役所の利便性向上についての御質問にお答えいたします。  まず、東区役所における待ち時間等についてのお尋ねでございますが、3月、4月の繁忙期における市民課窓口では、証明を取得するだけの方で最大1時間半程度、引っ越しに伴う異動手続と同時に証明書を取得される方につきましては最大2時間程度お待ちいただいているほか、通常期においても月曜日など来庁者が多い日を中心に窓口での待ち時間が他区と比べて長くなっております。また、車での来庁者が多いために駐車場が混雑しており、特に繁忙期においては周辺道路に駐車待ちの車列ができ、交通渋滞が発生することもあり、課題となっております。  次に、待ち時間等の問題点の解消対策等についてのお尋ねでございますが、これまで区役所以外で各種証明書を入手できるようにするため、天神、博多駅証明サービスコーナーの開設や郵便局での証明書交付を行うとともに、本年8月1日よりコンビニエンスストアでの証明書交付を開始いたしました。なお、このコンビニ交付に必須の住民基本台帳カードの無料キャンペーンも実施いたしており、開始1カ月のカード発行数が前年同月の約7倍になるなど、利用拡大に向けた環境整備も進めております。また、区役所においては、昼休み3交代制の導入による受付窓口数の確保や繁忙期における休日開庁、臨時窓口の増設、臨時職員の活用などを行ってきており、待ち時間の短縮に努めているところでございます。  次に、現在の東区役所の位置についてのお尋ねでございますが、昭和39年12月に福岡市行政区画審議会が答申した福岡市行政区画に関する答申により、庁舎の位置の考え方は第一義的に交通の利便を配慮することとし、東区については貝塚または箱崎付近が適当とされたことを受け、現在の位置に決定したものでございます。  最後に、東区役所現在地における課題等のお尋ねでございますが、東区役所は東区の中心よりも南に立地しており、多々良川を境に南北を比較した場合に、人口では約8対2、各証明書等の発行件数では約7対3の比率となっていることもあり、主に東区北部の市民の方にとって行きやすい立地状況にはなってございません。そのため、乗用車の利用も多く、駐車場の混雑の要因にもなっていると考えております。また、東区の人口が政令指定都市となった昭和47年の約15万人と比較すると、ほぼ倍増となる29万人を超える数まで増加する中、庁舎スペースが手狭になっておりますが、敷地の限界やURとの合築による制約などもあって、フロアスペースを拡大することが困難であり、現在の混雑の大きな要因となっております。以上でございます。 192 ◯副議長(大石修二) 阿部正剛議員。 193 ◯57番(阿部正剛) 3問目に入ります。まず、児童養護施策についてであります。  障がい等のある児童が増加している現状、また入所率も高くなっていることから、本市においても国基準の対応だけではなく、障がい等のある幼児児童生徒一人一人のニーズに応じた支援体制の充実を図る必要があるのではないかと思います。手厚いケアのためには、特別な支援が必要な幼児児童生徒のサポートを行う特別支援教育支援員のような役割の職員配置も必要ではないかと思います。さいたま市や横浜市、北九州市では処遇困難児に対する施設職員の雇用経費補助制度などが実施されており、特に北九州市では児童養護施設に入所している軽度発達障がい児などの処遇困難児への必要なケアと他児の処遇の質を確保するため、各施設1人の職員を配置し、さらに処遇困難児10人ごとに1人の職員を加配する費用を補助する児童養護施設等処遇改善事業として取り組まれているようであります。ぜひ参考にしていただきたいと思います。  この項目の最後に、本市における障がい等のある児童に対する支援強化策につきまして高島市長に所見をお伺いいたします。  次に、公契約条例についてであります。  本市の業務委託などの競争入札参加要件は地方自治法に準じて審査が行われているようですが、公契約にかかわる業務につく労働者の賃金などの労務管理の視点は全くありません。ただ、予定価格の設定方法については、本市契約事務規則にのっとり適正に積算されているとのことであり、前年度との比較でも大きく変動することがなかったことは承知したところであります。  一方、先ほどの4件の予定価格に対し、指名競争入札の上で平均98.89%という非常に高い水準で契約が交わされており、国が定める労務単価に基づく人件費の算定など、いわゆる適正な価格で業務委託契約が締結されていると思われることから、その委託業務に従事する労働者の賃金や労働条件も当然のことながら適正であると思います。思いたいと思います。  業務委託を初めとする公契約は、地場企業の経営安定や企業経営の継続性はもちろんのこと、雇用の確保、そこに働く者の賃金を初めとする適正な労働条件などを確保し、良質な業務やサービスを提供することが求められております。しかし、企業経営に絶対という言葉はなく、仮に経営が厳しくなればなるほどそのしわ寄せは労働者に降りかかるものであります。  また、先ほどの答弁にありましたように、公共サービス基本法では、地方公共団体は公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働環境の整備に関し、必要な施策を講じるよう努めるものと定められていることから、ここは要望にとどめておきますが、公共サービス基本法の理念に沿って、本市においても公契約条例の検討はもちろんのこと、賃金や労働条件などの労務資格審査なども検討すべきであることを要望し、この項目の質問を終わります。  最後に、東区役所の利便性の向上についてであります。  繁忙期においては、証明書を取得するだけで最大1時間半程度、異動手続の場合は最大で2時間程度、通常期でも月曜日などは待ち時間が長くなっていることに加え、駐車場でも混雑が発生し、周辺道路にも影響が出ているとのことから、区役所以外での証明書発行サービスの導入や窓口業務の昼休み3交代制の導入、繁忙期の休日開庁、臨時窓口の増設など問題点の解消に向けて努力はされているようですが、残念ながらその効果については明確なお答えがなかったように、市民サービスが満足するほどに向上したとの声は届いておりません。  また、現在の東区役所は、昭和39年、福岡市行政区画に関する答申において、庁舎の位置の考え方が示され、交通の利便性を配慮することとし、貝塚または箱崎付近とされたことから現在地に決定されたものであります。現在の東区役所が開設されて約40年が経過しましたが、先ほど申し上げましたように、人口は約2倍に増加し、人口重心も千早か香椎地区あたりに移っているのではないかと思います。庁舎スペースの狭隘化、敷地の限界やURとの合築など、このままで待ち時間や庁舎内の混雑、または駐車場の混雑などの解消が劇的に改善するとは考えられません。東区の人口は将来約33万人まで増加することが予測されており、行政サービス拠点としての区役所のあり方が問われております。現在の待ち時間の短縮や混雑などの課題に対し、実効性の高い東区役所の利便性向上に向けての対策について所見をお伺いいたします。  また、先ほど申し上げましたように、東区役所以外での各種証明書の発行が全市の割合より多い背景は、現在地にある東区役所が東区全体を見たときに、大変へんぴで不便であることが影響していると思います。このような状況の中で申請主義、届け出主義の現在のシステムを変えることなく、緊急避難時的な手法で抜本的な課題解決策を示さないままで市民サービスの向上の掛け声だけでは市民の理解は得られません。また、現在の東区役所は狭隘化で将来の人口増への対応は到底期待できず、行政サービスの拠点としての機能を果たせるとは思えないことから、質問の最後に問題解決のために区役所の移転、あるいは出張所の設置など将来に向けた東区役所のあり方について、高島市長の所見をお伺いし、質問を終わります。 194 ◯副議長(大石修二) 四宮市民局長。 195 ◯市民局長(四宮祐司) 東区役所の利便性向上に向けての対策についてのお尋ねでございますが、各種証明書の発行につきまして、博多駅の証明サービスコーナーやコンビニエンスストアでの証明書交付の利用等をさらに促進するとともに、平成28年を目途に整備が予定されてございます香椎副都心公共施設内に市内3番目の証明サービスコーナーを設置することといたしております。以上でございます。 196 ◯副議長(大石修二) 高島市長。 197 ◯市長(高島宗一郎) 社会的養護を必要とする子どもたちを取り巻く環境は複雑化しておりまして、また保護者から虐待を受けた子どもや不適切な養育環境で過ごした子ども、また障がいのある子どもなど、手厚いケアが必要な子どもたちがふえております。子どもに目が届いて手厚いケアができる家庭的養護を進めるために里親ですとか、それからファミリーホーム、こういったものを推進しますとともに、施設における小規模単位での養育ですとか機能の強化を図ってまいります。  また、児童養護施設等には、市独自で職員の知識、技能の向上を図るための研修経費ですとか臨時職員の雇用経費を補助しているところでございまして、今後とも研修内容の充実など障がいなどのある子どもに対する支援策の強化について検討してまいります。  また、将来に向けた東区役所のあり方についてのお尋ねでございますが、東区役所につきましては、耐震改修工事なども既に終わって、合築しているURと長期契約中という現状はございますが、窓口の混雑等は住民サービスに係る大変大きな問題であると考えています。そのために、現在は郵便局ですとか、それから先日もコンビニでの住民票等の交付、こういったことをスタートさせました。また、香椎副都心公共施設内に証明サービスコーナーを設置するなど、当面の対策にまずは力を入れているところでございますが、今後、中長期的な視点で東区のあるべき行政サービス提供のあり方について幅広く検討を行っていきたいと思います。以上です。 198 ◯副議長(大石修二) お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は9月14日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 199 ◯副議長(大石修二) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次の会議は9月14日午前10時に開きます。本日はこれをもって散会いたします。                                         午後6時17分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...